今回は、英会話にとても効果がある勉強法、「瞬間英作文、口頭英作文」について紹介します。英語を話せるようになるための、とても効果的なトレーニングです。
瞬間英作文は本当に地道なトレーニングなのですが、確実に効果があるので、英語を話したい人全てにおすすめします。
また、これからは英語の4技能を今までよりバランスよく身につける必要のある、中学生・高校生にも必要なトレーニングになってくると思います。
この記事では、そんなおすすめな英会話トレーニング「瞬間英作文」を2ページに分けて紹介していきます。長いので、ブックマークなどをしておいて、分けて読むと良いかもしれません。
瞬間英作文、口頭英作文とは？効果は「英語が話せるようになる」
英語を学習しているみなさんの中にも、この言葉を目にしたことがある人は多いと思いでしょう。
瞬間英作文とは基本的には文法や英会話フレーズなどを習得するために、
「日本語文を見て一瞬で、口頭で簡単な英語の短文を英作文する」
これを繰り返すトレーニング法のことを言います。もちろん頭で考えながらゆっくりと英作文するのではありませんし、ただの例文暗記ともちょっと違っています。フラッシュ暗算のような感じで、瞬時にパッと英文を言えるようにする練習です。
今までずっと英語が喋れないと悩んでいたけど、この瞬間英作文のトレーニングで助けられたという人も多いでしょう。私もこの方法で各種英会話例文集やNHKのテキストや英検の過去問など、何冊も何冊もトレーニングしました。
瞬間英作文の効果は？英語が喋れるようになる
- 基本的な英文法や日常会話の定型表現を習得し、瞬時に使える（言える）ようになる
- 言いたいことが、英語で瞬時に言えることが劇的に増える
英語を話せるようになるためには、英文法を自在に使えるようにするトレーニングと日常会話の定型表現の暗記トレーニングの両方が必須です。
ここで言う「英文法を習得する」というのは、「読んで意味が分かる」とか、「ゆっくり考えれば英文が作れる」ということではありません。そのレベルのもっと上である、「パッと一瞬でその英文法を使った英文を言える」ということを意味しています。ちょっと高度な九九やフラッシュ暗算みたいなものだと思って下さい。
このトレーニングを計画的に継続して取り組むことが出来れば、誰にでも上の2つの効果が現れます。つまり、英語が話せるようになります。
あとは英単語や表現を増やしつつ、英会話の実践の場で「使う→言えなかったことを調べたりして修正する」をくり返していけばどんどん上達していきます。
瞬間英作文、口頭英作文のやり方 効果的な方法
瞬間英作文トレーニングの具体的な方法、どのくらいやるのが効果的か
それでは、簡単にオーソドックスな瞬間英作文のやり方をみていきましょう。
- 左右のどちらかのページに英文、もう一方に日本語文というレイアウトの例文集などを用意する
- 「ここからどれくらいの距離がありますか」のような日本語文を見てすぐに
- 「How far is it from here?」と口から出るように練習をひたすら繰り返します。
この時、例文に使われている英文法もしっかり理解した上で英語を言うようにします。ただの英文丸暗記では、瞬間英作文の効果がかなり落ちてしまうので注意して下さい。
最初は、「えーと、どれくらいの距離だからHow…far、いやlongだっけ、farか。そんで続きは…」と文法を確認しながら組み立てていくと思いますが、それでOKです。というか、それがベストです。分からなければ英文や解説を見てしまっていいです。
それを何度も何度も繰り返していると、日本語の例文をパッと英語に直せるようになりますし、似た形の英文なら日本語例文がなくても単語を入れ替えてスラスラと口から出てくるようになります（語彙などの問題はありますが）。英語上達完全マップの森沢氏などは、このことを「頭に英語回路が出来る」とも言ったりしますね。自分が何を言いたいのかを常に意識しつつ練習することが大切です。
実際の瞬間英作文用の教材を使った、もっと具体的な瞬間英作文のやり方は「瞬間英作文 「毎日の英文法」効果抜群のおすすめ教材・英会話例文集の特徴・使い方！」などの記事で紹介しています。
