英語の冠詞の使い方や使い分けは本当に難しいですよね。苦手にしている人も多いと思います。
「数えられる名詞、数えられない名詞の違いだけじゃ使い分け出来ないじゃないか!」
「何でこの名詞が数えられる名詞扱いになるの?!」
英語の冠詞についてこんな風に感じて混乱している人も多いのではないでしょうか。そんな人のために、今回は英語の冠詞の参考書でとてもおすすめの
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」石田秀雄 を紹介します。
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」の特徴・おすすめな点
冠詞の有無、違い以外は同じ英単語を使った例文ペアで学べる
これがこの本の最大の特徴です。冠詞の有無、違い以外は同じ単語を使った英文をペアにすることで、意味やニュアンスの違いがよりハッキリと学ぶことが出来ます。
I was annoyed by noise outside. I was awakened by a noise outside.
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」石田秀雄
例えば、このような英文ペアです。「 noise に冠詞がつくかどうかはどう判断するのか、意味の違いは?」などを解説で学ぶことが出来ます。こういうペア例文が全部で104文+各項目で学んだことの練習問題で104文あります。
上記の例文ペアは使われている過去分詞が違いましたが、冠詞の部分以外はほぼ同じという例文ペアも多いです。
読者に冠詞の違いに集中させるためだと思いますが、使われている英単語や英文法も難しくはありません。直後に訳も書いてあるので多少知らない単語があっても問題なく読めると思います。(冠詞の部分の意味の違いの判別は難しいと感じる人は多いと思います)
総合英語や英文法書の冠詞の項目でも例文とともに分かりやすく説明はされています。しかし、この本のように、同じ単語を使ったペア英文を沢山使って徹底的に説明が書かれたものは珍しいのではないでしょうか。
全3章、196ページ
- 第1章:可算名詞と不可算名詞の使い分け
- 第2章:単数と複数の使い分け
- 第3章:定冠詞と不定冠詞の使い分け
以上の3つに大まかな章立てがされています。これは冠詞の本なので普通ですよね。全部で196ページで、イラストや余白も結構取られているのでサクサクと読み進められる本だと思います。
各章の最初(1章には章の途中にもう一度)には数ページ使って、「原則」や「定義」についての説明があります。その後、全52項目の具体的な冠詞の使い分けを学ぶという流れです。
全52項目、収録英文数104文+チャレンジ問題104問
1つのテーマが6ページで完結するので、ちょっとした空き時間などにも読み進められます。「空間が仕切られているか」などのテーマ(小見出し)1つにつき2項目進みます。
- 2つの例文の意味を考えさせる問題
- 2つの例文の冠詞による違いの解説
- 冠詞の穴埋めタイプのチャレンジ問題2問
- チャレンジ問題の解答解説
この流れ1セットが1項目です。これが6ページ中に2セット載っています。
各項目の最後に冠詞についてのコラムや、プチコラムが載っています。
難しい専門用語を出来る限り使わないように分かりやすく解説されている
出来るだけ難しい専門用語は使わないようにして、英語が専門でない人にも分かりやすいように配慮がされています。
- 統合的認知、離散的認知
- 外界照応的用法、前方照応的用法、後方照応的用法
例えば上記のような、いかにも難しそうな専門用語を使わずに説明してくれているということです。しかし、
- 単数形、複数形
- 可算名詞、不可算名詞
- 定冠詞、不定冠詞
専門用語を使わないとはいえ、さすがにこのあたりの英文法用語は出てきます。これらの用語は本を読めばどのようなものか分かるようになっているので安心して下さい。
やっぱり英文法用語や専門用語などが出てくると嫌だなと感じる人もいると思うので、ありがたいですね。
コラム、プチコラムが面白い
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」には、コラムやプチコラムが沢山散りばめられています。例えば以下のようなものです。
本当に犬が好きなのは誰か
「犬が好きだ」と主張する5人の人がいるとしましょう。次のAさんからEさんのうち、本当に犬好きなのはどの人か当ててみてください。
A: I like dog. B: I like a dog. C: I like dogs. D: I like the dog. E: I like the dogs.
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」石田秀雄
皆さんはどの人が「明らかに犬好きな人である」か分かりますか?この5人の発言の微妙な違いで、どのような可能性があるのかなどの解説が入ります。
これはクイズ形式でしたが、他にも色々な面白いコラム・プチコラムが載っているので読んでみてください。
コラムは8本、プチコラムは26本載っています。コラムは各2~4ページ、プチコラムは各半ページ~1ページくらいの量です。
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」の使い方、おすすめ勉強法
勉強計画を立てる
まず、どのくらいの期間で1冊を一通り読み終えるかを決めてしまいましょう。例えば、
- 毎日約20ページずつ進めると決めて10日で終わらせる
- 毎日1章ずつ読んで、3日で終わらせる
など、自分に無理のない量を決めましょう。
この『英語冠詞トレーニング』は分厚くて文字がびっしり!という本でもないので、個人的には1週間以内に読み終えるくらいの計画をおすすめしておきます。面白いですし、サクサク読めるタイプの本なので、1~2日で読み終えることも十分出来ると思います。
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」を使ったおすすめ勉強の進め方
計画で決めた量を毎日進めましょう。
- 例文の冠詞の有無、違いによる意味の違いを考える
- 例文の解答、解説を読む
- 解説を理解した上で、例文を「日本語から英語にパッと直せるまで」何度も口に出して練習する(瞬間英作文)
- 次の項目へ進む
- 1~4を、その日の目標にしてるページまで繰り返す
- その日に勉強した例文を全て日本語から英語に出来るかを確認する(瞬間英作文)
- 全部瞬間英作文出来るようになったらその日の勉強は終わり
「これならわかる!英語冠詞トレーニング」を使って勉強する時の注意点
- 難しいと感じる英文は付箋を貼ったり、ノートやスマホなどにメモし、毎日練習出来るようにしておく
- 気になった英単語(冠詞含む)は辞書で調べてみる
- 分からない英文法が出てきたら総合英語や英文法書などで調べる
- 必ず各解説で理解したことを意識しながら日本語から英語に直す
- 出来れば毎日、前日に学習した例文を瞬間英作文して復習する
最後に
以前に記事にした前置詞とともに、英語の冠詞の勉強は何となく「苦手だ」と思いつつも手薄になっていた人が多いのではないでしょうか?
冠詞はとても難しく感じると思いますが、まずはこの本に書いてある解説と例文を徹底的にマスターすることをおすすめします。
その後はこの本で学んだことを意識しながら、総合英語や英文法書の例文を徹底的に瞬間英作文するなどでマスターしておくと良いでしょう。そして英語の多読多聴や英会話、英作文を重ねるうちに、冠詞の正しい感覚が少しずつ自分の中に定着してくると思います。
関連記事:【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか?『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』
この本が気に入って冠詞が面白いと感じた人や、もう少し本格的な冠詞についての本を読みたい場合は、今回紹介した参考書と同じ著者である石田秀雄 氏の「わかりやすい英語冠詞講義」がおすすめです。少し記述が難しくはなりますが、「英語冠詞トレーニング」からのステップアップに最適な本です。