今回は、「洋書を読むには本当に10000語以上の英単語を覚えないといけないのか」について書こうと思います。これについては結構気になっている人もいるのではないでしょうか。10000語と聞くと「え?そんなに覚えるの!?」と驚く人もいるかもしれませんね。
洋書を読むのに10000語レベル以上の英単語を覚える必要はあるのでしょうか。
関連記事:洋書初心者がペーパーバックを読めるようになる方法・中学英語からの最短ルート【英語多読】
洋書を読むには10000語以上の英単語力が必要?
まず最初に結論を申しますと、洋書を読むのに10000語レベル以上の英単語は必要です。その一方で、簡単な日常会話にはほぼ不要と言っていいでしょう。
英語のネイティブスピーカーが「英検1級の単語なんて使わないよ」というようなことを言っているのを見聞きしたことがある人もいると思いますが、それは「英会話」には特に不要ということであって、洋書には10000語レベルの英単語が普通に出てきます。したがって、多くの人がとどまるであろう大学受験レベル(7000語レベルくらい)の英語の語彙力で洋書のペーパーバックなどを読もうとするのはかなり無謀だと思います。
例えば、中学レベルの英語の語彙しかない人が、大学入試問題・TOEIC・英検2~1級の英文がスラスラと読めると思いますか?おそらくほとんどの人が「まともに読めないのでは?」と感じると思います。大学受験レベルの英語の語彙力でペーパーバックや洋雑誌なんかを読もうとするのはそれと同じです。
「本当に10000語を超えるレベルの英単語なんてそんなに出てくるの?」と思う人もいるかもしれませんので、私の持っている洋書初心者でも読みやすい本からいくつか例を挙げてみましょう。
私がおすすめしている児童書『The Giver』、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)のMorrie先生がかつての教え子Mitchに行った最後の授業を記録した、Mitch Albomのベストセラー『tuesdays with Morrie』(モリー先生との火曜日)、読みやすい洋書ペーパーバックの定番Sidney Sheldon『ARE YOU AFRAID OF THE DARK』の3冊で、適当にパッと開いたページに「大学受験レベルを超えると思われる英単語」がどれくらいあるかを調べます。
関連記事:「英単語数ってどれくらい必要?英字新聞やペーパーバックを読むには?英単語学習のおすすめの考え方、勉強法」
『The Giver』 Lois Lowry
88~89ページの見開きで、
- hippo(SVL外、weblio14)
- fretful(SVL外だがfretはSVL10、weblio24)
- abuzz(SVL外、weblio外)
- admonition(SVL12、weblio11)
- feathery(SVL外、weblio14)
英語のネイティブ向け児童書でもパッと開いた2ページでこれだけ10000語レベル以上の単語が出てきます。
とはいえ、1ページあたりに2~3語な上、hippoはhippopotamusの短縮形、featheryも何となく予想が付く人も多いかと思いますので、9000語レベルまでの英単語を扱っている『DUO 3.0』を覚えたくらいの人が英語多読で読む洋書の候補としてはアリな水準です。
関連記事:【英単語集】『Duo3.0』のレビューと使い方!9000語レベルまではこれ1択!おすすめの単語集です。
関連記事:【英語多読】おすすめの洋書・児童書、定番シリーズを含む面白い本を10選!
『tuesdays with Morrie』 Mitch Albom
94~95ページの見開きで
- squint(SVL11、weblio11)
- hazel(SVL外、weblio13)
- pamper(SVL11、weblio11)
- inwardly(SVL外、weblio13)
- reenact(SVL外だがenactはSVL10、weblio16)
- ingest(SVL外、weblio13)
inwardlyはinwardから予想出来る人も多いでしょう。
読みやすいと言われる『tuesdays with Morrie』でも、これだけ10000語レベル以上の英単語が出てきます。一般書籍だけあって、児童書の『The Giver』と比べても難しい単語が多いですね。
『ARE YOU AFRAID OF THE DARK』 Sidney Sheldon
180~181ページの見開きで
- viselike(SVL外、weblio28)
- hysteria(SVL10、weblio10)
- muzzle(SVL12、weblio11)
- excruciating(SVL外、weblio外)
- captor(SVL外、weblio13)
- burly(SVL11、weblio11)
- bastard(SVL10、weblio11)
- pervert(SVL10、weblio11)
hysteriaは予想が出来ますかね。
見開きと書いていますが、これらの英単語は全て181ページに出てきています。10000語未満のレベルで英単語力が止まっている人だと、1ページ内にこれだけの知らない単語が出てきてしまいます。いくら読みやすい英語の大衆小説と言われるシドニー・シェルダンの作品でも、これではまともには読めないでしょう。
SVL12000『究極の英単語vol.4』のカバー率の優秀さ
アルクの英単語リスト「SVLレベル10~12(究極の英単語vol.4)」をしっかり覚えていれば、今回挙げた中のかなりの数の英単語をカバーできることにお気づきでしょうか。
先ほどのシドニー・シェルダンの作品も、SVLを覚えていれば未知語の数が8から3まで減ります。1ページに3語の未知語は読書を楽しむには(人にもよりますが)許容範囲と言ってもいいでしょう。
SVLだけではもちろん完璧に未知語をカバーすることは出来ませんが、洋書を読む上で相当楽になるということは間違いありません。
知らない英単語は辞書で調べながら洋書を読めばいい?
「単語集やリストで覚えるんじゃなくて、分からない単語が出てきたら調べれば良いのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、先ほど挙げた例の「中学レベルの英単語しか知らない人」が大学入試の英文で何回辞書を引かなければいけないかを考えるとあまり現実的ではないでしょう。
ペーパーバックの最初の数ページにビッシリと英単語の意味が書き込まれたものを古本で目にしますが、この方法で最後まで読み通すのは難しいでしょうし、読書も楽しめてはいないと思います
Kindle版の洋書を読んでいる人は長押しタップで英単語を調べることが出来るので負担はかなり減りますが、それでも1ページで何回も何回も調べないといけない場合は読書がほぼ中断された状態になると思います。
関連記事:【英語多読】Kindleで学習英英辞典を使って英単語を調べる方法
というわけで、やはり私は「ある程度のレベルまでは英単語集やリストも使って覚えてしまう」ことをおすすめします。もちろん、平行して自分のレベルにあった英語多読もしましょう。
ある程度の英単語力がついてきたら、下の記事で紹介しているような「洋書で英語多読をしながら語彙を増やしていく方法」にシフトしていくと良いでしょう。
関連記事:英語多読での英単語の覚え方!洋書を使った効果的なボキャビル方法を紹介します。読むだけでは語彙は増えません。
最後に
普通の洋書をスラスラと読みたいなら、やはり英単語力のアップは欠かせません。今回は洋書を適当に開いたページで検証しただけなので、どのページにもあの割合で10000語以上の単語が出てくるというわけではありませんが、参考にはなるのではないかと思います。
あと、SVL12000の優秀さが分かります。大学受験レベルの単語集や英検準1級用の単語集や『Duo3.0』の次は『究極の英単語vol.4』(SVLのレベル10~12)を覚えれば基本的には間違いないでしょう。読める洋書の幅がグンと広がります。
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