【英文法・語法】英語の勉強は暗記と理解の関係を意識すると楽になる!【英単語イメージ】

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「暗記は一切不要!これを読めばネイティブ感覚が身につき、短期間で英語が出来るようになります!」みたいなキャッチフレーズの本ってすごく多いですよね。これは本当でしょうか。

私は、英語の上達には暗記は必須だと考えています。ネイティブの感覚を学ぼうが、英文法の原理を学ぼうが、覚えておかないとどうしようもないことも沢山あります。

今回は、英語学習での理解と暗記の関係について、私の考えを書いていこうと思います。どちらかを採用するのではなく、両方を上手く使うことが大切です。

目次

英語学習に暗記は不要!という誇張表現

 

少しでも継続して英語を学習しているみなさんの中にこのフレーズを完全に信じている人は少ないと思いますが、さすがに言い過ぎです。英語をやる上で暗記からは基本的には逃げられません。

ネイティブの感覚や、単語の語源などをちょっと本などで勉強して理解したからといって暗記が一切不要になったりはしません。英語の上達には単語や表現の暗記など、覚えることがたくさん必要となります。

しかし、もちろん英語には理解が大切なこともたくさんありますし、理解することにより暗記が楽になることもたくさんあります。

また、早稲田大学名誉教授の故・中尾清秋氏は有名な著書『基礎と演習 英作文』にて

英語は99パーセント暗記ものだと言った人がいる。それはウソである。英語は私に言わせるならば100パーセント暗記ものなのである。

中尾清秋『基礎と演習 英作文』はしがきより引用

とまで述べられています。この先生のことを知らない人のために本当に簡単にですが略歴を

  • 横浜のSt.joseph college(インターナショナルスクール)卒
  • オハイオ州のUniversity of Dayton(教育学専攻)大学卒業
  • 英語教員を15年ほど努めたあと、今の南山大学で数年の英語教員をしたのち早稲田大学の英語教員を40年
  • MichiganとColumbia大学大学院に留学(国連のFellowshipで英語教授法研究)。早稲田大学在外研究員として London大学でも研究

ちなみに、中尾氏は講義はもちろん、それ以外でも学生との会話は全て英語だったそうです。また、大学の日本人の英語教員との会話も英語でしていたようです。

それにしても100%暗記と言い切っているのはすごいですね。もちろん時代の違いというも理由だと思いますが、理解したものも結局覚えていなければ意味がないという意味もあるのでしょうか。

私は100%とまではいきませんが、英語の勉強で暗記は重要な要素のひとつだと思っています。

英語を勉強をする上で、意識しておきたい理解と暗記の関係

英語の勉強をする時(特に英文法・語法)は、何となく取り組むのではなく、

  1. 丸暗記せず、理解することが大事なもの
  2. 理解が暗記の助けになるもの
  3. 細かいことは考えず、覚えてしまった方がいいもの

この3つのどのグループのものを自分がいま勉強しているのか考えてみるのがおすすめです。ひとつずつ説明していきましょう。

丸暗記せず、理解することが大事なもの

これは、簡単にいうと学校や塾予備校の授業や、瞬間英作文用の本にさえ、ほぼ説明されてるような文法事項などです。理解した上で、自分で瞬時に使えるようにしたいですね。

このようなところで不明点を残すと後々困ることも多くなります。最初はむずかしく感じるかもしれませんが、ねばり強くしっかりと勉強することをおすすめします。

理解が暗記の助けになるもの

例えば、英単語の語源やコアイメージの把握などです。これらをしっかりと理解していると句動詞の暗記が結構楽になりますし、未知語の推測などに役立ちます。しかし、暗記が不要になるとまでは言えません。

他には動詞の語法などもこのグループですね。

例えば、不定詞というところでは ask のようなV + O + to + 動詞の原形(以下 do)の形を取ることが出来る動詞を勉強しますが、

 

その形で何が表現出来るのか

その形を取れる動詞は他にどれだけあるか

重要な例外はあるか

 

