大学受験の英語の勉強というと、皆さんまずは基本的な英単語や英文法などを勉強して、英文解釈や英文読解など各種問題集へ進むかと思います。
英文法・語法の勉強では、定番の「ネクステージ、アップグレード、ヴィンテージ、スクランブル」などの網羅型の4択問題集や、桐原の「英文法・語法1000」などを使おうと考えている人も多いと思います。
しかし、これらの英文法語法問題集は大学受験レベルとしては比較的細かいものまで載せてありますので、志望校や現在の自分の学力レベルなども考慮して使うかどうかを決めたほうがいいでしょう。
今回は、ほぼ全ての大学受験生や高校レベルの英文法・語法を勉強したい方におすすめできる良書、駿台予備校の戸澤全崇先生の
「これが入試に出る!英文法・語法問題ベスト400」を以下の全2ページに分けて紹介します。
これが入試に出る!英文法・語法問題ベスト400の特徴・おすすめな点
英文法・語法問題の選定、数が絶妙
『英文法・語法ベスト400』には本当に大学受験生に必須の「絶対に落とせないレベルの頻出問題・重要問題」ばかりが厳選されています。問題形式はほとんどが4択で、たまに正誤問題があります。
厳選されているからといって、到達レベルが低すぎるということはなく、センター試験(大学入学共通テスト)、日東駒専・産近甲龍レベルなら十分ですし、関関同立・MARCHでも戦えます。早慶や上智志望の場合はさすがにちょっと不安なので、基礎固めに使って下さい。
ひとつ確実に言えることは「ある程度以上の大学志望なら、基本的にこの本に載っているレベルの知識は必須という感覚で勉強した方がいい」ということです。これは間違いないでしょう。
英文法・語法というと、学校で配られることも多いネクステージやアップグレード、ヴィンテージ、スクランブルなどの網羅型の4択の問題集(ネクステ系)が人気ですが、これらのネクステ系の問題集を中途半端にやるくらいならベスト400を完璧にした方が確実に英語の力はつきます。断言します。
『ベスト400』は簡単に言うと、「ネクステージのような問題集から、絶対に落とせない英文法・語法を抽出した問題集」という感じですね。本のタイトルの通り400問なので、比較的短期間に完璧に仕上げることが出来ると思います。(具体的な使い方は後述します。)
ネクステージタイプのものをやらないと不安という人は、2冊めにやればOKです。1冊めの『ベスト400』で本当に大事な英文法・語法問題はマスター出来ていますから、ネクステでも被る問題も多いですし、スムーズに勉強が進むと思います。
個人的にはネクステージや英文法・語法1000のような問題集は、
「英語が好き、得意、やる気も時間もある」
というケースを除き、日東駒専や産近甲龍以下の大学志望の人には完全にオーバーワークだと思います。合格者でも、ネクステ系の問題集をしっかりと消化できてる人はほとんどいないイメージですね。
その分、英文解釈や英文読解・長文問題集などに力を入れるのがおすすめです。
大学受験英語 おすすめの英文法、語法問題集 「全解説 頻出英文法・語法問題1000(文法語法1000)」の特徴、使い方!
英文法・語法問題の解説が詳しい
1問につき5行前後の考え方や必要な知識の説明と、問題によっては正答になったもの以外でまとめて暗記すべきものをまとめた表などがあります。
おそらく、この手の問題集の中で解説がトップクラスに詳しいです。ネクステ系に比べて解説が詳しいと昔から言われてきた4択型問題集の代表格「桐原の頻出英文法・語法1000」と同等以上に詳しいと思います。
『ベスト400』の解説で分からない場合は、この英文法・語法問題集を始められるだけの基礎英語力がないからかもしれません。それか、ある程度割り切って覚えてしまわないといけない類の語法の問題だと思います。
『ベスト400』では、問題の解説が分からなくて困るということはあまりないと思います。しかし、もしそういう問題があれば、総合英語や辞書で調べてみる癖はつけておいて下さい。もちろん学校や塾・予備校の先生など、詳しい人に聞いてもいいです。
ベスト400 別冊の英文法・語法のまとめ「要点ハンドブック」が使える
例えば、「asの用法」ってたくさんありますよね。みなさんは全部言えますか?多分、相当英語が得意で、しかも意識して整理してる人じゃないと言えないんじゃないかと思います。
ベスト400にはこのような、意識して覚えておくべき英文法・語法の知識などをまとめた別冊がついています。
「あの単語用法いっぱいあって把握しきれてないな、まとめておくか」という感じで自分でまとめる人も多いと思いますが、そのまとめる作業時間を短縮して覚える時間にまわせるかもしれません。
最近の参考書はあらかじめ誰かがまとめてくれていたりするので便利ですね。最大限に利用させてもらいましょう。
自分でノートやルーズリーフなどにまとめるのは、
「誰かが既にまとめたものや問題集などで、自分が何度も忘れてしまうものやいつも間違えるもの」
にするのがおすすめです。あれもこれもと大事なものをまとめていくと、『ベスト400』の別冊のような誰かがすでにまとめたものと同じようなものになると思います。どうせ自分の手で時間を使って作るなら、自分が本当に集中して覚える必要のあるものだけを集めたまとめを作りましょう。
もっと網羅性のある語法集がほしい人は『英語語法Make it!―図解でわかる語法アイテム付』がおすすめです。
関連記事:『英語語法 Make it!』は「語法が覚えられない人」におすすめの語法参考書、特徴・覚え方を紹介!
