英語を勉強していると、色々な例えや考え方を目にしますよね。こういうのを目にする度に
「この例え、確かにそうだよな…自分の勉強法って間違ってたのかな?」
と思ったりしませんか。「文法不要論」につながるものが多いイメージですね。
一見もっともらしい話でも、実際は違う角度から見れば逆の答えになったりもしますので注意が必要です。
英語の勉強は赤ちゃんが言葉を覚える方法で?
まずはこういう例えです。これはよく見聞きしますし、もっともらしいですよね「確かに!」と思う人も多いかもしれません。
これは他の記事でも書きましたが、
この記事を読んでいる人は(ほぼ間違いなく)赤ちゃんではない。
個人的にはこれで終わりだと思いますが、もう少し詳しく。
普通の人は、赤ちゃんと同じ学習能力で言語を学習・習得できる脳の状態ではないでしょうし、英語圏に生まれた赤ちゃんと同じくらい英語に囲まれた環境の人も少ないでしょう。
外国に住む程度では全く足りません。英語のシャワーを浴びたら…とか言いますが、そんな程度で英語が出来るようになるなら誰も苦労しません(笑)
英語圏に何年も住んでるのにまともに英会話が出来なかったり、ひたすら英語を聞き流してるのに全然英語が聞き取れるようにならない人なんていくらでもいます。
英語の非ネイティブスピーカーで英語が出来るようになった人は、日本に住んでいようが英語圏に住んでいようが、意識して努力によって英語力を身に着けていることがほとんどです。
楽をしたり、逃げてしまうと効果はやっぱりそれなりのものになってしまいます。私も気をつけたいところです。
また、私たちには日本語という母語があるので、それを最大限に利用した方が圧倒的に効率が良いと思います。
英語学習を、泳ぎをマスターすることに例える
こんな感じの例えもよく見ますよね。確かに言ってることは間違ってはいないと思うのですが、これを「英文法は不要」の理由として使うのは個人的にはどうなのかな?と感じます。
泳ぎ方を陸で教わり、水に顔をつける練習をしたり、プールの端に掴まってバタ足の練習をしたり、ビート板を使って手や足だけ練習したり、定期的にフォームを見直したりした方が絶対効率的に、早く上達出来ると思いませんか?
実践は確かに必要なのですが、準備も必要です。泳ぎ方どころか、浮き方すら知らないような状態でいきなり海のど真ん中に放り出されたら、溺れて死んでしまいます。
そこまでひどくなくても、
溺れない程度に泳げるようになったら後は何も考えず泳ぎまくるだけ!
というのでは、フォームもめちゃくちゃなものが定着してしまうでしょうし、そんな状態では速くも泳げないし、長い距離も泳げないでしょう。上達のスピードも、コーチを付けたりして計画的にしっかりと練習している人よりもゆっくりなことがほとんどでしょう。
英語(英会話)には何かと極端な勉強法が多いです(日本語で書かれた教材はダメ!とか、暗記はダメ!とか)が、バランスよく勉強していきたいですね。
関連記事:オンライン英会話が英語のスピーキング上達におすすめ!瞬間英作文の効果を実感して、もっと英語が話せるようになろう
英語の教材の例文は実際に自分は使わないので勉強するのは無駄?
次はこれです。よく言われるのは
「 This is a pen. なんて実際に言う機会ない。こんなのを勉強しているから英語が…」
こんな感じの意見でしょうか。これは例えば数学で、
「数値も全く同じ問題が出る可能性は低いから、テキストなどで解き方などを勉強する意味はない」
と言っているのと個人的にはあまり変わらないと思うのですが、どうでしょうか。例えば、
5x + 3 = 8x + 123
という方程式の問題があったとして「こんな問題、実際に試験で解くことないからやらなくていいよ(できなくていいよ)。こんなのやるから方程式が解けるようにならないんだ」
と言っているのと同じレベルなんじゃないかなと個人的には思います。
解き方を学ぶことが大切なのであって、解き方さえしっかりとマスターしておけば、後は数値が変わったりしても問題なく解けますよね。
英文法や英語の表現でも一緒だと私は思います。文法のテキストなどの例文は型を学ぶことが主な目的なので、使われている例文を実際に自分がそのまま言うかどうかはそこまで重要ではありません。
本当に自分が言うフレーズだけで構成される英会話本があれば、それは確かに理想なのですが、現実的ではありませんね。どうしても、多少は自分でアレンジする必要があります。
もちろん、英会話フレーズ集や対話フレーズ集などには、そのまま使える定型表現もたくさん載っています。そういう表現たちはそのまま覚えて積極的に使い、どんどん自分のものにしていきましょう。
ここでも、「型を学んで自由に文を組み立てられるようになることや、そのまま使えるような定番表現を学ぶこと」などのバランスが大事ですね。
英語(英会話)はスポーツや楽器などと同じ考え方で勉強するのがおすすめ
英語(英会話)を勉強する上で、私がおすすめしているのは、
「英語の勉強はスポーツや楽器と同じと考えて取り組む」
ということです。
野球でもサッカーでもバスケでも、紅白戦や練習試合だけをやってるより、バッティングだけをピックアップして練習したり、シュート練習だけをしたりというように、個別に目的を持った練習もした方が絶対に効率的に上達しますよね?
ピアノやギターのような楽器でも、弾きたい曲を通してひたすら弾くだけでなく、易しいものから段階を踏んで少しずつステップアップしたり、分散和音だけを練習したり、音階だけを練習したり、難しいところだけピックアップして集中して練習したり、色々な練習を組み合わせた方が上達スピードは速いはずです。
もちろん、実践でないと学べないこともたくさんありますが、実践のみではやはり効率は悪いと思います。
そして、スポーツや楽器の経験者の方だとすんなりと分かってもらえることも多いと思うのですが、「地道な努力を正しい方法で長く継続することが一番の近道」ということを理解するのが大切です。
「これをやれば1~3ヶ月で簡単に上達!」とはなかなかいかないんですよね。もちろん正しい方法で集中して1~3ヶ月やればかなり上達はしますが、おそらく自分の理想とする姿には届かないと思います。
スポーツでも楽器でも、ある程度高いレベルにいる人は地道な努力をそれこそ年単位で継続していることが多いです。英語もそれと同じですね。頑張りましょう。イチロー選手の有名な言葉もここで紹介しておきます。
「そりゃ、僕だって勉強や野球の練習は嫌いですよ。誰だってそうじゃないですか。つらいし、大抵はつまらないことの繰り返し。でも、僕は子どものころから、目標を持って努力するのが好きなんです。だってその努力が結果として出るのはうれしいじゃないですか。」イチロー
最後に
今回は、英語を勉強しているとよく見聞きする例えや考え方についての、私の個人的な考えを紹介しました。このように、一見もっとらしく見える意見でも、違う角度から見ると全く逆のイメージになりますよね。
この記事で私が書いた意見にも、さらに色々な反論が出来るかと思います。ですので、どんな意見でも様々な角度から考えて、自分の納得いくものを取り入れて勉強に活かしていって下さい。
私の個人的な結論としては、「安心して英文法や英会話フレーズ集も勉強しよう!地道に継続して頑張ろう!」ということです(笑)