英語の前置詞や冠詞の使い方って悩みますよね。みなさんの中にも正しいのかどうかをあまり意識せず、何となく使っている人も多いと思います。(特に瞬発力を要求される英会話の時)
最近は「前置詞はイメージを理解すれば暗記不要!」みたいな宣伝文句の本や参考書も多いですが、本当にそうなのでしょうか。
そういう本を読んで、「なるほど!」と目からウロコを落としたのは良いが、結局自分で使う時には迷ってしまう。こういう人も多いんじゃないかなと感じています。
英語をある程度ちゃんと使いたいなと考えている人は、前置詞の最低限の使い方は集中的に一度トレーニングしマスターしておきましょう。
では、どういうトレーニング、勉強をするのがおすすめなのか。それを今回は紹介していきたいと思います。
英語の前置詞の使い方の苦手は参考書でイメージを理解すれば解決する?
前置詞の持つコアイメージを理解することは大切です。しかし、それを説明してくれている前置詞の本や参考書などを読んで理解したつもりになるだけでは、満足に前置詞を使えるようにはならないのではないかと思います。
確かに、例えば大学受験などの「句動詞とほぼ同じ意味の英単語を選ぶ」というような問題では、その句動詞自体をよく知らなくても、句動詞に使われている前置詞のイメージを知っているだけで正解の英単語を選べたりもします。
でも、それって英語を自分で使うという点で考えるとあまり意味ないですよね?曖昧な知識を使ってパズルみたいに解いてるだけですし。
それを「イメージで前置詞や句動詞は全て解決!」と言うのはちょっと無理があるかなと思います。試験用のテクニックと割り切るなら良いとは思いますが、個人的にはあまりおすすめはしません。
英語の前置詞の使い方おすすめの勉強法
- 前置詞の項の説明が「自分で納得出来る」参考書などを用意する。(おすすめは後述)
- 前置詞のコアイメージや各用法の解説をよく読んで理解する。
- 本に載っている「全ての例文」をexcelやGoogleSpreadsheetなどに打ち込んで前置詞の用法リストを作る。(ルーズリーフなどに手書きでもいいです)
- 全ての例文を「前置詞のコアイメージと各用法を頭にしっかりと思い浮かべながら」ひたすら音読して基本パターンを全て体に叩き込む。
- 日本語文から英文を間違えずに言えるようになればOK。
- 後は英文をたくさん読んだり聴いたり書いたり話したりして、前置詞の正しい感覚をさらに磨いていく。
- 自分の知らない用法に出会った場合、先ほどの用法リストに英文を追加する。
要は「前置詞のコアイメージを理解した上で、主な用法の例文を全て自分で言えるようにする」という地道なゴリ押し勉強法です。
ゴリ押しといってますが、普通の勉強法ですね。やはり英語は楽して身につけることは難しいと思います。英単語のイメージ理解だけでOK!でもなく、とにかく全用法丸暗記!でもなく、普通に両方やれば良いわけですよ(笑)
前置詞のイメージを理解すれば、各用法に納得ができます。全用法を丸暗記して完全に自分で使えるレベルにすれば、その前置詞のイメージが何となく掴めてきます。
どちらかのアプローチ・勉強法が正しいというのではなく、お互いが繋がっているんじゃないかなと思いますね。横着せず、地道にいきましょう。結果そちらの方が近道だったりします。
そして、それと同時に教材以外でも英語にたくさん触れて、さらに自分の前置詞の理解や感覚を磨いていきましょう。英語学習に多読多聴は必須です。
英語 前置詞の勉強におすすめ参考書
一億人の英文法の前置詞の章・英単語イメージハンドブック
やはり英単語のコアイメージというと、「一億人の英文法」で有名な大西泰斗先生の本でしょうか。イメージの説明はさすがという感じで分かりやすいです。
「一億人の英文法」は前置詞のイメージの図や詳しい説明に加え、各前置詞の用法、例文の量がかなり多く、とても濃い内容になっています。
この本に書いていることを全部マスターして自由に使えるようになれば、間違いなく前置詞上級者でしょう。
「英単語イメージハンドブック」は今回紹介する本の中でも、一番前置詞の解説が手厚いかなと思います。量も適度で文体も読みやすい本なので、初心者を含む全ての英語学習者におすすめの本です。
総合英語やロイヤル英文法などの、教科書的な説明が苦手な人には「一億人の英文法」か「英単語イメージハンドブック」をおすすめします。
アトラス総合英語
各前置詞につき簡潔なイメージ解説とイメージ図が2つずつ載っていて、各用法の例文も豊富です。各用法がとてもよくまとまっています。
この本に載っている用法が自由に使えるようになるのが、前置詞学習の1つの区切りになりそうです。主要な用法はかなり網羅されていますので、これらを使いこなせると相当なレベルだと思います。
章の最後には、ある程度まとまった量の英文(日記形式・400語くらいの文章)で前置詞の確認が出来ます。日本語訳もあるので瞬間英作文の教材としても使えます。
アトラス総合英語については「高校英文法の参考書は「アトラス総合英語」がおすすめ!瞬間英作文用の教材・例文集としても最適です」こちらの記事で詳しく紹介しています。
表現のための実践ロイヤル英文法(黃ロイヤル)
基本的には文章での説明となっていますが、図でイメージを説明している項目もあります。「 before と in front of 」「 to と for 」などの違い、使い分けに注目した解説がかなり豊富に載っています。
人によっては使用されている例文が少し難しいと感じる人がいるかもしれませんが、混乱しやすい似ている意味の前置詞の使い分けの例をたくさん知りたい人には特におすすめできます。
関連記事:『表現のための実践ロイヤル英文法』のレビューと使い方!自然な英語を学べる現代のスタンダードな英文法書です【黄ロイヤル】
刀祢 雅彦「前置詞が分かれば英語がわかる」
「システム英単語」などで有名な予備校の先生の本です。前置詞のみを扱った本は他にもたくさん出ていますが、この本は専門的すぎず、サラッと読めますし説明もかなり分かりやすいです。
- 前置詞のみを扱った本に興味がある
- でも専門書みたいな難しいのはイヤだ
という人におすすめ。ただ、全用法を網羅しているような本ではないので、読み物として補助的に使うのが良いですね。きっと英語の前置詞への理解が深まると思います。
最後に
英語の前置詞は用法がたくさんあって悩むと思いますが、主要な用法は予め全て押さえておくのがおすすめです。
個人的には、前置詞の本・参考書でどれを選ぶか迷ったら「英単語イメージハンドブック」「アトラス総合英語」「一億人の英文法」のどれか1冊を選ぶと良いと思います。
選んだ本の前置詞の章をしっかりと読み込んだ上で、全例文をピックアップ→音読・瞬間英作文でトレーニングする→実際に自分でも使ってみるのがおすすめですね。地道で大変だと思う人も多いと思いますが、これが結局一番確実で近道だと思います。
もちろん、実際に英文をたくさん読んだり聞いたりするのも重要ですし、英和辞書や英英辞書で各前置詞の項目を読むのも勉強になります。
前置詞と一緒で、難しいと感じる冠詞の勉強におすすめの本の紹介は「英語 冠詞のおすすめ参考書「これならわかる!英語冠詞トレーニング」石田秀雄 冠詞の使い分けや意味・ニュアンスを学ぶのに最適!」こちらの記事を。
実際の英会話でも、相手が英語の先生でレッスン中とかでもない限り、前置詞の細かいミスなどは察して意味を理解したりするのでいちいち直されないことも多いです。
自分で出来るトレーニングは普段からなるべくやっておきましょう。