上記の特徴により、英文法・語法問題ベスト400は挫折しにくい
これはかなり大きなメリットですね。
人によりますが桐原の『ネクステージ』や『英文法・語法1000』のように1000問近くある分厚い問題集だと、やはり最後までしっかりと仕上げることが出来ないことも多いです。途中で解くのをやめてしまったり、1周しただけで力尽きてしまって内容が全然身についていない、というのでは勉強の効率が悪いです。
また、1000問もあるような分厚い問題集(特にネクステ系の網羅型の4択問題集)は、解説もベスト400に比べたら少し簡潔なものになっていますので、疑問が残ることも多いかもしれません。
ベスト400ならそういうことにはなりにくいですし、何度もくり返して自分の出来ないものだけを抽出して解いていくという作業により、完全にマスターしてしまうのもやりやすいです。ベスト400の内容は常識レベルにしておきたいですね。
英文法・語法問題ベスト400を使うのをおすすめする人
- 高校英文法の必須項目をバランスよく、ひと通り学びたい人
- 解説が詳しい英文法・語法問題集をやりたい人
- 別冊のまとめの内容が気に入った人
- センター(大学入学共通テスト)や、日東駒専・産近甲龍・MARCH・関関同立あたりが志望校の受験生
- 早慶や上智などの比較的難しい英文法・語法問題が出る大学が志望校の人で、がっちりと基礎固めをしたい人
英文法・語法問題ベスト400を使って勉強を始めるための前提条件
高校基礎レベルの英単語・英文法の勉強をひと通り終わらせる
この本は解説は詳しいのですが、問題集ですので各文法項目の説明をゼロからしてくれるというものではありません。したがって、中学レベルの英文法もやばいという状態では英文法・語法ベスト400を使って勉強するのは厳しいかと思います。
「大岩のいちばんはじめの英文法」や「高校英文法基礎パターンドリル」のような本で、まず高校基礎レベルの英文法の学習をひと通り終えてから使うのが効果的です。(完璧でなくてもいいです。)
関連記事:『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』のレビューと使い方!読みやすいおすすめの講義系参考書です。
そして総合英語と英文法・語法ベスト400を使って英文法・語法の知識の肉付けをしていくという流れです。ここで土台をしっかりと固めておくと実力の伸びが違います。
【英語初心者必読】まず最初に勉強するべき必須の勉強3つ【必修基本セット】
「基礎パターンドリル」については「英文法の勉強や瞬間英作文におすすめの問題集「高校英文法基礎パターンドリル」の使い方を解説!英会話や大学受験、TOEICの対策準備にも!」こちらの記事をどうぞ。
ベスト400の疑問点を調べるため、高校総合英語か一般の文法書を用意する
ベスト400に取り組んでいる時、高校基礎文法の学習では出てこなかった項目などに出会うかもしれません。その時に、いつでも調べられるように高校総合英語や普通の英文法書を1冊用意しておきましょう。
高校でもらったForestやEvergreen、ビジョンクエストなどの総合英語があればそれで構いません。新たに総合英語を何か1冊買うなら
- アトラス総合英語
- ジーニアス総合英語
このどちらかがおすすめですね。後発組の良さが出ている本だと思います。個人的には、アトラス総合英語の方をおすすめしたいですね。
関連記事:【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか?『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』
次のページでは、「英文法・語法問題ベスト400」の具体的な使い方・復習の方法、注意点などを紹介します。