「英語の語法が覚えられない」
「英単語の語法は覚えるしかないのは分かってるけど、何を使って覚えるの?」
「辞書でいちいち単語の語法をチェックして覚えるのは無理」
英語の語法はとても重要ですが、何をどうやって勉強すればいいのか、数が多い&似たようなものが多くなかなか覚えられないと困っている人も多いですよね。この記事では、そんな人に役立つ
『英語語法 Make it!』大矢復/半澤隆禎 を紹介します。英語の語法はとりあえずこれ1冊を覚えてしまうのがおすすめです。
英語の語法は覚えるしかない?必要?
英語の「語法」とは簡単にいうと「英語の使い方」のことです。
英語の語法は英文を読むだけでは曖昧な知識になりやすい分野です。「英文で出てきたら何となく読めるけど、自分で使う時に迷う・分からない」というのでは、特に英語のスピーキング(英会話)やライティング(英作文)で困ります。英語の4技能上達には重要な語法のマスターは不可欠なので、しっかりと意識して勉強しておく必要があります。
そして、基本的に英語の語法は覚えるしかない、逆に言うと覚えて練習すれば使えるようになります。もちろん洋書多読などで英文を大量に読み聞きすることでも正しい英語の語法の感覚が少しずつ身につきます。
関連記事:洋書初心者がペーパーバックを読めるようになる方法・中学英語からの最短ルート【英語多読】
大学受験やTOEICのような試験でも英語の語法問題が出ますが、知ってれば一瞬で解けるような問題ばかりです。試験を受けない人にとっては語法問題を解くのはどうでもいいことなのですが、語法を知らないと英語を話したり、英作文を書いたりする時に困ります。というか使えませんので、英語の語法を使いこなせる知識自体は必要です。英語を読む時、聞く時にも語法の知識は役立ちます。
『英語語法 Make it!』の特徴・おすすめな点
『英語語法 Make it!』は貴重な英語の語法集
『英語語法 Make it!』は、ありそうでなかなか無い「英語の語法集」です。著者は『大矢復 英作文講義の実況中継 (実況中継シリーズ)』『大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編』などで有名な大矢復先生と、半澤隆禎先生です。
英語の語法は、大学受験で使う人も多い『ネクステージ(ネクステ)』『アップグレード』などの網羅型の英文法・語法問題集や、TOEIC用の問題集や参考書で勉強する人も多いと思います。あとは英単語集に載っている重要な語法を覚えるという感じでしょうか。もちろん英和辞書などにも語法が詳しく載っていますが、収録されている膨大な数の英単語の中からどれを選んで優先的に覚えるのかという判定は難しいでしょう。
この『英語語法 Make it! 』のように、「英語の語法だけに集中して勉強できる参考書」というのは意外と少ないんですよね。ネクステなどの問題集は英語の語法以外に英文法やイディオムなども載っていますし、4択問題がついているのもあって本自体が分厚いです。単語集の場合は語法が重要・注意が必要な語法の英単語以外もたくさん載っています。
コンパクトな文庫本くらいのサイズなので、鞄に入れて置いても邪魔になりません。バスや電車の中や、ちょっとした空き時間などにも読むことができると思います。
『英語語法 Make it!』はそんな「英語の語法」を集中して勉強できる貴重な語法集なわけです。
関連記事:【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか?『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』
語法130項目、全315ページ
英語の語法を130項目に分けて、全315ページ載っています。全ての語法に例文が1~3文収録されています。もちろん収録英文にはネイティブチェックもされているので安心して下さい。
英単語とその意味、語法(単語の使い方)、解説、例文と和訳というようなレイアウトです。
目的語に to do をとれない動詞(3)
ここでは禁忌、嫌悪を表す動詞を主に扱う。「禁忌、嫌悪」とは、意味的に「本来なら今すべきことを」いやがるとか、先送りにする、といった意味を持ち、したがって、~ing 形をとる動詞たちのことである。
mind いやがる 名、if節
mind ~ingで「~することをいやがる」。普通疑問文、否定文のみで使う。イギリス英語では肯定文でも Mind your step.(足下に気をつけろ)のように使うが、アメリカ英語では Watch your step. という。また that 節ではなく、 Do you mind if I smoke? のように if 節をとることも注意すべき点。
Do you mind opening the window? 窓を開けてくれませんか?
