「大学生になったはいいが、英語学習の目標をどこに設定しようか」
「TOEICを受けようと思っているけど、何点を目標にすればいい?」
「TOEICは何点から就活に使える?」
と迷っている人も多いと思います。
私は、大学生はまず「TOEICで700点を取る」ことを目標にすると良いと思います(最終目標ではありません)。理由は色々ありますが、簡単に言うと「手頃な難易度の割にそこそこの評価で、就活の時に履歴書にも問題なく書ける」英語資格だからです。
今回の記事では、そのあたりについて私の考えと、TOEIC初心者がまず最初にやることを紹介します。
関連記事:大学入学前~大学3年までにやっておきたいおすすめの英語学習 大学受験時が英語力のピーク?もったいないです【瞬間英作文・英単語】
TOEIC700点は大学生の目標にちょうどいいレベル&就活でも使えるスコア
TOEICは意味ない?就活に必要ない?
「TOEICは英語力を測るのに意味がない」とはよく言われることです。私もTOEIC LRテストでは正確にその人の英語力を測ることは出来ないと思います。そもそもスピーキングとライティングは受験しない人が多いですし、リスニングやリーディングも上の方の実力をちゃんと測ることはできません。どのくらい英語が出来るかは最低でも4技能全部のテストをしないと正確にはわからないと思います。特に英語での面接の有無は重要かと思います。
とは言いつつも、やはりまだまだ日本ではTOEICは根強い人気があります。LRだけなら英語面接もないので気軽に受けられますし、他の英語資格試験に比べて受験料も安いです。
TOEICのスコアは大学の単位認定や進級・卒業要件に設定されていたりしますし、大学院受験の時に提出が必要だったりもします。就活時にも企業の採用担当がTOEICのスコアを参考にすることも多いです。教員採用試験などでもTOEICの点数によって加点がされたりします。
したがって結構評価されるので、大学生がある程度のTOEICスコアを取得しておくのは意味のあることだと思います。出来ればSpeaking&Writingテストも受験するのがおすすめです。
関連記事:TOEICは高得点(900~)取っても意味ない?英会話で喋れない?
TOEIC700点の難易度は大学受験レベル+アルファで十分取れるくらい
みなさん大学受験で英単語を覚えたり英文法や英語長文の問題集など、英語を色々と勉強したと思いますが、大学受験後に目標とするのにちょうどいいレベルが「TOEIC 700点」です。
TOEICは全部で200問出題され、満点が990点ですが、「TOEIC 700点」はリスニングでもリーディングでもたくさん間違えたとしても十分に取れる点数です。
もう少し具体的に言うと、TOEIC700点は200問中大体150問くらい正解すれば取れます。つまり、大体ですが50問も間違えてOKなわけです。「リスニングパートの3と4で分からない、聞き取れない問題が多かった」「リーディングパートが最後まで終わらず、マークシートの最後の1列が全部塗り絵になってしまった」という感じでも取れます。
これくらいの正答率ならハードルはそこまで高くないので、大学受験でやった勉強にプラスして「英単語力」と「リスニング力」の補強した上で『公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 6』などの公式問題集を何冊かしっかりと勉強すれば、1~数回のTOEIC受験で取れるはずです。
TOEICの勉強が初めての人は大学受験の頃にそうしたからか、パート5の英文法・語法、語彙問題から勉強し始める人も多いです。しかし、TOEICはリスニングの点数がちゃんと練習すれば比較的すぐ上がるので、まず英単語とリスニングを頑張って勉強するのがおすすめです。
関連記事:英語リスニング スピードについていけない!聞き取れない!そんな人におすすめの勉強法
具体的なTOEICの勉強法は「【初心者向け】中学英語からTOEIC600以上の目標スコアを達成する最短ルートの勉強、おすすめ参考書」こちらの記事でも紹介していますので参考にして下さい。
TOEIC700点は大学生の平均以上の英語力と思われるレベル
TOEIC (全体・大学生・大学院生・社会人)の平均点より上
- TOEIC全体の平均点:600点前後
- 大学生の平均点:567点
- 大学院生の平均点:609点
- 社会人の平均点:603点
TOEIC700点は、TOEIC全体・大学生・大学院生・社会人の平均点よりも上です。
また、大学によってはTOEICの点数により英語の単位が認定されたりしますし、進級要件・卒業要件にTOEICの点数が必要なこともあります。高めでも730点前後で設定されていることが多い(例 大阪大学外国語学部3年次進級要件など)ので、大学生の最初の目標としてはちょうどいいでしょう。
私も東大京大と早慶の平均点くらいは載せたかったのですが、東京大学のホームページで私が調べた限り見つからなかったので諦めました。探し方が悪かったのでしょうか…
周りの人の属性やレベルにもよりますが、TOEICの点数が700以上あると大学の友達からも結構すごいと思われることもあるでしょう。(めちゃくちゃすごいと評価される可能性が高くなるのはTOEIC800後半~、出来れば900以上でしょうか)TOEICの勉強法や使った参考書や問題集を聞かれることもあると思います。
大学入学時や進級時の英語のクラス分けでも上の方のクラスになる可能性が高いです。
TOEIC 自慢できる点数は何点?
