英語が話せるようになるために効果的な英会話の学習に、瞬間英作文(口頭英作文)というものがあります。みなさんの中にも取り組んでいる人もたくさんいるかと思います。
今回は、1冊で中学~高校レベルまでの英文法の瞬間英作文トレーニングが出来る
「80の文法ルールで話しまくれ!キーフレーズでがっちり身につける 会話できる英文法大特訓」妻鳥千鶴子 著 を紹介します。
実際の英会話でよく使いそうなフレーズを使って瞬間英作文トレーニングが出来ます。 この本は、1冊めか2冊めの瞬間英作文用の教材としてとてもおすすめですね。
「会話できる英文法大特訓」の特徴・おすすめな点
収録英文数 全720文(80の英文法のルール×9文)
「会話できる英文法大特訓」は全部で80の英文法項目を、各項目9文ずつの全720の英文で学習する構成になっています。瞬間英作文用の教材として、十分な量の英文が収録されています。この720文で中学から高校までの英文法をカバー出来ると考えると、コスパはかなり良い方だと思います。
参考:ジェームズ・バーダマン氏「毎日の英文法」は全806文、市橋敬三氏「話すための英文法中級編」は全375文、森沢洋介氏「スラスラ話すための瞬間英作文トレーニング」は全800文です。
英会話で使う中学レベル~高校レベルの英文法をひと通り勉強出来る
「否定文や疑問文の作り方」のような中学レベルの英文法から、「関係副詞や仮定法、強調構文」のような「苦手な人が多い高校レベルの英文法」まで、ひと通り学び練習することが出来ます。
一方、過去完了や未来完了のような英会話での使用頻度が低いと思われる英文法項目は、コラムで軽く触れる程度になっています。(仮定法過去完了は80 Unit の中に入っています)
個人的には、「中学英語はある程度出来るようになった人」のステップアップとして瞬間英作文の2冊目に使うのをおすすめしたいです。瞬間英作文の1冊目として「毎日の英文法」をこなした人には最適だと思います。
関連記事:瞬間英作文 効果抜群のおすすめ教材、英会話例文集「毎日の英文法」ジェームス M. バーダマン の特徴・使い方!
英会話に直結するよく使う英文法・自然な英会話フレーズを学べる
英文法に直結するよく使う英文法や、自然な英会話フレーズが収録されています。例文をパラパラと見てみると、「これは実際に自分でも使いそうな英文だな」と思う英文がたくさん収録されていると感じると思います。
つまり、ほぼそのまま使える実践的な英会話例文がたくさん載っているということです。 もちろん、英文のネイティブチェックもされています。
著者の妻鳥千鶴子さんはバーミンガム大学で翻訳学修士号、テンプル大学ジャパンキャンパスでTESOL(英語教授法)修士号を取得し、英語系資格も
- ケンブリッジ英検CPE
- 英検1級
- 通訳案内士
- TOEIC990
を取得されている、大学講師と英検1級対策をメインとする学校を主催されている方です。
英語系資格の世界最高峰と言ってもいいケンブリッジ英検CPEを取得し、TESOLを含む2つの海外大学の修士号を持ち、長年英語を教えてらっしゃるだけあって、収録英文の選択や解説などがとても英語学習者のことを考えて作られているのが感じられます。まさに英語を教えるプロ中のプロですね。
簡潔な分かりやすい英文法ルールの解説・全英文にひとこと解説あり
その Unit の簡単な英文法解説が左ページ上部に2行、右ページ上部に4行程度、9つの各例文に付き1行の一言解説が加えられています。
例えば、定番の「be going to と will のニュアンスの違い」や「 have to と must のニュアンスの違い」などもしっかりと解説されています。
個人的には、各英文に必ず、何かしらの「ひとこと解説」が加えられているのが良いなと思いました。
This is the company which/that my father works at.
「会話できる英文法 大特訓」妻鳥千鶴子
which/that だけでは場所を表せないので、最後の at を忘れないように。
こんな感じですね。間違う人が多そうなところに解説が入っているのはポイントが高いです。他にも語法やイディオムや慣用表現などについて触れている英文もあります。
日本語→空白→英語の音声で、本がなくても瞬間英作文の練習が出来る
付属CDか、ホームページからダウンロード出来る音声があります。収録英文の発音は必ず確認しましょう。イントネーションなども真似して英語を発する練習をするのが大切です。
音声は「日本語→数秒の空白→英語」と進むので、本がなくてもちょっとした時間に練習することが出来ます。例えば電車の中や休憩時間などでも練習できそうですね。
本で日本語を見て英語を発することには慣れていても、同じことを音声でやろうとすると意外と出来なかったりするんですよね。少しだけ通訳気分を味わえるかもしれません。
ぜひ、本と音声の両方で瞬間英作文をやってみて下さい。
「会話できる英文法大特訓」の使い方、おすすめ勉強法「瞬間英作文」のやり方
瞬間英作文用の本の例文は、読んですぐ理解出来るような英文が多いと思います。しかし、瞬時にその英文を作るのは英語初心者には難しいと思います。英文を見て意味が分かるからといって、「簡単じゃん」と甘く見ず、しっかりと練習していきましょう。
特に、「会話できる英文法大特訓」は高校レベルの英文法も出てきますし、「毎日の英文法」などに比べ、少し長めの英文も出てきます。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、地道に練習すれば必ず慣れますのでご心配なく。
