英語を勉強しているみなさんの中には、英語が出来るようになるためには英単語は10000語以上覚える必要があるという話を聞いた人も多いかと思います。
こんなことを言われると「大学受験用の英単語集で2000語覚えるのも大変だったのに…」と絶望してしまうかもしれませんが、英語を勉強する全ての人が覚える必要があるわけではありません。
今回はその辺りの話について、私の考えを紹介しようと思います。
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英単語を10000語以上も覚える必要があるのか
簡単な英会話には10000語を超えるレベルの英単語は不要
まず、そもそも10000語を超える英単語力が自分に必要なのかどうかを考えてみましょう。
10000語以上の英単語力が必要な人は、簡単に言うと「ネイティブ向けの英字新聞や洋書や雑誌などを辞書なしで読めるようになりたい」という人です。あと、そういったメディアで扱われるような難しめの話題のニュースや会話などを理解したい人もですね。
簡単な英会話が出来るようになりたいだけ、という人や、比較的簡単な英語しか出てこない日常系の漫画やアニメ・ドラマなどを楽しむのに10000語を超える英単語力は不要です。もちろん知っている英単語が多ければ多いほど良いのは間違いありませんが、基本的には『DUO3.0』くらいの英単語力があれば十分楽しめるでしょう。
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特に実際の日常英会話ではそんな難しい単語はあまり出てきません。だいたい2000語くらいで日常の会話の90%をカバー出来ると言われています。もし難しい単語を相手に言われた時も、会話では “What’s ○○ mean?”と聞くこともできます。 「簡単な英会話をまず出来るようになればOK」という人は10000語とかのレベルの英単語のことはいったん忘れて、
この『毎日の英単語』のような本を使って日常で使う英単語に絞ってたくさん練習するのがおすすめです。
収録されている英単語たちを見て「なんだこんな簡単な単語。ほとんど知ってるよ」と思う人も結構いると思いますが、これらの基本単語をちゃんと使えるように練習したことのある人って本当に少ないのではないでしょうか。英単語を見て「瞬時に意味が分かるだけ」というのと、「ある程度自分で自在に使うことができる」というのはだいぶレベルに差があります。
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覚える英単語が少なく済む代わりにやった方が良いこと
英単語を覚える量が少なく済む分、他の英語学習に時間を回すことができます。
英会話の定型フレーズの暗記
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英文法を自由に使えるように瞬間英作文などで練習
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オンライン英会話で実践経験を積む
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など、英単語の暗記をしなくていい分、他の英語学習に時間を割いて習熟度を上げていきましょう。上記の他に海外ドラマや英語版のアニメなんかを観るのもアリですね。
他には、英語の基本動詞(get, give, have, make, take,など)を使う練習などもおすすめです。こういう英語の基礎的な部分をガッチリ固めるとかなり英会話が上手くなると思います。自分の英語表現の幅がめちゃくちゃ広がりますよ。
英単語を15000語覚える必要がある人は?
先ほども書いたように、将来ネイティブ向けの洋書などをスラスラ読みたいと思っているのなら10000語を超える英単語力、だいたい15000語くらいの英単語力(できれば20000語)は必須です。これは間違いありません。大学受験レベルの英単語集や『DUO3.0』レベルの語彙力では絶対に足りません。
関連記事:洋書を読むには本当に10000語以上の英単語を覚えることが必要なのか【英語多読・ボキャビル】
大学受験までに覚えた数と同じくらいの英単語をもう一度新たに覚えるだけで、英語学習者としては相当なレベルの英単語力が身につきます。私の経験では、
- 9000語を超えたところから、洋書でも何とか読めそうなものが少しずつ出てきて
- 12000語を超えた時点で、明らかに読めそうな洋書が増えてきたのを実感
- 15000語を超えたくらいから、知らない単語は出てくるものの、何を読むにしてもかなり楽になってくる
こんな感じで読めるものが増えていきました。
他の記事でも書いていますが、英語の語彙力がついてくると本当に見える世界が変わります。さらに、そこから色々なものを多読多聴することで雪だるま式に英語力自体が上がっていくので、英単語を覚えるのに苦労した分の元は余裕で取れます。
関連記事:【10000語レベル以上】市販の英単語集のレベルを超える難単語を覚えるには?【15000語~20000語レベル】
洋書を読む時はKindleアプリで読むと多少知らない単語があっても長押しタップですぐに意味が調べられるので洋書読破のハードルがぐっと下がります。
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ボキャビル系の記事でよく書いていることですが、注意点はとにかく成果を焦らないことですね。たくさん英単語を覚えるのに時間がかかるのは当たり前ですし、覚えた単語を多少忘れてしまうのも当たり前です。長い目で考えて地道に取り組むのがコツです。諦めず少しずつ覚えていけば、15000語レベルの英語の語彙力は必ず身につけることができます。
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最後に
確かに英単語を覚えるのにある程度時間がかかるとはいえ、1度覚えてしまえばそのあと何十年と使えますし、個人的にはお得だと思うのですがどうでしょうか。難しい単語は基本単語に比べて意味が少ないことが多いので意外と覚えるのは楽だったりします。将来的にはネイティブ向けの洋書などをスラスラと読みたいと思っている人は挑戦してみてください。
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一方、そこまで難しい単語は覚える必要ないなと感じる人は、他の部分を強化していきましょう。