『英語語法 Make it!』大矢復/半澤隆禎
ただ使える形を羅列するだけではなく、解説ではしっかりと注意点なども書いてあります。
次に、『英語語法 Make it!』にはどんな語法が載っているのかを紹介します。
- 意外な自動詞
- 意外な他動詞
- 自動詞と他動詞で用法に注意すべきもの
- 第2文型
- 目的語に ~ing をとれない他動詞
- 目的語に to do をとれない動詞
- 目的語に to不定詞をとるか、動名詞をとるかで、意味が変わる動詞
- 二重目的語をとる意外な動詞
- 意外に二重目的語がとれない動詞
- 第5文型 SVO + 原型
- 第5文型 SVO + 原型/~ing
- 第5文型 SVO + ~ing
- 第5文型 SVO + to do
- 第5文型 SVO + to be
- 第5文型 SVO+形容詞名詞
- 通常受け身で使われる動詞
- be p.p. + by以外の前置詞
- SVO + from
- SVO + of
- SVO + for
- SVO + into
- SVO + with 名詞
- SVO + on
- SVO + as
- SVO + to
- 感情を表す動詞と派生形容詞
- 後ろに to不定詞がつく形容詞
- ともなう前置詞が変わることによって、意味の変わる形容詞
- 前置詞との結びつきに注意が必要な形容詞
- 意味の違いに注意すべき形容詞
- 理由を表す群前置詞
- 目的を表す群前置詞
- 譲歩、逆説を表す群前置詞
- 否定を表す群前置詞
- 対比、比較を表す群前置詞
- 観点を表す群前置詞
- 関連性を表す群前置詞
- 時を表す群前置詞
- 場所を表す群前置詞
- 例外、添加を表す群前置詞
- その他の重要な群前置詞
- 接続副詞
『英語語法 Make it!』には、こういった項目が載っています。もう少しだけ詳しく例を挙げると
- discuss about はダメ
- 第5文型 SVO + 原型の形をとる知覚動詞
- 目的語に ~ing をとる動詞, to do をとる動詞
- prevent + 人 + from ~ing など
- exciting, excited などの ~ing/p.p 型の形容詞
- respectful, respectable, respective の違い
このような英語の語法がたくさん紹介されています。どれも大学受験やTOEICなどでも定番の語法知識ですよね。
関連記事:「原形不定詞・知覚動詞・使役動詞」を完全マスター! make, let, have, get, の違いや受動態なども解説します!【英文法の苦手を克服!】
「語法は覚えるしかない」が、暗記のための工夫はできる
基本的に、英語の語法は覚えるしかないです。特に自在に使えるようになるためにはしっかりと使い方を覚えて練習する必要があります。
しかし、語法の暗記を助ける工夫は出来ます。例えば「使われている前置詞の意味・イメージを把握する」「語源の理解」「目的語に ing, to do をとる時の傾向の理解」などです。何も分からず丸暗記をするよりはマシになります。
この本は語法ごとにグループ分けがされていますので、同じ使い方をする単語をまとめてチェックすることができるので使いやすいです。次に紹介する「英語の語法の図表まとめ」も工夫のひとつですね。紛らわしいものなどをまとめるのは有効な手段です。
『英語語法 Make it!』にはこのような語法学習がしやすくなる工夫がされています。
「紛らわしい英語語法 一覧表」語法の図表まとめ
全130項目の中で、「とくに紛らわしくわかりにくいもの、覚えにくいもの」に絞って図表にまとめたものが約50ページに渡って紹介されています。この語法一覧表まとめはかなり使えます。特に英語の語法は「覚えられない」と困る人が多いので、少しでも覚えやすくなるように工夫して勉強していく必要があります。
- 第5文型のCの形(原型、doing,to do, to be, as 形容詞と名詞、名詞のどれが取れるか)
- that 節中で仮定法現在を用いる動詞(suggest, propose, demand など)
