みなさん、英語を勉強する時に、高校総合英語や英文法書を使って勉強していますか?英文法で分からないところなどを辞書的に調べたり、単元ごと読んだり、通読したり色々な使い方が出来ますよね。
最近、これまで高校生向け英文法書の定番として長年君臨していた「総合英語Forest」が絶版になりました。(今はいいずな書店から総合英語Evergreenと名前を変えて出版されています)
そして、「一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)」や「ネイティブスピーカーの シリーズ」で有名な大西泰斗先生の「総合英語FACTBOOK」が出版されています。(学校専売ですが、私は2018年5月の紀伊國屋のフェアで買いました)
高校レベルの英文法の説明が載っている「高校総合英語」という種類の参考書って、本当にたくさん本屋にあって迷いませんか。
高校で配られたりもしますが、「フォレストの方がいい」「ハーベストが良いらしい」「いや、ヴィジョンクエストだ」なんて噂を耳にして買い直したりする人も多いですよね。
今回は、
「英文法を勉強する時に使う総合英語を何か買おうと思うんだけど、どれ選べばいいの?」
という人のために、おすすめの高校総合英語
「アトラス総合英語」を紹介します。
関連記事:【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか?『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』
アトラス総合英語の特徴・おすすめな点
ロングマン辞典編集部監修・コーパス参照による自然な収録英文が豊富
今はどの総合英語でも英文校閲は必ずされていると思いますが、ロングマン辞典編集部監修とロングマンコーパス参照だと安心できますよね。
総数3000を超える大量の収録例文から、自分の必要なもの、苦手なものなどをどんどん日本語から英語に直せるようにしていきたいところです。
パッと本を開いてすぐに感じるのは「結構例文多いな」ということですかね。全部で3000以上載ってるようです。
本編のページ数が約600ですので、単純計算でも毎ページ5つの例文が載っていることになりますね。実際は偏りがありますから、実感としてはもっと多く感じますね。
「一億人の英文法」の著者である大西泰斗氏の「総合英語FACTBOOK」などと比べても、アトラス総合英語は明らかに例文の量が違います。文字の大きさもアトラス方がちょっと小さめかなと思います。
アトラス総合英語は大学受験用の文法書ではトップクラスの情報量
アトラス総合英語は例文もそうですが、そもそも本に載っている情報量がかなり多いです。著者の佐藤誠司氏の説明を引用させていただき、1つ例をあげさせていただきます。
たとえば「toに続く動名詞」は,大学入試では定番の知識です。どの参考書にも,次の2つは必ず載っています。
- look forward to ~ing (~するのを楽しみに待つ)
- be used [accustomed] to ~ing (~することに慣れている)
一方アトラスでは,これらに加えて次の表現も示しています。
- get used [accustomed] to ~ing (~することに慣れる)
- devote O to ~ing (Oを~することに向ける[捧げる])
- object to ~ing (~することに反対する)
- prefer A(~ing) to B(~ing) (BすることよりもAすることを好む)
- when it comes to ~ing (~すること[話]になれば)
- What do you say to ~ing? (~するのはどうですか)
これらを加えた基本的な理由は,「大学入試に出る」からです。アトラスは「入試に出る知識は全部載せる」ことを基本方針としています。したがって,類書に比べると情報量がかなり多くなっています。
引用元:佐藤誠司「アトラス総合英語 著者からのメッセージ」
このようにアトラス総合英語は「覚えるべきものは全部載せる」という点を重視しているようです。上記の例なんかは、ネクステなどの文法語法問題集で初めて出会って覚える人も多いと思います。それが総合英語であるこの本に載っているわけですね。
読み比べてみれば分かりますが、基本的に同じ出版社から出ている総合英語 Forest(今は総合英語 Evergreen )よりもたくさんの情報が載っています。網羅性が高いと言っても良いでしょう。