この3つを意識して勉強するといいです。まず、

V + O + to + do は「Vする、Oが動詞の原形することを。ということを表現できる」と理解する。

I asked her to marry me.(彼女に結婚してくれと頼んだ)

これを先程の「Vする。Oが動詞の原形することを」で考えると「私は頼んだ。彼女が私と結婚することを」となります

その上で、同じ「V + O + to + do」の形を取ることが出来る主な単語グループを知る。(askの他に want, tell, force, enable…など、高校レベルまでで、よく使うものがだいたい20個くらいあります。)

余談 この「よく使うものが20個くらいある」ということを知るのはとても大切だと個人的には考えています。

ここをおさえておかないと、同じ使い方をする英単語の中でよく使うものが他に何百もあるのではないかと不安になるからです。

英単語を覚える時の目標単語の数でもそうですが、大体の数を把握しておくと精神的にラクです。英単語の学習については「英単語ってどれくらい覚えればいいの?目的別おすすめ勉強法」という記事を。

終わりがないという感覚が自分の中にあると、やる気があまりでませんよね。

その形が何を表すことが出来るのかをいったん理解すれば、後は同じグループの動詞をまとめて覚えるだけです。意味のとらえ方は同じなので、個別に用法と意味を1つずつ覚えていくよりも効率がいいと思います。

そして重要な例外があればそれを覚える。上の例では、promise でしょう。

promise も同じ「V + O + to + do」の形を取ることが出来るのですが、こちらは

She promised me to come here.(彼女は私に、ここに来ると約束した)

「Vする。Oに。動詞の原形することを(OにdoすることをVする)」という意味になります。

こんなふうに、理解した上で覚えると楽になるものが英語にはたくさんあります。また機会があれば記事にしようと思います。

細かいことは考えず、覚えてしまった方がいいもの

これは「主語が3人称単数で動詞の現在形を使うとき、なぜ動詞にs,esがつくのか」などです。

このような疑問を持つことはもっともなのですが、こういうものを解決しようとすると、英語の歴史などに多少ふみ込んでいかないといけません。英語が専門でない場合はとりあえずは「そういうもんなんだな」と思って覚えていただければいいかと思います。

でも、こういう知識って面白いですよね。興味がある人はたまに息抜きの豆知識として、こういったものを紹介している本を読むのも良いと思います。

あとは、「日常会話の定形表現」などですね。これも細かいことは気にせずとりあえず何か1冊用意して、自分が使いそうなものから覚えてしまった方が良いと思います。

関連記事:『Common American Phrases in Everyday Contexts』自然な英語を話したい人におすすめの日常英会話表現集

改善点のある英語の参考書や問題集も多い

5冊の本と筆記用具

  1. 丸暗記せず、理解することが大事なもの
  2. 理解が暗記の助けになるもの
  3. 細かいことは考えず、覚えてしまった方がいいもの

上のグループのうち、出来れば1と考えた方がいいんじゃないかなと思うものを3で処理しようとしている参考書などが多いのも事実(減ってきてはいると思います)。例えば、

  • 時と条件を表す副詞節では未来のことも現在形で表す
  • not more than, not less than, no more than, no less thanの違い

などです。こういった、一度しっかりと理解してしまったらなんてことないのに、丸暗記しようとして失敗してしまうということはとても多いです。

世の中の「暗記不要!」をテーマにしてる本はこの項目のことを扱っていることも多いと思います。

大学受験レベルの英語のおすすめ参考書については「大学受験英語の勉強法 おすすめ参考書の選び方使い方、計画」でざっと紹介しています。

英語の勉強で暗記は悪ではない、覚えるところはしっかり覚えよう

暗記や詰め込みは悪いことという風潮がありますが、この記事で書いたように、理解するところと覚えるところをしっかりと意識して英語を勉強していくと良いと思います。

必要以上に暗記を憎まず、恐れないようにしたいですね。

関連記事:『英語語法 Make it!』は「語法が覚えられない人」におすすめの語法参考書、特徴・覚え方を紹介!

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