「英単語・熟語は覚えた、英文法語法も勉強した、英文解釈で読みにくい英文も勉強した。でも英語長文になると、どんな話だったかよく分からない…」
「パラグラフリーディングとか情報構造とかたまに聞くけど、何それ?」
今回は、そんな人たちにおすすめの参考書・問題集
日栄社「集中2週間完成 文のつながりをとらえる英文読解法 中級編」を紹介します。この本では、
- 情報構造上のつながり
- 論理的なつながり(ディスコースマーカー含む)
- パラグラフリーディング
などの、英語の文章を読む上で役立つことをたくさん学ぶことが出来ます。
大学受験やTOEIC、英検、TOEFL、IELTSなどの英語長文対策への基礎固めとしてはもちろん、このテキストも英語を読むすべての人におすすめの本です。
集中2週間完成 文のつながりをとらえる英文読解法のおすすめな点
- 薄い本なので取り組みやすい(テキスト本体は約35ページ)
- 1冊で英語の文と文の主なつながり方(文章の読み方)をひと通り勉強出来る
- 英文の難易度が旧センター試験(大学入学共通テスト)レベルでちょうど良い
- 安い
上記のような理由により、本格的に英語の文章を読み始める前に英語の文章の読み方をひと通り学ぶのに最適な本です。
集中2週間完成 文のつながりをとらえる英文読解法の構成・特徴
英文読解法 全14回+まとめの応用問題7題
- 情報構造上のつながり:5回
- 論理的なつながり:5回
- パラグラフの主張とその根拠:4回
- 応用問題:7題
「情報構造上のつながり」とは
文を情報という視点で考えると、「旧情報」と「新情報」の2種類の情報から成り立っています。旧情報とは何か、新情報とは何かから始まり、旧情報と新情報のつながり方のパターンをたくさん勉強します。
「論理的なつながり」とは
文と文の論理的な関係(追加・逆接・対比・因果・換言など)について勉強します。その際に使われるディスコースマーカーと言われるものも、ここで勉強します。
「パラグラフの主張とその根拠」
これは、いわゆるパラグラフリーディングですね。
「筆者が何について、何を根拠に、何を言いたいのか」を読みとる練習をします。
英文読解法 1回分の分量・レイアウト
- 1回につき見開き2ページ
- 左ページ上部にその回の学習のポイント解説と例文
- 演習問題2~3題(別冊解答解説あり)
演習問題はセンターの過去問(大学入学共通テスト)や、その他大学入試過去問の英文(主に論説文)です。
その回のポイント解説で学んだことを使って記述形式の内容説明問題や選択問題を解き、正しくその英語の文章の内容が掴めているかどうかを確認していきます。
英文のレベルも難しすぎず、語句の注などもついていますので、その回に学んだ英語の文章の読み方に意識を集中して取り組むことが出来ます。
別冊解答には
- 答え
- 考え方
- 文のつながりの図解
- 語句・表現
- 全訳
が載っています。文と文のつながりが図解されているのが分かりやすくて良いですね。
「今さら英語の長文問題を解くっていうのもなぁ…」という人は、学習のポイント解説と例文の内容をざっと14回分読んで頭に入れておくだけでもかなり有益だと思います。
集中2週間完成 文のつながりをとらえる英文読解法を使って勉強するのがおすすめな人
- 英語長文の読み方を薄いテキストでひと通り学びたい人
- 英単語や英文法、英文解釈のテキストを勉強したけど長文になると何故か読めなくなる人
- 情報構造・ディスコースマーカー・パラグラフリーディングについてよく知らない人
個人的には、基本的な語彙・英文法・英文解釈が終わったら「全員」にやってほしい本ですね。安いですし、薄いのですぐに終わります。
こんなに薄い本なのに、情報構造・ディスコースマーカー・パラグラフリーディングをひと通り学べるのはお得です。やって損は絶対にありません。
集中2週間完成 文のつながりをとらえる英文読解法を使うための前提条件・注意点
高校基礎レベルの英単語・英文法が身についていることが前提条件になります。
この本は、英文と英文のつながり方を学んでいくものなので、1文1文の解釈自体はある程度しっかりと出来る状態でないと進めていくのが難しいと思います。学習効果もかなり落ちるでしょう。
一番おすすめの中級編はセンター試験の過去問(大学入学共通テスト)や、大学入試レベルの英文を使っての演習がメインになっています。
このサイトで言うところの「基本セット」くらいの内容は身につけた状態で取り組むことをおすすめします。以下の記事で紹介していますので、参考にして下さい。
関連記事:【英語初心者必読】まず最初に勉強するべき必須の勉強3つ【必修基本セット】
その他の使用の注意として、この本で学ぶ英文の読み方は間違いなく自分の英語の読解力を上げてくれますが、世の中に存在している全ての英語の文章に当てはまるわけではないということも知っておきましょう。
最後に
今回紹介した本は、あまり有名ではないかもしれませんが、まさに隠れた名著と言っても良いと思います。
英語の長文の読み方の参考書は分厚い本だったり、大学受験用の長文問題集の解説ページでチラホラ紹介されたり、学校や予備校でも、チラッと先生が触れる程度だったりということも多いと思います。
この本に書いてあるような内容について、集中的にしっかりと勉強したことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。もちろん、この本で学べるような文章の読み方は、現代文が得意な人や日本語でも本をたくさん読む人なら自然と身に着けている方も多いと思います。
しかし、それでもあえて英文の読み方について、一度集中して取り組み自分の頭の中に整理しておくと、後で英語を読む時にきっと役に立つはずです。
この本で基本的な読み方をマスターするとともに、実際に色々なジャンルの英文をたくさん読むことも大切ですね。
関連記事:【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか?『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』
大学受験用の長文問題集や英文解釈のおすすめ参考書はこちらの記事で紹介しています。