瞬間英作文で使う日本語文は話す内容のトリガー
最終的に使用教材の日本語文の役割は、英語で話す内容イメージのトリガーの役割だけになります。当たり前のことですが、頭の中に自分が何について話すのかというイメージが何もないのに、ポンポンと英語を口から発するのは無理ですからね。英語で話す内容を、日本語文を読むことで指定して練習するということです。
もちろん、英語を話す時には頭の中にある、自分の話したいことのイメージを直接英語で発するのが理想です。（この状態を日本語を介していると考えるか、介していないと考えるかは人によると思いますが。）
慣れてきたら、瞬間英作文教材の例文で使われている英単語を自分が実際に言いそうなものに変えてみたり、その場でパッと思いついた英単語に変えて何度も口に出して言ってみる練習もすると良いでしょう。
このような瞬間英作文のトレーニングを続けていると、そのうちトリガーとなる日本語文がなくても、自分の頭の中で言おうと思ったことをある程度パッと発声出来ることが増えてくると思います。それくらいの実力になれば、いろんなところで出会った英文だけを集めて英会話トレーニング用の例文として使うことが出来ると思います。他にも独り言をひたすら言うような英会話練習だったり、オンライン英会話のような実践練習にも取り組むことが出来ますね。
瞬間英作文ではどのような教材がおすすめか
次に、どんな教材（例文集）を使って瞬間英作文に取り組めばいいのかを紹介します。
私は瞬間英作文には、主な目的が文法を自由に扱えるようにするための瞬間英作文と、日常会話の表現を増やすための瞬間英作文があると考えています。全部で5つの種類の教材を瞬間英作文の目的別に使い分けるのをおすすめしています。
- （最重要）中学レベルの文法項目（短文）
- 高校基礎レベルの文法項目
- 対話フレーズ集
- 英会話例文集やコロケーション学習
- 短文ではなく、ある程度まとまった量の英文
上記の1と2が英文法を自由に扱えるようにするためのもの、3、4が表現のストックを増やし自然な英語を話したり、色々な話題について話せるようにするためのもの、5は両方です。
私は、1の「中学レベルの英文法」の段階は、市橋敬三氏の本でこのトレーニング法を知り、
必ずものになる 話すための英文法 Step3[初級編I] (CD1枚付)
こちらの『話すための英文法』というシリーズなどで実践しました。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
今はこちらの「英語上達完全マップ」の森沢氏の「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」で知る人が多いでしょう。（ちなみに、森沢氏も市橋敬三氏の本を使ったそうです。）
「中学レベルの英文法」段階の瞬間英作文は「毎日の英文法」や「NOBU式トレーニング」などがおすすめです。次の項目でも軽く紹介します。
2の「高校レベルの英文法」の段階は「高校の基礎文法の参考書や問題集の英文」や「各種総合英語や黄ロイヤルなどの別冊例文集」などを使ったりするといいでしょう。私のイチオシは『会話できる英文法大特訓』と「アトラス総合英語のユニットまとめ長文」です。
関連記事：「会話できる英文法 大特訓」効果抜群のおすすめ瞬間英作文教材・英会話例文集の特徴・使い方！中学～高校レベルの英文法を使いこなせるようになろう
「高校英文法の参考書は「アトラス総合英語」がおすすめ！瞬間英作文用の教材・例文集としても最適です」こちらの記事で詳しく紹介しています。
3、4の「英会話表現・コロケーションを覚える」段階は本屋で売ってる「英会話フレーズ集や対話フレーズ集、コロケーションの参考書」などを使います。こちらも次のページでも紹介します。
コロケーションについての説明や、おすすめの教材については「自然な英語を話すためには英語コロケーションの勉強がおすすめ！英会話、瞬間英作文の教材に！これで単語の選択に迷わない！」