たまに「TOEICで自慢できる点数は何点ですか?」と聞かれることがあるので少し触れておきます笑。
個人的には自慢してどうするんだという感じではあるのですが、自慢したい人より高い点数だったら何点でも良いんじゃないかと思います。例えば400点の人に自慢したいなら600点でも十分自慢になりますし、逆に800点取っている人に「俺(私)、TOEIC600点なんだー」と言っても当たり前ですが全く自慢になりません。TOEICの点数に限らず、自慢はうざいと思われることもあるので注意しましょう。
また、自慢とは少し違いますが、先ほど書いたように、普通の大学生・社会人ならTOEIC900点以上あれば「かなりすごい」と思ってくれる可能性は高いのかなと思います。TOEIC900点のレベルは受験者全体の上位3%くらいで、偏差値にすると68くらいですし。
関連記事:TOEIC 400点はやばい点数?低すぎる?大学生や社会人の就活では使えない?
TOEIC 700点は就活に役立つ点数 各種公式データ
企業の求めるTOEICスコアは何点?「職員・社員に期待するTOEIC平均スコア」
- 新入社員:535点
- 中途社員:560点
- 技術部門:560点
- 営業部門:575点
- 海外部門:690点
こちらを見ても分かるように、企業が海外部門の社員に期待するスコアでも690点なので、TOEIC700点以上は就活に役立つ点数といえるでしょう。
もっと英語を頑張った・海外部門に興味があるということをアピールしたい、競争率の高い人気企業の内定レベルの人たちの中でも通用する強みにしたいという場合はTOEIC700点ではちょっと足りないと思いますが、普通の就活生として履歴書に書けるレベルの点数であることは間違いないです。
関連記事:TOEIC900以上が取れない、700~800台の壁が越えられない人の勉強法とよくある勘違い【大学生・社会人英語】
企業が要件・参考とするTOEICスコア(平均)
- 新卒採用:545点
- 英語を使う部署の中途採用:620点
- 係長・主任:515点
- 課長:530点
- 部長:560点
- 役員:600点
- 海外出張者:620点
- 海外赴任者:635点
こちらのデータも、一番点数の高い海外赴任者がTOEIC635点なので、就活時で700点あれば一定の評価はしてもえると思います。
新入社員のTOEICの平均点
上の2つのデータは企業が求める点数でした。次に紹介するのは、「新入社員が実際に取ったTOEICスコアの平均」です。
- 2017:(文系)529点、(理系)459点
- 2018:(文系)534点、(理系)469点
- 2019:(文系)535点、(理系)468点
実際の企業の新入社員の人たちが平均してこのくらいの点数を取っているということなので、TOEIC700点を取っていれば同僚の中でもTOEICスコアが比較的高い方である可能性が高いでしょう。
TOEIC対策でまず最初にやること
TOEICで700点を取るために、TOEIC初心者の大学生がまず最初にやることを紹介します。それは、
- TOEIC用の単語集
- TOEIC公式問題集
この2つです。TOEICで出てくる英語は大学受験までに勉強した英語とは少しジャンルが違います。話題もビジネス系の話題が多く、英単語や表現なども少し見慣れないものが多いでしょう。
まずは定番のTOEIC用の単語集と、TOEICテストを実施しているETSが公式に出している問題集を使ってTOEICの英語に慣れましょう。TOEIC公式問題集のリスニング音声はTOEIC本番と同じ人物のものなので、これを使って聴き取り練習をしておくのが効率が良いです。
人によってはこの2つをこなしただけでTOEIC700点は超えることが出来ると思います。市販のTOEIC模試やパートごとの問題集、韓国のTOEIC公式問題集などに手を出すのは、単語集と公式問題集をやった後に自分が必要と感じれば、という感じですね。
完全に独学するのが不安な人は「スタディサプリ」などの利用を考えてみるのもアリですね。スクールに通うより安いですし、自分のペースで勉強出来ます。
TOEIC用単語集『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 』(金フレ)
最初は単語集です。この『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 』通称『金フレ』は、もう長年TOEIC対策単語集の定番になっていますので、迷わず選んでOKというか、これ1択です。TOEIC頻出単語を例文付きで効率よく覚えることが出来ます。
こういった英単語集は細切れの時間でパラパラ見ておくだけでも全然違ってきますので、通学の電車内や大学の講義の空き時間なども上手く活用してビジネス英語の表現に慣れていきましょう。
関連記事:『TOEIC L&R 出る単特急 金のフレーズ (金フレ)』のレビューと使い方!TOEIC対策はこの単語集と公式問題集がおすすめ!
TOEIC公式問題集『公式 TOEIC Listening & Reading 問題集』
TOEICを作っているETS自身が出版している公式問題集です。
テストの出題者側が作っているので問題の質はこれに勝るものはありませんし、TOEICは出てくる英文や問題の出題パターンがある程度決まっています。最初にこのTOEIC公式問題集を解くことで、どんな英文が出るのか、自分の現在の実力でどれくらい正解出来そうか、自分に足りないのは何かを調べましょう。
最初は大学受験などにくらべ、英文の量が多くて面食らうかもしれませんので、このTOEIC公式問題集でしっかりと慣れておきたいところです。一度TOEIC1回分の200問を2時間はかって解いてみて下さい。「問題が多すぎて最後まで解き終わらない……」という人も多いはず。
また、TOEICはリーディングよりもリスニングの方がスコアを上げやすいです。公式問題集のCDのリスニング音声はTOEIC本番と同じ人物のもので練習が出来るので、効率的な対策には必須です。
最後に
「手頃な難易度の割にそこそこの評価で、就活の時に履歴書にも問題なく書ける」
TOEIC 700点は大学生の最初の目標におすすめです。まずはTOEIC用の英単語集・公式問題集を使ってよく出てくる英単語やビジネス英語の表現に慣れていきましょう。
関連記事:TOEIC公式問題集『公式 TOEIC Listening & Reading 問題集』で効率よく対策!点数アップにはこれが一番おすすめです。
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