- 綴りの似ている動詞(lie と lay、fall と fell など)
- 意味は似ているが使い分けが必要な動詞(say, talk, say, tell など)
- いろいろな語法を持つ動詞(help, allow など)
- 形容詞の限定用法と叙述用法(present, certain など)
- 形容詞と to不定詞(主語に形式主語 it を使えるか、使えない場合は何を主語にできるか)
- 注意すべき “形容詞+名詞”のコロケーション(「多い、少ない」にlarge, small を使う形容詞、high, low を使う形容詞など)
- 紛らわしい副詞(so と同じ使い方、such と同じ使い方をする副詞など)
- 可算・不可算に関して注意が必要な名詞(furniture, baggageなどの物質名詞、fire など意味によって可算不可算になる名詞など)
- 紛らわしい名詞(guest, visitor, customer, client, passenger, audience, spectator の使い分けなど)
このような内容が図表でまとめられています。英語学習者が「日頃しょっちゅう出会うのに,使い方にいつも不安を覚える」語法アイテムを集めたものとなっています。
カッコ内の例はほんの一例で、基本的なものだけピックアップしましたが、本にはもっとたくさん載っています。これらは意識して覚えないとなかなか正確に身につかないと思うので、一度整理しておくことをおすすめします。
関連記事:「仮定法現在」を完全マスター!なぜ should や原形を使うのかも説明!【英文法の苦手を克服!】
『英語語法 Make it!』の使い方・おすすめ勉強法
『英語語法 Make it!』おすすめ勉強法・覚え方
- 英単語と意味を確認し、語法解説を読む
- 解説に書いてある語法を意識して、例文を何度も読む
- 例文の日本語訳から英文を言えるようになればOK
全部で130項目なので、一日3つずつくらい進めると1ヶ月ちょいで終わるのでおすすめです。2周め以降は覚えてないものを重点的にやりましょう。
『英語語法 Make it!』を使う時の注意点
- 自分で使いそうな英単語の語法を優先して覚える
- 1回で完璧に覚えようとしない、忘れるのは当たり前なので長い目で考えて復習する
- 覚えにくい・紛らわしい語法は付箋を貼ったりノートやスマホなどにメモをしてこまめに見る
- 英語の語法は読んで分かるからといって安心しない
- 例文は必ず確認し、出来れば瞬間英作文出来るようにする
- 覚えた語法は英会話・英作文で積極的に使ってみる
- 普段から英語をたくさん読む・聴く
関連記事:瞬間英作文とは?英会話の勉強に効果があるおすすめ勉強法!その教材と使い方
英語語法辞典のおすすめは?
最後に、英語を書いたりする時に語法を調べるという使い方におすすめのものを紹介します。
『英語語法 Make it!』は重要な英語の語法をピックアップしてまとめた本なので、語法辞典に比べるとさすがに情報量は劣ります。普通の英和辞書や英英辞典でも語法は載っているのですが、もっと詳しく調べたいという場合「語法辞典」というものを利用するといいでしょう。
英語の語法辞典はとりあえずこの『現代英語語法辞典』を1冊手元に置いておけばOKです。とても勉強になる辞典なので、ぜひ一度引いてみて下さい。
最後に
前置詞の意味やイメージの理解など多少の工夫は出来るとはいえ、基本的に英語の語法は覚えるしかありません。『英語語法 Make it!』に載っているレベルの重要なものは集中して覚えてしまうことをおすすめします。その後、覚えた語法を実際に自分で英会話や英作文で使えるようにすることが重要です。そして、たくさん英語を読んで実際にどう使われるのかに慣れていきましょう。
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今まで「英語の語法が覚えられない」と悩んでいた人も、このコンパクトな本をこまめにチェックすることを普段の英語学習に追加することで、少しずつ覚えていくことが出来ると思います。