英語学習者の中には、英会話の勉強・トレーニングとして瞬間英作文を実践されている人も多いと思います。このサイトでも、英語を喋れるようになる効果的なアウトプットトレーニングとして瞬間英作文に取り組むことをおすすめしています。
今回は、とてもおすすめの瞬間英作文用の教材(例文集)
を紹介します。
この『毎日の英文法』は英語のネイティブスピーカーの早稲田大学教授の James M. Vardaman (ジェームス M. バーダマン)先生が、実際に英会話で使うものだけを厳選した、無駄のない瞬間英作文用の例文教材となっています。もちろん例文の英語音声ダウンロードもできます。
したがって、「瞬間英作文は学校の英語の授業でやるような英文を練習するのが嫌!」という人にも最適です。この本を使って英会話でよく使う英文パターンを体に叩き込んでいきましょう!地道にトレーニングを続ければ、必ず今よりも上手く、スラスラと英語が話せるようになります。
『毎日の英文法 頭の中に英語のパターンをつくる』おすすめな点・特徴
『毎日の英文法』瞬間英作文用英文数 全806文
瞬間英作文用の例文教材としては十分な量の英文ですかね。コスパはかなり良い方かと思います。(ちなみに瞬間英作文用の教材として有名な、市橋敬三氏の『話すための英文法中級編』は1冊で375文です。)
基本的な本の構成は見開きで
- STEP1:英文法の解説(左ページ上部に文章での説明、右ページ上部に図表(イラスト))
- STEP2:例文が7文(左ページに英文、右ページに日本語文)
- STEP3:STEP2各英文の単語などを少し変えただけの練習英文が7文(STEP2と同じ)
このようになっています。7文ずつというのが絶妙な英文量で取り組みやすいです。
STEP2とSTEP3の14文で1セクション、それが55セクションあります。巻末には「使用頻度が他より低い英文法事項」が9セクションあります。こちらは1セクション4文ずつです。
細長くて薄い本なので、かばんなどに入れたりしても邪魔にはならないと思いますし、大学生や社会人の方が電車で毎日コツコツやるという使い方もしやすいでしょう。
英会話に必要な、本当によく使う英文法の基礎を網羅
『毎日の英文法』には、英語を話せるようになるために、真っ先に使えるようになる必要のある英文法だけが網羅されています。英語教育の経験豊富なバーダマン先生が自ら選んだ、本当に最低限の英文法項目だけが載っています。
- 話すために必要な英文法の基礎が網羅されている
- 英語ネイティブがリアルによく使うフレーズだけで作った
『毎日の英文法』James M. Vardaman
使える英文法から優先して学ぶ、そして本に載っているものは全て使うものであるというコンセプトです。
実際の英会話でよく使われる必須の基本英文法がメインなので、英会話での使用頻度が比較的低い文法事項(未来完了形など)は本の後ろのおまけみたいなコーナーに追いやられています。英語のスピーキングのための英文法に集中して瞬間英作文トレーニングが出来るように作られていると言えます。
そのため、個人的にはまんべんなく英文法項目をさらうためにも、もう1冊は文法習得の瞬間英作文の教材(英語のスピーキングが驚くほど上達する NOBU式トレーニング【MP3 CD付】や、会話できる英文法大特訓 CD付など)をやることをおすすめします。2冊目は『毎日の英文法』で学んだことの復習にもなりますし、1冊目よりもかなり短期間で終わらせることが出来ると思います。
関連記事:「会話できる英文法 大特訓」効果抜群のおすすめ瞬間英作文教材・英会話例文集の特徴・使い方!中学~高校レベルの英文法を使いこなせるようになろう
信頼出来る英語のネイティブスピーカーが、自然な英語表現・日常によく出てくる英会話フレーズだけを紹介
本テキストは、ネイティブが普段使っているフレーズだけを厳選しています。日本滞在が長い筆者は、このテキストを作成するため、アメリカに帰省するたびに、日常場面でよく耳にし、テキストになり得る表現を書き留め、吟味した上で掲載しました。
『毎日の英文法』James M. Vardaman
著者のジェームス M. バーダマン先生はハワイ大学卒で、ご自身も日本語の学習経験があり、現在は早稲田の教授をされている英語のネイティブスピーカーです。そのバーダマン先生が、実際に日常生活を送る中で書き留めた英語表現から厳選して本で紹介しています。信頼度が違いますので安心して使い倒すことができます。
バーダマン先生はご自身も外国語(日本語)の習得経験があり、さらに母国語(英語)の指導経験も豊富な英語のネイティブスピーカーというところでかなりポイントが高いと思います。
ちなみに、バーダマン先生は、私がおすすめしている英語学習者向け週刊英字新聞『The Japan Times Alpha』でも連載記事を書かれていました。
関連記事:英字新聞 多読初心者にもおすすめ!週刊 The Japan Times Alpha を購読して英語力アップ!なぜおすすめなのか徹底的に紹介!
