「苦手な人が急に増える英文法の難しい単元・項目」を主に解説していくシリーズ、今回は
についてです。
「うわー出た!これ苦手」と思った人も多いんじゃないでしょうか。では用法を整理して、覚えようとしてみたことがある人はいますか?人によっては「almost all of はOK、almost of はダメ、most of は…」と全パターンの用法の○×をゴリ押しで覚えたという人もいるかもしれません。
しかし、よくわからないままの全パターン暗記は、ちょっと記憶があやふやになってしまうと途端に「あれ、どっちだっけ?」と自分の知識に自信がなくなってしまいます。
「 almost と most 」の話は、いったん理解してしまうとなんてことなかったりしますので、苦手意識を持たずに一度整理してみましょう。
それでは、almost と mostの紛らわしい用法についてみていきましょう。
なぜ almost と most の違い・使い方は分かりづらいのか
- almost students
- almost of students
- almost of the students
- almost all of students
- almost all of the students
- almost all students
- almost all the students
- most of students
- most of the students
- most students
どうですか、「almost, most」を使ったこれらのフレーズの正誤判定がパッと出来ますか?多分、人によっては「やめてくれー」ってなりますよね(笑)
almost, most の違い・使い方が分からない!という人は、どちらの単語も「ほとんどの」という日本語だけで覚えていて品詞を全く意識していない、または品詞自体を理解していないのが主な原因かと思います。特に almost の使い方が難しいと感じている人が多いイメージですね。
英単語のつづりも似ていますし、他の英単語との組み合わせもけっこう似ています( almost all of と most of など)ので、上記のようなざっくりとした理解では混乱してしまうことも多いでしょう。 the の有無なども少し細かく感じるかもしれませんね。
almost most の違い・使い方を理解するための重要ポイント
- almost は副詞
- most は代名詞、形容詞
実は、今日の話はすごく簡単に言うとこれでほとんど終わりです(笑)。英文法用語がしっかりと理解出来ている人なら、このポイントだけで「 almost と most の違いはもう分かった。」となると思います。
このように品詞をちょっと意識するだけで理解が楽になったりしますので、英語文法用語は実は便利なものなんですよ。
almostの意味・使い方
almost は副詞です。したがって、代名詞のように使う 「almost of 」の形や、形容詞のように使う「almost 名詞」の形では使えません。
「almost of はダメ!」特に間違いやすいこの点はよく頭に入れておきましょう。
「ほとんどの」という意味で almost を使う場合は「almost all」のように all の前に置いて使います。 all と一緒に使うので意味も「ほとんど全ての~」となります。この使い方は、副詞である almost が allを修飾しているのでOKということです。all だけでなく他にも、every や always などと一緒に使うことも出来ます。
almost の使い方は最初は難しいと感じるかもしれませんが、しっかり理解して覚えて下さい。
mostの意味・使い方
代名詞 most
most of の形で使う場合、most は代名詞です。これは「(特定・限定されたなかでの)~のほとんどの」という意味になります。
ここで大切なのは、「特定されたなかでの」の部分です。「特定されている」というのは、例えば先ほどの例「most of the students in my class」のようなものですね。これはグループが「クラスの」に特定されていますよね。したがって「 most of 」の後の名詞の前に、特定されたものに使う定冠詞 the が必要になります。
また、「 most of my students 」のように、the の他に所有格や、「 this, that, these, those 」 でもグループは特定・限定出来ます。
つまり、 most of の形で使う場合は、名詞の前に the や所有格、this, that, these, those のような「限定詞」が必要ということです。
形容詞 most
most のもう一つの用法は形容詞です。形容詞ですので、後ろに名詞を置き、「(一般的に)ほとんどの~」という意味になります。代名詞の用法と違って、グループは特定されていません。
almost と most の違い・使い方 理解度チェック
- almost students
- almost of students
- almost of the students
- almost all of students
- almost all of the students
- almost all students
- almost all the students
- most of students
- most of the students
- most students
この記事の内容を理解出来ているかを、先ほども出てきた10の例で確認してみて下さい。
これらの正誤がはっきりと分かりましたか?
正しい形は5、6、7、9、10です。
分からない場合は、この記事の説明を読み直してみて下さいね。all がらみで間違えた人もいるかもしれませんね。
また、ここで「ん? almost all of the ~ って all は名詞じゃないの?」と思った人は良いところに目をつけていると思います。この場合は almost は all の「すべて」という形容詞的な意味を修飾していると考えることが出来ます。だからこの使い方が許されるんですね。
この理屈で all の他にも、例えば「 almost everyone 」のような使い方も出来ます。これは every の部分を almost が修飾していると考えて下さい。他に everything やanything などでも同じ考え方が出来ます。
「 almost は副詞だが、all, every-, any-, のような形容詞の特性を持った名詞を修飾する使い方はOK」ということです。
最後に
今回は、「 almost と most 」の意味・使い方について整理、説明しました。これは本当に苦手な人が多い英単語ですが、実際はそこまで難しいものではないと思います。「なぜ almost of はダメなのか」みなさんはもう説明できますよね?
一度、英和辞書や英英辞書でこの2つの英単語を引いてみると更に理解が深まるのでおすすめです。
関連記事:英文法書や総合英語は通読するべき?辞書として使用するべき?おすすめはどれ?
英語をたくさん読んだり聞いたりして、実際に使われている英文に出会うことも大切です。
関連記事:日本人が洋書を読めない主な理由と、読めるようになるのに必要なこと
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