連鎖関係代名詞とは?節の挿入?基本的な考え方からwhat使用や 省略パターンまで完全マスター!【英文法の苦手を克服!】

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急に苦手な人が多くなる英文法の難しい単元・項目をピックアップして解説する「英文法の苦手を克服!」の記事です。かなり久々になってしまいましたが、これからも更新していきますのでよろしくお願いします。

He is the man who I thought was your father.
彼は、私が君の父だと思っていた人だ。

今回はこのタイプの英文です。連鎖関係代名詞というのが使われています。難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。

連鎖関係代名詞とは?基本的な考え方を例文で理解!

考え方1…関係詞節に<S+V>が挿入されていると考える

連鎖関係代名詞節とは、簡単に言うと関係代名詞の後ろに<S+V>が挿入されたようにみえる節のことです。最初に紹介した、連鎖関係代名詞を使った典型的な例文を1つ紹介します。

He is the man who I thought was your father.
彼は、私が君の父だと思っていた人だ。

初めて見る場合は「ん? who I thought was ??」となってしまいそうな英文の形かもしれません。実際、私も「先生これ変ですよ、ミスプリントじゃないですか?」と言われたことが何度もあります笑

パッと見た感じ、「 He is the man who was your father. 」の関係詞代名詞「 who 」の後ろに「 I thought 」が挿入されているように見えますよね。なので、このタイプの文を「関係代名詞節+挿入節」のように説明している総合英語や英文法書も多いです。

この「S+Vが挿入されている」という考え方以外にもおすすめの考え方があります。

「~ thought was~」のように、動詞が連続する形はあまり馴染みがなく、変に感じるかもしれませんが、関係詞を使った英文ではたびたび出てくる形ですので慣れておきましょう。

考え方2:普通の関係代名詞の文と同じように考える

連鎖関係代名詞に限らず、慣れるまで関係詞は、「関係代名詞節中の元の位置に戻して、2つの英文に分けて考えてみる」ことがおすすめです。中学レベルの基本が一番大事と言っても良いと思います。

個人的にはこちらの考え方のほうがシックリくるというか、私が連鎖関係代名詞を勉強した時「なんだ、ただの関係代名詞を使った文と同じだな」とすんなり理解することが出来ました。ちょっとやってみましょう。

上記の例文「 He is the man who I thought was your father. 」の関係詞節「 who I thought was your father. 」の先頭にある関係詞「 who 」は元々どこにあったのを一番前に持ってきたのかを考えます。そうすると、

  1. He is the man.
  2. I thought he was your father.

この2つの英文に分けて考える事ができます。「 thought と was の間」が先頭に来る前の「 who 」位置になるんですね。先行詞は「 the man 」なので、関係代名詞「 who 」は元々は代名詞の「 he 」です。

では、次にこの2つの英文を関係代名詞を使って1つの文にしていきます。といっても、今やったことの逆回しです。

例文2の「 he 」を関係代名詞「 who 」に変えて文の最初に持ってくると、「 who I thought was your father 」が出来ます。

「変な形だな」と感じた「 who I thought was 」という形は、単に「 I thought he was your father. 」の代名詞 he を関係代名詞 who に変えて文頭に持ってきたため、関係代名詞とそれに対応する動詞が離れてしまっただけだったんですね。

そして、出来上がった節をそのまま例文1の先行詞「 the man 」の後ろに引っ付けます。

そうすると、最初の例文

He is the man who I thought was your father.
彼は、私が君の父だと思っていた人だ。

が出来上がります。

これって中学で初めて関係代名詞を習った時にやったことと全く同じじゃないですか?たまたま、関係代名詞節になる元の英文が「 I think S’+V’~ 」の形だっただけですよね。

こう考えると連鎖関係代名詞は「 who I thought was って何だ… 」みたいに難しく感じることなく、すんなり理解出来るんじゃないかと思います。

関係詞でちょっと迷ったら「元もとはどういう英文だったのかな?」と考えてみるのがおすすめです。

連鎖関係代名詞という難しそうな名前を使ってみたり、<S+V>が挿入されていると考えてみたりせずとも、中学で習う普通の関係代名詞の文の作り方とほぼ同じ処理をしていると考えるだけでも十分理解が出来ると思います。

自分の好きな説明を選んで理解してもらったら良いです。

「いや、実は中学英語でやった関係代名詞から怪しいんですけど……」という人は復習しましょう。英語を使って何をするにしても、中学英文法に穴があるのは致命的です。

関連記事:『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』をレビュー!中学レベルの英文法参考書はこれ1択。瞬間英作文用の教材としてもおすすめです。

連鎖関係詞節でよく使われる動詞

  • think 
  • believe
  • say
  • hear
  • know
  • find

連鎖関係詞節では、これらの動詞などがよく使われます。「思う」などの思考動詞が多いです。

高校などの英文法の授業では、大体上から3つの動詞のどれかの例文で習うことが圧倒的に多いと思います。

連鎖関係代名詞 what を使ったパターンと関係詞の省略のパターン

連鎖関係代名詞を使った文の中でも、少しだけ応用のパターンを2つ紹介します。応用と言いましたが全然難しくないので普通に読んでもらえれば大丈夫です。

whatを使ったパターン

関係代名詞 what を使ったパターンもあるので慣れておきましょう。こういうのは一度見たことがあるかどうかも結構重要なので紹介しておきます。

よくある例文はこんな感じのものです。

You should do what you think is right.
あなたが正しいと思うことをすべきだ。

ディズニーの『The Hunchback of Notre Dame(ノートルダムの鐘)』でも似たようなセリフがあったと思います。

これも2つの英文に分けて考えてみます。

  1. You should do the thing.
  2. You think it is right.

この2つの英文が合わさったものだと考えることが出来ます。そして、まずは関係詞の文の考え方の基本通り、中学校の英語で習う関係代名詞 which を使って1つの文にしてみます。

上記2の英文「 You think it is right.」の it を関係代名詞 which に変えて文の先頭に持ってくることで「 which you think is right 」とし、それを上記1の英文の先行詞「 the thing 」の後ろに持ってきて繋げます。そうすると、

You should do the thing which you think is right.