バーダマン先生は『毎日の英文法』の中で、「本テキストには1文も無駄な英文はありません」と何度も強調されています。収録例文は確かによく使いそうな自然な英語表現ばかりです。
瞬間英作文しやすい適度な長さの英会話例文
『毎日の英文法』の例文は大体が7単語くらいの英文で構成されています。「マジックナンバー7」といって、ヒトの脳は7±2の事柄ならスムーズに記憶出来るらしいです。
私には詳しいことは分かりませんが、確かに7±2の語数の英文はサクサクと取り組めるというのもあるので良いと思います。サクサク進むと飽きが来にくいのでうれしいです。
英文が適度な長さなので、音読、例文暗唱もかなりやりやすいです。あまりに長い英文だと文法を使えるようにするための瞬間英作文には向きませんが、この『毎日の英文法』は瞬間英作文に最適の例文集です。
そのトレーニングにおすすめの瞬間英作文用教材は「英会話「スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング CD BOOK」英文法をより自由に使いこなすためのおすすめ教材!」こちらの記事で紹介しています。
簡潔で分かりやすい英文法解説
日本人の早稲田大学教授の安藤文人先生が、各ページの最初に英文法の解説やちょっとしたテクニックを書いてくれています。左ページに10行程度の解説文、右ページに図表という感じの簡潔なのですが、分かりやすいですね。
- will や be going to の使い分け
- 加算か不可算かに迷った時には a lot of や lots of を使うなどのちょっとしたテクニック
- 各前置詞の説明
などなど、英語学習で悩みやすいところを色々としっかり説明してくれていますので、この部分を読むだけでも結構勉強になると思います。
『毎日の英文法』音声ダウンロード方法
『毎日の英文法』は出版社のサイトから例文の英語音声が無料でダウンロード出来ます。これは最近の英語教材ならほぼ当たり前になっていますね。お手本となる英語音声はあるにこしたことはありませんし、最大限に利用しましょう。発音やアクセントなどを真似して何度も練習して下さい。
少し英語音声のスピードがゆっくりなので、再生スピードを変更出来るアプリや、音声自体を少し速い速度に加工して使うのがおすすめですね。
『毎日の英文法』の 音声ダウンロード方法は、出版社ホームページからzipファイルをダウンロード&解凍するだけです。
ここからは『毎日の英文法』の使い方や瞬間英作文をする時の注意点などを紹介していきます。
『毎日の英文法 頭の中に英語のパターンをつくる』の使い方、おすすめの勉強法、覚え方
通常の瞬間英作文のトレーニング法とほぼ同じなのですが、ここでも説明しておきます。
『毎日の英文法』に限らず、瞬間英作文用の本に載っている例文は、読んですぐ理解出来る簡単な英文ばかりだと思います。しかし、瞬時にその英文を作るのは初心者には難しいと思います。読んで意味が分かるだけで「簡単じゃん」と甘く見ず、スピーキングのための英文法を瞬間英作文でしっかりと練習していきましょう。
本の初めの「本書の効用」には、英語のパターンをトレーニングにより自分のものにし、自分の脳内に確固たる英語回路を構築するのが目的だと書いてあります。
『毎日の英文法』を使った基本的な瞬間英作文の勉強計画を立てる
まず『毎日の英文法』を使っての瞬間英作文トレーニングを、どのくらいのペースで進めるか計画を立てて下さい。
全部で55セクションなので1日1セクションでも1周するのに2ヶ月かかりません(復習で何度もやることを考えると、もっとかかりますが)。1日に2セクションなら一ヶ月で1周出来ますね。やる気と時間がある人なら、1日に3セクション以上も出来ると思いますが、途中で力尽きないように無理はしないようにして下さい。
個人的には最初の1~2周目は1日2~3セクションがおすすめです。
何周もしっかりとトレーニングしていると、ほとんど全ての英文をサッと言えるようになるので全然時間がかからなくなります。その状態になれば、1日に10セクションとかでも軽く出来ますね。まずはその状態を目指しましょう。
瞬間英作文トレーニングの具体的なやり方
次は、具体的な『毎日の英文法』を使った瞬間英作文のトレーニング方法・復習のやり方などを紹介します。
結構細かいのでこのページをブックマークしておくか、メモに取るなどして勉強中いつでも見られるようにしておくと良いかもしれません。
- 英文法の解説や図解などを読んでそのセクションのポイントを理解する
- 英文を読んで、完璧に意味、文法を理解する(横の日本語文を見てもいい)
- 音声を聞いて、英文の意味、文法を理解しつつ何度も音読(テキストを見ずに言えるようになるまで)
- 日本語文を見て、何を言うのかを理解したら、すぐに英文を言うという練習をくり返す
- 日本語文を見てすぐに英文を言えるようになったら次の文へ進み、セクション最後の14文めまで1~5をくり返す
