「英文法書や総合英語は通読するべきなのか、辞書として調べる時のみ使うべきなのか」
英語を勉強している人なら一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。今回は、この点について私の考えを紹介します。
英文法書・総合英語は通読出来るならした方が良いのは間違いない
英文法書・総合英語は辞書的に使うもの?
まず、英文法書や総合英語を辞書的に使用して、分からないことを調べたりするのは普通の使い方です。どんどん活用しましょう。
英文法書・総合英語は通読するものではない?
次に、通読するかどうかの話ですが、私の考えは「読めるなら出来れば読んだ方が良い」です。とはいえ、全員が1ページ目から順に全部通読する必要があるとは考えていませんが…
読まないよりは絶対に読んだ方がいいのは間違いないです。最近の総合英語なんかはかなり丁寧に解説してくれてますので、英文法で苦手だった単元が一気に霧が晴れるかのごとく分かったりすることも珍しくないと思います。食わず嫌いしてるだけの人もかなり多いと思っています。
英文法書の通読否定派の人も、「量が多すぎて嫌になる人が多いからやめた方がいい、辞書的に使用しなさい」というニュアンスで言っていることが多く、「英文法書・総合英語を通読したら英語ができなくなりました」なんてことは基本的にはありえないでしょう。
500ページとかある本を読み通すのはそれなりに時間もかかるので、英語だけをやっているわけにはいかない受験生などには時間とやる気の問題で厳しいという話なのではないでしょうか。
ロイヤル英文法クラスの英文法書はともかく、総合英語にメインで載っているような英文法事項は出来るだけしっかりとマスターしたいですね。
日本語で書かれた英文法の解説を読んでも意味がない?英語が出来るようにならない?
「英語の勉強なのに日本語の解説ばかり読んでも英語が出来るようにならない。なので英文法書の通読は意味がない」みたいなこともよく聞きますが、英文法の理解のために母語で解説を読むのは問題ないと私は思っています。
そもそも、英語が出来るようにならないのは英文法を使う練習をしていないからであって、日本語で英文法の解説を読んだからではありません。
遠回りなようでも、声に出して読む。頭だけで理解しようとしない。それが、話す英語への最短距離です。
大西泰斗『一億人の英文法』
英文法を頭で理解するのと同時に、何度も例文を音読したり、自分で英文を作って言ってみたりすることで自分のものにする作業が必要です。
もし、どうしても日本語で書かれた英文法書や総合英語を読むのが許せないのであれば、英語で書かれた英文法書を読んで下さい。その場合も当然、英文法を使う練習は必要です。
関連記事:【英語で英語を学ぶ】英語で書かれた英語の参考書(英単語・英文法書など)を紹介します【洋書】
英文法書・総合英語のおすすめの使い方
私の個人的な英文法書・総合英語のおすすめの活用方法や考えは
- 基本的には「不定詞」などの単元ごとに解説を読む
- 分からない英文法項目を調べるといった、辞書的な使い方ももちろんする
- 英語を専門に勉強したい、将来英語を教えたりしたいという人は一般の英文法書・総合英語ともに1冊くらいは通読しても良いのでは?
こんな感じです。
先ほども書きましたが、どんな使い方をするにせよ英文法書や総合英語を読んで理解するだけでは自分で英文法を使えるようには絶対にならないので、英文法を使う練習はやはり必要です。
通読するのにおすすめの英文法書・総合英語
最後に「英文法書を通読してみたい」というやる気にあふれた人のために、私のおすすめの英文法書と総合英語をいくつか紹介しておきます。「通読するのはちょっと…」という人も調べ物用に手元においておくのもアリだと思います。
アトラス総合英語 佐藤誠司
アトラス総合英語 英語のしくみと表現―ATLAS English Grammar and Expressions
まずはおすすめの総合英語です。個人的におすすめしている総合英語です。他の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:「高校英文法の参考書は「アトラス総合英語」がおすすめ!瞬間英作文用の教材・例文集としても最適です」
他には定番の『総合英語 Evergreen(旧Forest)』や『ジーニアス総合英語』などもおすすめの総合英語です。
『一億人の英文法』大西泰斗
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
この本は著者である大西泰斗先生が「通読するための英文法書」と言っております。かなり読みやすく書かれていますし読み物としても面白いので、教科書的な記述の総合英語を通読するのが苦痛な人はこちらに挑戦するのもアリかもしれません。
関連記事:「「一億人の英文法」がTOEICにおすすめの参考書?かなり多い質問なので、はっきりさせておきます。」
『表現のための実践ロイヤル英文法』綿貫陽 マーク・ピーターセン
もう少し硬派?な英文法書が良いなら
『実践ロイヤル英文法』通称「黄ロイヤル」をおすすめします。青ロイヤルよりも通読向きだと思います。もちろん辞書的に調べる用にもおすすめです。
この本はかつて(今も?)『英文法解説 江川泰一郎』がそうであったように、現代の日本の英文法書のスタンダードと言ってもいいのではないかと思います。
関連記事:『表現のための実践ロイヤル英文法』のレビューと使い方!自然な英語を学べる現代のスタンダードな英文法書です【黄ロイヤル】
英語で書かれた英文法書
English for Everyone: English Grammar Guide: A Comprehensive Visual Reference
英語で書かれた英文法書が読みたいなら
English for Everyone: English Grammar Guide: A Comprehensive Visual Reference (English Edition)
こちらがおすすめです。イラストがたくさん使われていて初めての洋書の英文法書としても読みやすいと思います。かなりライトな英文法書ですので気楽に読めますよ。
A Communicative Grammar of English: A Communicative Grammar Of_p3 (English Edition)
正統派な英語で書かれた英文法書をお望みの人は
A Communicative Grammar of English: A Communicative Grammar Of_p3 (English Edition)
こちらのGeoffrey Leech先生の英文法書をおすすめしておきます。
おまけ 大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】
英文法書・総合英語ではありませんが、「英語が全く出来ない・ものすごく苦手」という人は、
大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】 (名人の授業)
こちらの本を読むことをおすすめします。こちらは調べるのではなく、普通に通読して下さい。講義調で読みやすいですし、ボリュームも多くありません。
「問題集をむやみに解くだけという勉強を続けてきたけど全然出来るようにならない、英文法が分からない」という人は、こういった基礎を丁寧に解説した本で英文法の概要と基礎を掴みましょう。
関連記事:『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』のレビューと使い方!読みやすいおすすめの講義系参考書です。
最後に
英文法書・総合英語を通読するべきなのか、辞書的に調べる時に使うだけでいいのかということについて、私の考えを紹介させていただきました。
読んだことによって自分の英語力が下がるということは基本的にはありませんので、興味がある方はこの記事で紹介した本をどれか1冊読んでみるのも良いでしょう。
関連記事:【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか?『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』
英語をたくさん読んだり聞いたりして、実際に使われている英文に出会うことも大切です。
関連記事:日本人が洋書を読めない主な理由と、読めるようになるのに必要なこと