昔から「文法用語があるから英語が出来るようにならないんだ!」という意見がありますよね。
個人的に「その主張はさすがにちょっとどうなんだろうか」とずっと感じています。今回はそのあたりについて自分の考えを書いていきましょう。
文法用語があるから英語がわからない?
本当に英文法用語があるから英語が分からないのでしょうか?
私は、これは正確には「文法用語があるから英語が分からない人が多い」のではなく、
- 英語が分からない人は文法用語が分かっていないことが多い
- 文法用語が分からないから英語を勉強するのが嫌になり、英語を勉強していないから英語が出来ない
ということなんじゃないかなと思っています。特に2なんか、英語を勉強してないんだから英語が出来ないのは当たり前ですよね(笑)
私は、文法用語は英語の勉強がスムーズに進められる便利なものだと考えています。では文法用語を知っていると、具体的に英語学習にどう便利なのでしょうか。
文法用語を知っておくと英語学習に役立つ
文法用語をしっかりと理解していると、自分で本やネットなどで勉強したり、人に教えてもらったり、人に教えたり(教えるのはとても勉強になります)色んな場面で話や解説をスムーズに理解することが出来ます。
「文法用語なんて知らなくてよい」これは英語を使う時には必要ないという意味では正しいです。
別に英語を読んだり聞いたり書いたり話したりする時には文法用語なんて使いませんからね。説明する時とかは別ですが。
したがって「俺は誰とも文法について話すつもりはないし、本で解説を読んだりもしない!表現の暗記や実践で何となく身につけていくぜ!」って人には確かに不要です。
しかし、英語を使うには英文法を使えるようにならないといけませんし、そのためにはその英文法を勉強しなくてはいけません。効率的に英語を上達させるためには文法の学習は必須です。
文法用語に苦手意識がなくなると、一気に英文法が身近に感じられると思います。
英語の文法用語は難しくない!ただの名前
文法用語は項目などにつけられた、ただの名前です。そして、名前があると、誰かとコミュニケーションを取る時にかなりスムーズに話が進みます。
現実の世界でもそうですよね?みなさんも一人ひとりに名前があるでしょうし、周りのものなどにも全部名前がついていると思います。これがないと、不便じゃないでしょうか。
用語がなかったら
例は何でもいいですが、例えば「紙」という用語がなかったとします。これがなかったら、どうなるでしょうか。
「あの、えんぴつとかペンで字とか絵を書いたりする…あのペラペラの薄い…あれ1枚ちょうだい」
みたいな感じですかね。ものとか人の名前が出てこない時ってこんな感じじゃないでしょうか。
お互いが共通に理解できる用語や名前があると便利
さきほどの例でも、お互いに用語をわかっていれば「紙1枚ちょうだい」「わかった、紙ね」で終わりですよね。相手の勘違いも起こりにくいでしょう。
私は文法用語もこれと同じじゃないかなと思います。文法用語が分かっていると、他の人と文法について話したりする時にとてもスムーズに話が進みます。
例えば、
「時と条件を表す副詞節中では未来のことも現在形で表しますよ」
このルールだけを説明された時、副詞節という用語が分かっている人は
「そうなんだ」
と、とりあえずこのルールを理解することは出来ると思います。
しかし、そもそも副詞節の意味が分からない人は
「え?副詞節って何?わけわかんねえ…」こうなる可能性が高いです。
そうすると、説明する側は、「なぜ時と条件を表す副詞節中では未来のことも現在形で表すのか」という説明の前に、そもそも副詞節が何なのかというところから説明することになります。
もちろん、私も説明の中の用語を知らない人には丁寧に説明をします。しかし、副詞節という文法用語が表す内容を説明する分、余計に時間がかかります。
最初はチンプンカンプンという人でも、何回か説明するとたいていは慣れてきて結局覚えてしまいますけどね。
独自の用語はあだ名のようなもの
中には、より中身や実態にあった文法用語を独自に作って教えたり、自分で理解するのに役立てている人も多いと思います
例えば、動詞の「現在形」という用語がありますよね。
それを「普段形」「普通形」「一般形」と言ってみたりするわけです。確かに現在形よりは実態に近いと思います。しかし、この方法も結局、別の名前をつけているだけです。あだ名みたいなもんですね。
信号の緑を青信号というのはおかしい、緑信号と呼びましょうと言っているのと同じような話だと思います。でもみなさん青信号って言われてちゃんとあの信号の緑を思い浮かべることができますよね。
今さら新しい用語で上書きするようなことでもないかなと思います。私は、そこまで用語がその内容を正確に反映したものかどうかというのは気にする必要はないと思います。
しかしこのような本でも、最低限の文法用語や大西先生の独自用語が分からないと理解しながら読み進めることは出来ません。
最低限知っておきたい英文法用語は「一億人の英文法の文法用語と従来の文法書の文法用語を比較し、最低限勉強が必要な用語はこれ!」こちらの記事をどうぞ。
文法用語から逃げても文法学習からは逃げられない
そもそも文法用語があろうがなかろうが、文法自体は存在しているので結局やる中身は変わりません。独自用語を使おうが、勉強するのは普通の英文法です。
英語を効率的に上達させるためには文法の理解は必要です。そして、文法を学習していくとやはり用語は出てきます。これは英語で書かれた英文法書でも同じです。
「文法用語は難しい、わからない」と今まで避けてきた人も、一度がんばって取り組んでみることをおすすめします。
用語を覚えるというより、英語の文法を勉強したりする時に出てきたものを理解しようとする姿勢があれば自然に覚えると思います。
英語の文法用語がどうしても受けつけない人は
どうしても、日本語の英文法用語は実態と違う名前がついてる気がするので覚えたくない!という人は英語の文法用語をみてみるのもいいかもしれません。後々役に立つこともあると思います。
英語の文法用語をいきなり覚えるのは日本語で英文法用語を覚えるより大変じゃないのかなとも思いますが…。英語で書かれた英文法書で調べものをするようになった時、スムーズに解説に入っていけると思います。
ちゃんとした先生なら当然英語の文法用語も知ってますから話も通じますし、文法書にも英語の文法用語を併記してあったりもします。
関連記事:【英語で英語を学ぶ】英語で書かれた英語の参考書(英単語・英文法書など)を紹介します【洋書】
ただ、日本語の文法の授業や参考書など全てに英語の文法用語を使って説明がしてあるものは少ないと思いますので、私はやはり基本的な文法用語は押さえてくとといいと思います。
最後に
今回は文法用語についての個人的な考えを述べてきました。私の意見は
「便利なので絶対知っといたほうが得!」
最初はややこしく感じていても、一度慣れるとその後は意外と快適な英語学習ライフが待ってますよ!
これを読んだ英文法嫌いや用語嫌いの方が少しでも、
「これまで文法用語が出てきたらそこで読むのやめてたけど、ちょっと読んでみようかな」
という気になってくれればうれしいです。
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