みなさんは、英語を勉強していて「コロケーション(collocation)」という言葉を聞いたことがありますか?
英語の勉強というと、英単語、イディオム、英文法というイメージを持っている人が多いかもしれません。しかし、この「コロケーション」も英語を使う上でとても大事なものです。
今回は、英語のコロケーションの勉強について、
- 必要性や効果
- 勉強する上での注意点
- コロケーションのおすすめ本
を紹介しようと思います。それでは順にみていきましょう。
英語のコロケーションとは?
語と語の慣習的な結びつきのことをコロケーションといいます。もっと分かりやすく言うと、
「単語と単語の自然な、相性の良い組み合わせ」
コロケーションとはこのようなものと考えてもらってOKかと思います。
例えば、「電話に出る」というのを英語で何と言うでしょうか?電話は「the phone」でいいですね。では「出る」という動詞はどうでしょう。
パッと動詞が出てきますか?出てくる人はphoneのコロケーションの正しい感覚が身についているということですね。このように、単語と単語の自然な組み合わせのことをコロケーションといいます。
なぜ英語のコロケーションの勉強が必要なのか
みなさんの中には、英会話、スピーキングのトレーニングとして、瞬間英作文を実践している人も多いと思います。瞬間英作文の主な目的、効果は、
- 英文法を正しく、そして自由に使えるようになる
- 言いたいことをどんな英文の形で言えばいいのか瞬時に判断し、口から発することが出来る
- 対話フレーズ集や英会話表現集で覚えた表現をパッと使える
このようなものだと思います。しかし、瞬間英作文のトレーニングをしっかりと積んだのに、
- 使う名詞は分かるんだけど、どの動詞と一緒に使うのかが分からない
- この動詞はどういう副詞と一緒に使うのか?
- 自分の選んだ単語の組み合わせに自信がない
このような疑問が頭に浮かんだりして、言葉に詰まってしまったことはありませんか?それを解消する勉強としてコロケーション学習は有効です。
こういう悩みがある人はコロケーションを一度集中して勉強してみることをおすすめします。
先ほど出てきた例でいくと、「電話に出て頂けませんか?」と言いたいという時に、これまでに瞬間英作文で身につけた英文法力、覚えた英単語や表現などを駆使し、
「Could you ( ) the phone, please? の文の形を使うこと、「the phone」を使うことまでは分かる。でもこの場合のthe phoneと相性の良い動詞が分からない!」
というような感じですね。経験ありませんか?特に、瞬間英作文の一番最初の段階、「文法を使えるようになるトレーニング」をこなしたくらいの人に多い悩みではないでしょうか。
ここで、コロケーションをしっかりと勉強していれば、「answerやgetを使うんだ」ということが頭に入っていますので、問題なく「Could you answer the phone, please?」と発することができます。
こういうことは英語を実際に使う場面でたくさん経験すると思います。その対策をしようというのがコロケーション学習です。かなり効果的ですよ。
しかし、自分が言う可能性のある英語を英文の形で、あらかじめ全て丸暗記するのはちょっと現実的ではないですよね。フレーズ集に載っていないことを言うことも当然あるでしょうし。
そういう場合などでは、やはり文法や単語、コロケーションなどが役に立つと思いますので、フレーズ集と並行して頑張って勉強しましょう。
英語のコロケーションを勉強するとどんな良い効果があるのか
- 自然な単語の組み合わせが分かる
- 多彩な英単語の組み合わせを覚えることにより表現の幅が広がる
- 英単語の組み合わせで悩むことが減るので、英会話や英作文の時に言葉に詰まることが減る
コロケーションの学習はある程度のレベルまでは、「もともと知っている単語同士の組み合わせ」を学ぶことになると思います。
したがって、ゴリゴリとコロケーションを暗記しようとせずとも、コロケーションの本で軽く確認して、
「あ、こういう動詞と一緒に使うんだ」という感じで読んでおくだけでもだいぶ効果が期待出来ます。(もちろん、それを英会話の実践や練習で使うことも意識して下さいね。)
英語のコロケーションの勉強におすすめの参考書
では、どんな本、参考書を使ってコロケーションを勉強していけばいいのでしょうか。コロケーションのおすすめ本については詳しく記事を書く予定なので、ここでは軽く紹介するだけにしておきます。
コロケーションは英語の多読多聴などで大量に英語に触れることでも少しずつ身についていきます。
魔法のコロケーション
こちらは英語初心者の人におすすめです。日常生活でよく使われるキーワードや英会話でよく使われるコロケーションをフレーズの形と英文の形で1000集めたものです。
例えば、「teeth(歯)」や「化粧」関連でどのような組み合わせを知っていますか?こういう、言いそうな話題のコロケーションがたくさん載っています。
プログレッシブ英語コロケーション辞典
こちらは、私のお気に入りの本です。コーパスに基づき、基本語2500単語の19000コロケーションを確認出来ます。少し本格的にコロケーションを勉強したい場合、こちらの本を一度読んでみるのをおすすめします。例文も豊富です。
「辞書」という形ですが、約570ページなので少しずつ読み進めれば十分通読可能です。
気合を入れて全部暗記していくというより、ざっと読んで「ああ、こういう組み合わせで使うのね」というのをどんどんインプットしていくと良いと思います。
同時に基本単語の復習にもなるので一石二鳥です。もちろん、コロケーションを調べる時に辞書として使うことも出来ます。
英語 コロケーション学習の注意点
- 瞬間英作文など、英文法をしっかりと扱えるようにするトレーニングは別途必要
- 自分に必要な英単語はしっかりと覚えていく
- 単語を覚えるときには、コロケーションも意識する
- 英文を読んだり、聞いたりする中でもコロケーションは少しずつ身につくことを頭に入れておく
- 「へー」と思ったコロケーションを実際に使ってみる
最後に
今回は、英語のコロケーション学習について書いてきました。「文法は使える、単語も分かる。でも何かしっくりこない。自信がない」という人にかなりおすすめですね。英字新聞や洋書などで大量のインプットをする中でも、徐々に正しいコロケーションの感覚は身についてくると思います。
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しかし、今は基本的なコロケーションを上手くまとめてくれている本があるので、こちらも上手く利用して効率よく勉強を進めていきたいですね。
また、英単語学習や、瞬間英作文などの基本トレーニングは欠かさずやりましょう。その土台があってこそ、コロケーションなどの学習が活きてきます。
自然な会話が出来るようになるための瞬間英作文としておすすめの対話フレーズ集については 「瞬間英作文の効果を倍増!自然な英会話表現を勉強できる「対話フレーズ集」を活用しまくろう!」という記事を書いています。
もちろん、オンライン英会話などの実践の場を作るのも有効ですね。ある程度トレーニングが進んできたら、無料体験レッスンを受けて腕試ししてみるのがおすすめです。
実際の英会話で、瞬間英作文の効果が実感出来るとすごく嬉しいですよ。
英会話は最終的には「英会話表現などを仕入れる→実際に使う→言えなかったことや間違ったところを修正する」のくり返しが一番効果的な上達法になりますので、実践の場は出来るだけ早く作りましょう。
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