- 最後までいったら、仕上げに14文全て、日本語を見て瞬時に英文を言えるようになるまで順番に復習していく
- セクションの14文の全てを言えるようになったら、次のセクションへ進む
例文をカスタマイズして、より実践的な英会話フレーズ集に
慣れてきたら、自分の環境などに合わせて例文の英単語などを自分の言いそうなものに変えて練習するのもおすすめです。英文と日本語の上に鉛筆やフリクションペンなどで書き込むといいでしょう。例えば、
こういう英会話例文が載っていたとします。本当に三鷹や駅の近くに住んでいれば良いのですが、そうでなければ、この文をそのまま言うことはおそらくなさそうですよね。
そこで、駅名や、近くの部分を例えば駅でなく大学など、自分の環境にあったものに変えます。自分の言いそうな単語にかえていくんですね。この場合だと、本の例文の「Mitaka」 と「 the station」という英単語、「三鷹」と「駅」という日本語の上に、自分に合った単語をメモのように書いておきます。
この作業をすることによって、「より自分の言いそうなフレーズ、実践的な即戦力英会話フレーズ集」に改良することが出来ます。これは『毎日の英文法』だけでなく、全ての英会話教材で使えるおすすめの勉強法です。
また、例文の英単語を変えたら、それに伴って他の部分が変化することも多いので注意が必要です。例えば、「主語をTheyからHeに変えたら、動詞に3単現のsが必要になった」というようなものです。
したがって、例文の単語を変えた後の英文が正しいかどうか自信のない人は、誰か英語の出来る人に見てもらうか、ある程度英文法の勉強が進んでからやりましょう。
さらに慣れてきたら、単語をその場でどんどん変えて口に出す練習をすると良いでしょう。例文の型だけ使って、あとは自在に英文を作る練習とでも言えばいいでしょうか。思い浮かんだことを瞬時に話すという訓練をして下さい。この状態までくると、いちいち日本語を本に書き込む必要もなくなります。
『毎日の英文法 頭の中に英語のパターンをつくる』を使って瞬間英作文のトレーニングをする時の注意
- 「読んでひと目で意味が分かる」は当たり前、「日本語を見て瞬時に英文を言える」まで何周でもやる
- ダウンロード音声は必ず確認して、しっかりと発音やイントネーションまで真似する
- 英語の発音の基本は必ず勉強しておく
- 文法説明で理解できないものが出てきたら総合英語、英文法書で調べる
- 毎日絶対に続けられる量で計画を立てる
- 本当に最低限の文法なので、まんべんなく文法を身につけるなら2冊目に必ず取り組む
- この本が仕上がったら次の瞬間英作文の教材へ(対話フレーズ集もおすすめです)
- この本が仕上がったくらいから、オンライン英会話などの実践の場も積極的に作る
『毎日の英文法』の次も、他の英文法習得用の瞬間英作文教材へ進んだり、英会話の対話フレーズ集にも取り組んだり、コロケーションの勉強をしてみたりと、色々とやることがあります。
英語の発音についてはどこまで力を入れてやるかは人によりますが、発音記号は読めるようにして、各母音、子音などの違い、音の変化の存在は知っておくと良いと思います。中学生・高校生の時の英語の授業や大学受験の勉強などでも英語の発音やアクセントほとんど練習したことがないという人も多いので、ひと通りやっておくのがおすすめです。
関連記事:【発音記号・フォニックス】英語の発音が上達するおすすめ定番教材を紹介!【英語の音の変化・リスニング】
総合英語については「高校英文法の参考書はアトラス総合英語がおすすめ!瞬間英作文用の教材としても最適です」
最後に
今回の記事では、瞬間英作文用の教材でとてもおすすめの『毎日の英文法 頭の中に英語のパターンをつくる』を紹介してきました。先ほど紹介した収録例文のカスタマイズなども駆使して、この本は本当に1冊ボロボロになるまで仕上げておくといいと思います。
なんなら、仕上げた後も、ある程度の期間(半年とか)毎日やる日課に加えておくのもアリです。飽きてからが勝負という気持ちで取り組みたいですね。基礎段階で中学レベルの瞬間英作文をしっかりとやっておくと、後々の英語のスピーキング力の伸びが大きく違ってくると思いますし、1冊仕上げたものがあると自信にも繋がります。頑張って下さい。
もちろん、瞬間英作文のトレーニングとともに、オンライン英会話などの実践の場を作るのも有効です。ある程度英語の勉強が進んできたらオンライン英会話の無料体験レッスンなどを利用して、どれくらい自分が出来るようになったのか腕試ししてみるのがおすすめです。実際の英会話で、言いたいことがスッと出てきたりして瞬間英作文の効果が実感出来るとすごく嬉しいですよ。
英会話は最終的には「英会話表現などを仕入れる→実際に使う→言えなかったことや間違ったところを修正する」のくり返しが一番効果的な上達法になりますので、実践の場は出来るだけ早く作りたいですね。
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