5の「まとまった英文での瞬間英作文」の段階は「中高の教科書、NHKラジオ講座、英検の過去問やインターネット上の英文スクリプト・和訳ありのサイト」など、色々なものを教材として使用します。このレベルまで進めばある意味何でも教材として使えます。
瞬間英作文 自然な英語表現を学べるおすすめ教材
最近は、英語のネイティブスピーカーの方が書かれた本（「毎日の英文法」や「NOBU式トレーニング」のような本）や、他にもネイティブチェックがしっかり入っていて良い瞬間英作文用の教材はたくさんあります。
最初の文法習得のための瞬間英作文教材は、それらを使うといいと思います。
先ほどもちらっと紹介した市橋敬三氏の「話すための英文法」や、妻鳥千鶴子氏の「会話できる英文法」などもネイティブチェックがちゃんと入っています。「話すための英文法」はシリーズ物で何冊も出ていますので、同じシリーズでレベルアップしていきたい人におすすめです。
1冊目の文法習得におすすめの瞬間英作文用教材「毎日の英文法」についての紹介、使い方は「瞬間英作文 「毎日の英文法」効果抜群のおすすめ教材・英会話例文集の特徴・使い方！」という記事を書いていますので、参考にして下さい。
私は英文法習得段階の瞬間英作文では、英語表現の自然不自然はそこまで過剰に気にしすぎなくてもいいと考えています（後で使っていくうちに修正すればいい）。しかし、最初から自然な英語で英文法を学べる教材があるなら、それを使わない理由はないですよね。余計な心配や不安を感じなくていいですし、瞬間英作文トレーニングに集中できます。
今はネイティブチェックも入っていたり、『毎日の英文法』のように、英語のネイティブスピーカーが書いている良い瞬間英作文用の本も多いので、あまり気にせずにやって問題ないと思います。
瞬間英作文用の教材をもう1冊紹介しておきます。
このサイトでも中学英語の復習におすすめしている「中学英語をひとつひとつわかりやすく」の著者でもある、アメリカ生まれのバイリンガル、山田先生の有名な「NOBU式トレーニング」
この本も瞬間英作文のテキストとしてはかなりおすすめですね。最後は『一億人の英文法』で有名な大西泰斗先生の『一億人の英会話』です。
瞬間英作文の最初の1冊は『毎日の英文法』『NOBU式トレーニング』『一億人の英会話』のいずれかで良いと思います。もちろんこの中から複数選んでやるのも良いでしょう。
瞬間英作文の例文に使われている英単語を「自分が実際に言いそうな英単語」に変えて練習するとさらに効果的です。
瞬間英作文のテキストを何冊かしっかりと仕上げておくと、その後の自分のスピーキング力の伸びが違います。自分の語彙や表現など、インプットした知識が増えるにつれて、ものすごいスピードで英会話が上達するのが実感できるはずです。
瞬間英作文トレーニングの結果、不自然な英語を話してしまう？
英会話のために瞬間英作文のトレーニングを始めて、ある程度経つと
「基本の英文法は使えるけど、とっさの受け答えに詰まったり、常にきちんとした文の形で話してしまったり、単語と単語自然な組み合わせが分からないので少し不自然な英語になってしまう」
という悩みが出てくるかもしれません。これは、対話フレーズ集や英会話表現集、コロケーションの学習、本や洋画や海外ドラマの会話シーンで勉強する、などで英語表現を自分の中にストックしていくことで修正していくことが出来ます。
例えば、このような本を覚えてしまうのが有効ですね。他に、洋書の英会話定型フレーズ集もあります。
Common American Phrases in Everyday Contexts: A Detailed Guide to Real-life Conversation and Small Talk関連記事：『Common American Phrases in Everyday Contexts』自然な英語を話したい人におすすめの日常英会話表現集
決して瞬間英作文自体に効果がないということではありません。
次のページでは、そのあたりのことや、オンライン英会話などの実践の場について書いていきます。