『英文解釈教室 新装版 伊藤和夫』のレビューと使い方!読めない英文が激減するおすすめ参考書です

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今回は、駿台予備学校の故・伊藤和夫先生の『英文解釈教室 新装版』を紹介します。あの超有名な英文解釈の参考書が新装版でよりパワーアップして帰ってきました。


英文解釈教室〈新装版〉

今回紹介する『英文解釈教室』は難しいです。英語が苦手な人にはちょっと読み切るのは厳しいので、自信のない人はまず肘井学先生の英文解釈の参考書の方をどうぞ。

目次

『英文解釈教室 新装版』の特徴・おすすめな点

全311ページ、15チャプター(1チャプターあたり3~4項目の全52項目)

各項目、

  • 最初にどういうタイプの英文を扱うかの解説
  • 短文形式の「例文」と、その読み方と訳(例文の多い項目だと10を超えます)
  • 数行~11行くらいの文章形式の「例題」が1~3題、そのヒントと読み方解説(全訳は別冊にまとめて載っています)

こんな感じに全52項目を進んでいきます。

例題の全訳と索引が別冊になっていて、例文・例題・解説も基本的にはページに文字がギッシリ詰まっているレイアウト上での311ページなので、最近の参考書と比べるとかなり読み応えのある重厚な参考書となっています。

やり切るのは大変ですが、その分到達点の高さは折り紙付きです。基本的にはこの『英文解釈教室』をやれば、もう他の英文解釈の参考書は読む必要はありません。英字新聞でも洋書でもネットの記事でも、自分の読みたい英文をたくさん読んでいきましょう。

また、索引が豊富で、解説には随所に項目間のリンクが張り巡らされています。

さまざまなパターンの英文が網羅されていて到達点が高い

『英文解釈教室』の最大の特徴は、ありとあらゆるパターンの英文が収録されていることです。おそらく今現在出ている英文解釈の参考書の中ではトップクラスの網羅性だと思います。苦手な人が多い「倒置」「省略」「挿入」はもちろん、その他にもさまざまなパターンの英文が収録されています。

『英文解釈教室』よりも難しい英文を扱っている英文解釈の参考書はありますが、ここまで英文パターンを網羅している本はなかなかないのではないかと思います。

この本に書いてあることをしっかりとマスター出来れば「英文の構造がさっぱり分からずどう読んでいいか検討もつかない」ということはほとんどなくなるはずです。

改訂版にあった誤訳や分かりづらい解説に修正が加えられている

翻訳家の柴田耕太郎氏により、旧版『改訂版 英文解釈教室』にあった誤訳や分かりづらい訳文・解説に修正が加えられています。これにより、『英文解釈教室』の完成度がさらにアップしました。本当にありがたい話です。

とはいえ、内容はほとんど『改訂版』のままですし、著者である伊藤和夫先生の考え方に抵触しない範囲での修正となっていますので安心してください。本のはしがきにもその旨が書いてあります。

『英文解釈教室 新装版』のおすすめの使い方

最初から順番に読んでいってもいいですし、興味のある項目から読んでいってもかまいません。難易度も高くボリュームがある本なので、最初は「例題」部分を飛ばして「短文形式の例文」のみ読み進めるというのもアリですね。

例文や例題は自分で少し考えてみて、分からなければすぐ解説を読むという流れで進めましょう。和訳を全部紙に書いたりする必要は特にありません。解説を読んで英文の構造や読み方が分かったら、一度でスッと意味が分かるまで何度も読み返してください。

難しい英単語が多く出てくるので、調べた意味は余白にメモしておくと良いでしょう。

また、解説中に出てきた他項目へのリンクはしっかりとたどっていくことをおすすめします。ちょっと面倒ですが、いろいろな項目を行ったり来たりして何度も読むことは効率的な英文解釈力アップに繋がります。

『英文解釈教室 新装版』の悪い点・注意点

基本的に今の大学受験には不要

この『英文解釈教室』を大学受験の英語の勉強として使うことはおすすめしません。その理由は、今の大学受験でこのレベルの英文解釈の本をやる必要は全くなく、単にオーバーワークになるだけだからです。簡単に言うと難しすぎるのです。

よっぽど英語が得意&好きで他の科目の勉強も問題なく、時間があり余っているという受験生以外には不要だと思います。普通の大学受験生には西きょうじ先生の『ポレポレ』くらいのレベルまでで十分です。

関連記事:英文解釈のおすすめ参考書「ポレポレ英文読解プロセス50」最小の努力で最大の効果?!

基本的にはそこそこ英語を勉強している大学生や社会人など「英文解釈の勉強にひと区切りつけたい」「構造が分からない英文に出会うのを可能な限り減らしたい」という人におすすめします。

英文と解説のレイアウトがごちゃごちゃしている

とにかく英文と解説が順番に詰め込まれています。最近の参考書に多い、(良い意味で)余白が多くてスカスカの見やすいレイアウトに慣れている人はちょっと読みづらいと感じるかもしれません。数行の英文を読む「例題」の解説部分は畳み掛けてくるので特にそう感じると思います。

見やすいレイアウトにすると多分ものすごいページ数になると思うので、ある程度は仕方ないと割り切りましょう。

『思考訓練の場としての英文解釈』シリーズの超びっしりレイアウトに比べればかわいいもんですけどね笑

英文中に出てくる英単語が難しい

英文中に出てくる英単語が普通の英文解釈の参考書よりも難しめです。

中には”placation”、”coxswain”のような10000語レベル以上の英単語も出てくるので、英単語力の関係で『英文解釈教室』を読み進めるのは難しいと感じる人も多いでしょう。分からない英単語が出てきた場合は訳と照らし合わせてすぐに確認するのがおすすめです。あくまで英文の読み方を学ぶ本なので、単語はすぐに調べてしまいましょう。

既にアルクの英単語リスト『SVL12000』などを覚えてしまっている人は、そこまで難しいとは感じないと思います。

また、基本的な英文法の解説などもないので注意してください。もし英文法で疑問点が出てきたら総合英語や英文法書で調べましょう。

関連記事:【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか?『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』

英文の朗読音声はない

最近の英語の参考書では当たり前になっている英文の朗読音声はありません。古い本を手直ししたものなので仕方ないですね。どうしても欲しい人は各自英語のネイティブスピーカーに録音してもらってください。

最後に

『英文解釈教室』は英文解釈の参考書の決定版と言っても良いでしょう。何十年もトップに君臨しているのにはやはり理由があります。

何度も言いますが、この『英文解釈教室』を1冊やり終えたら、英文解釈の参考書を読むのが好きでたまらないという人以外はもう他の英文解釈の本はやらなくていいと思います。英語の語彙を強化しつつ、たくさん英語を読み漁りましょう。英文の構造が全く分からないということはほとんどなくなっているはずです。

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