「会話できる英文法大特訓」を使った瞬間英作文トレーニングの勉強計画を立てる
他の勉強と同じで、最初にしっかりと計画を立ててしまいましょう。計画を立てた後は、それを実行していくだけです。闇雲に瞬間英作文トレーニングを始めるよりも、ずっと効率的に英語力をアップさせることが出来ると思います。
「会話できる英文法 大特訓」は全部で80個のUnitで構成されています。一日2つずつ進めると1ヶ月ちょいで終わります。3つずつ進めると、1ヶ月かからずに1周することが出来ます。
収録されている例文のレベルが自分に取ってどう感じるかにもよりますが、1周目は1日2~3 Unit ずつくらいのペースで進めるのがおすすめです。
1周目から「1日に10以上進める!」と欲張りすぎても消化不良になりますし、かといって1つずつだと1周するのに2ヶ月以上かかりますので人によっては「全然進まない」と感じてやめてしまうかもしれません。
これから何周も練習する本なので、最初は焦らずじっくりと進めたいですね。何周もやっていると、どの英文もスッと言えるようになります。その状態になれば、1日に10Unitずつなど、たくさん進めることも苦ではなくなるでしょう。
「会話できる英文法大特訓」を使った具体的な瞬間英作文トレーニングのやり方
瞬間英作文のやり方は基本的なところはどの教材でも共通なので、「毎日の英文法」の記事などで紹介したやり方と殆ど同じです。それを 「会話できる英文法 大特訓」用に少しアレンジします。
- 左右ページ上部の英文法の解説を読んでその Unit のポイントを理解する
- 英文とその真下の一言解説を読んで、完璧に意味、文法を理解する(横の日本語文を見てもいい)
- 音声を聞いて、英文の意味、文法を理解しつつ何度も音読(テキストを見ずに言えるようになるまで)
- 日本語文を見て、何を言うのかを理解したら、すぐに英文を言うという練習をくり返す
- 日本語文を見てすぐに英文を言えるようになったら次の文へ進み、Unit 最後の9文めまで2~5をくり返す
- 最後までいったら、仕上げに9文全て、日本語を見て瞬時に英文を言えるようになるまで順番に復習していく(音声の日→空白→英の空白部分でサッと言えるかどうかの確認でもOK)
- Unit の9文の全てを言えるようになったら、次の Unit へ進む
「会話できる英文法大特訓」を使って瞬間英作文トレーニングをする時の注意点
- 中学レベルの英単語、英文法はある程度は分かる状態にしておく方が良い
- 「読んでひと目で意味が分かる」は当たり前、「日本語を見て瞬時に英文を言える」まで何周でもやる
- 音声を確認して、しっかりと発音やイントネーションまで真似する
- 発音の基本は必ず勉強しておく
- 文法説明で理解できないものが出てきたら総合英語、英文法書で調べる
- 毎日絶対に続けられる量で計画を立てる
- 例文の単語を自分の言いそうなものにカスタマイズして練習する
- この本が仕上がったら次の瞬間英作文の教材へ(英会話定型フレーズ集や対話フレーズ集もおすすめです)
- この本が仕上がったくらいから、オンライン英会話などの実践の場も積極的に作る
瞬間英作文トレーニングをする時の一般的な注意点とほとんど同じですが、「会話できる英文法 大特訓」は
- 原形不定詞
- 関係副詞
- 色々な仮定法
- 強調構文
- 話法
など、結構苦手な人が多い高校レベルの英文法もまんべんなく出てきます。もし分からないところが出てきたら、辞書や高校総合英語・文法書などで必ず調べるようにして下さい。
おすすめの総合英語については「高校英文法の参考書はアトラス総合英語がおすすめ!瞬間英作文用の教材としても最適です」こちらの記事で紹介しています。
この教材がしっかりとマスター出来ていればかなりたくさんの英文法を使いこなせるようになっているはずです。ここから、さらに瞬間英作文教材を取り組んだり、『英会話超ミニフレーズ大特訓 決まり文句500』などの英会話の定型フレーズ集や対話フレーズ集に取り組んだり、英語のコロケーションの勉強をしてみたり多読多聴やオンライン英会話などでの実践と、色々とやることがあります。
発音については「【大学受験英語】発音・リスニング対策におすすめの参考書」
最後に
今回は、中学レベルから高校レベルまでの英文法を習得できる瞬間英作文用おすすめ教材 「80の文法ルールで話しまくれ!キーフレーズでがっちり身につける 会話できる英文法大特訓」妻鳥千鶴子 著 を紹介しました。
この本に載っている英文法項目を自由自在に扱えるようになれば、英会話に必要な英文法はかなりカバー出来ていると言っていいでしょう。あとは語彙や英会話表現を増やして行くだけでも、かなり英会話が上達していくはずです。
「毎日の英文法」と同様、この「会話できる英文法 大特訓」もボロボロになるまで仕上げてほしいですね。
もちろん、英語の多読多聴やオンライン英会話などの実践にも取り組むのがおすすめです。ある程度英語の勉強が進んできたらオンライン英会話の無料体験レッスンなどを利用して、どれくらい自分が出来るようになったのか腕試ししてみるのも良いでしょう。
実際の英会話で、言いたいことがスッと出てきたりして瞬間英作文の効果が実感出来るとすごく英語学習のモチベーションが上がると思います。
英会話は最終的には「英会話表現などを仕入れる→実際に使う→言えなかったことや間違ったところを修正する」のくり返しが一番効果的な上達法になりますので、実践の場は出来るだけ早く作りたいですね。
関連記事:オンライン英会話が英語のスピーキング上達におすすめ!瞬間英作文の効果を実感して、もっと英語が話せるようになろう