このような英文が出来上がります。この英文の太字部分「 the thing which 」は先行詞の意味を含む関係詞 what で表すことが出来ます。そうすると、最初の例文

You should do what you think is right.
あなたが正しいと思うことをすべきだ。

が出来上がりです。ちょっと最初はややこしいかもしれませんが、やってること自体はそんなに難しくはないので何度も読んで理解しましょう。

もし、この記事の説明では分からない場合や「先行詞って何?」という人は、ちょっと基本的なところの復習が必要なので総合英語や各英文法書の「関係詞の導入部分と関係代名詞の what 」を読んでみて下さい。

関係詞の省略のパターン

関係詞が省略されるパターンもあります。関係詞が見えなくなるので、どういう構造の文か分かりづらく感じる人も多いですね。

I saw a man I thought was a friend of my father’s.
私は父の友達だと思われる男を見かけた。

連鎖関係代名詞の様々な呼び方

「この例文の形は見たことあるし習ったこともあるけど、連鎖関係代名詞なんて聞いたことないよ?」という人もいると思います。呼び方が色々あるので、使っていたテキストや教えてもらった先生によって「連鎖関係代名詞」というフレーズが出てこなかったということは十分にあり得ることです。

  • アトラス総合英語では「関係代名詞の後ろに<S+V>がはさみこまれた形」
  • ロイヤル英文法では「関係代名詞+挿入節」
  • 総合英語FACTBOOKでは「複雑な関係詞の文」
  • 一億人の英文法では「ハイレベル wh修飾」
  • 現代英文法講義では「連鎖関係詞節」

とりあえず適当に5冊の総合英語&英文法書を本棚から選んで連鎖関係代名詞についての項目を見てみましたが、本によって呼び方が少し違います。基本的に

  • 連鎖関係~と名前をつけるパターン
  • S+Vが挿入された形
  • ハイレベル、複雑な関係詞というように分けるパターン

大体この3パターンでしょうか。もちろんどれも名前が違うだけです。

文法用語の記事で似たようなことを書きましたが、誰かが付けたただの名前なので、どれが正しい呼び方とかはなく、そんなに気にする必要はないと思います。

おすすめの総合英語『アトラス総合英語』については「高校英文法の参考書は「アトラス総合英語」がおすすめ!瞬間英作文用の教材・例文集としても最適です」という記事で詳しく紹介していますので、参考にして下さい。

連鎖関係代名詞を使った文は英語のネイティブスピーカーの小学生でも普通に話す

日本の英語学習者の中には、少し応用レベルの英文法を使った文を何故か「ネイティブは使わない」と勘違いする人も多いですが、連鎖関係代名詞についても同じです。私も、「こんなのネイティブは使わないんでしょ?」という質問を受けたことがあります。

しかし、連鎖関係代名詞は普通に使われますので、絶対にマスターしておいた方がいいと思いますね。そもそもそんなに難しいものではありませんし。

NHKラジオ英会話の講師などをされている大西泰斗先生も、自身の超有名な著書『一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)』の中でこうおっしゃっています。

This is the video game that most of the kids in my school say is just awesome.
(これ、僕の学校の子たちのほとんどがホントにすごいって言ってるゲーム)

一見複雑なようですが、ネイティブは会話レベルでこれをやります。実際この例文、小学生がふつうに話す文なんですよ。

大西泰斗『一億人の英文法』

最後に

連鎖関係代名詞はその名前などから難しく思っていた人も多いかと思いますが、しっかりと関係詞の基本の考え方がマスター出来ていればすんなりと理解が出来ると思います。難しそうな名前に怯まないようにして下さい。

理解した後は、英文法書などの例文をたくさん瞬間英作文したり、自分でも色々連鎖関係代名詞を使った英文を考えて言ってみたりするなりして、完全に自分のものにしてしまって下さい。

このサイトや英文法書の解説を読んで理解しただけでは十分に使いこなせるようにはならないと思いますし、もったいないです。ぜひ自分で連鎖関係代名詞を自由に使えるように練習しましょう。

関連記事:英文法書や総合英語は通読するべき?辞書として使用するべき?おすすめはどれ?

Kindle版の英文法書を使うと疑問点などを調べる時にかなり便利です。効率よく英語学習を進めることが出来ると思いますので、1冊は持っておいて損はないでしょう。

関連記事:英文法書のKindle版がおすすめ!メリットだらけ&便利すぎるので英語の勉強に活用しよう!

さらに、英語をたくさん読んだり聞いたりして実際に使われている英文に出会うことも大切です。英語学習は質も大切ですが、量も必要です。

関連記事:日本人が洋書を読めない主な理由と、読めるようになるのに必要なこと

連鎖関係代名詞の他にも、不定詞や比較や仮定法など、色々な英文法の苦手を解説する記事を書いていますのでよければ読んでみて下さい。

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