これらは、「総合英語(文法書)を読み込むこと」を勉強のメインにするタイプの人や、辞書のように使い倒したいにとってはかなりありがたいと思います。
4技能に役立つTIPSや、無駄な項目をなるべく排除した作り
書き言葉、話し言葉、フォーマル、インフォーマルなどの区別をしっかりと書いてくれていたり、あまり使われない無駄な知識はなるべく排除した作りとなっています。
Target例文の英文構造の図解・豊富なイラストと例文、簡潔な説明で分かりやすい
アトラスは「出来るだけ労力をかけずに、必要な知識をみにつける」という点を重視されているそうです。
この場合の「労力をかけずに」とは「文字による説明の量を減らす」ということだと著者の佐藤誠司氏はご自身のHPにておっしゃっています。
ここが今までの定番だった「 総合英語 Evergreen (旧 Forest) 」との一番大きな違いで、Evergreen (旧Forest )は文字による英文法の説明がかなり丁寧にされています。
しかし、アトラスは図やイラストとともに簡潔な説明になっていることが多いです。(説明不足という意味ではありません)例文もかなり多いです。1冊で3000以上の例文が収録されています。
そのため、ひとつひとつの項目をスイスイと読み進めていくことが出来ると思います。詳細な日本語の説明文を読んだりするのが苦手な人は、アトラスの方がおすすめですね。
文字の説明だけでは分かりにくい前置詞のコアイメージなどは、しっかりと図・イラストも使って分かりやすく説明されています。
「一億人の英文法よりもおすすめ?!「英単語イメージハンドブック(大西泰斗 著)」を紹介!英文法も勉強できます」こちらの記事で詳しく紹介しています。
アトラス総合英語の著者サイトで高校レベルを超えた英文法も勉強出来る
アトラス総合英語の著者である、佐藤誠司氏はHPを持っていらっしゃいます。
「大人の英文法」というページでは総合英語や高校で習うような英文法とはまた違った説明や、あまり触れないであろう項目の説明などがされています。かなり勉強になりますよ。
アトラス総合英語は各英文法項目のまとめ長文が、高校レベルの瞬間英作文などにかなり使える
私が総合英語でアトラスをおすすめする大きな理由はこれです。正直なところ、文法項目の説明自体は最近の総合英語や文法書なら、どれも似たようなものになっています。
知っておきたいニュアンスの違いや英単語の基本イメージの図などはもう定番ですよね。
少なくとも、「読むと害になる、読まない方が良い」総合英語はないんじゃないかなと思います。私も調べたりする時に何冊も総合英語や文法書を開きますが、どれも参考になります。
高校総合英語では暗記用例文集が別についてくるものも多いですが、その多くは短文です。もちろん、短文の普通の例文集も勉強になります。しかし、アトラスは「Using Grammar in Context」という、
- ロングマン辞典編集部監修・コーパス参照の自然な
- まとまった英文の形(会話・ディベートなどの長文)で
- 高校レベルの英文法項目をまんべんなく
確認出来るものが各ユニットの最後についてくるんですよね、これはかなり使えます。もちろん英語音声付き。これだけのためでもアトラス総合英語は買う価値がありますよ。
この「Using Grammar in Context」の部分を使って何度も英語音声を聴きながら音読して高校英文法の総復習をしたり、自由に使えるようにするための瞬間英作文用の教材にするのもかなりおすすめです。
さらに、「Using Grammar in Context」には、英文法のポイントとなる文の上に本編の例文番号がふってあります。したがって、もし出てきた英文に使われている文法が分からない場合などは、すぐに本編に戻って英文法解説を読むことが出来ます。
使われている英単語もほぼ中学英語 + α という感じですので、英文法の勉強に集中出来るよう配慮されています。
そのため、「高校レベルの英文法の総復習をしたい」という人はいきなりこの Using Grammar in Context のページの英文を読むことから始め、分からないところを本編の解説で補強するという使い方ができます。
この勉強法はある程度、高校レベルの英文法が頭に入っている人にとってはかなり効率が良いと思います。
音声スピードはゆっくりなので、慣れてきたら1.2倍くらいで聞くのをおすすめします。
アトラス総合英語を使うのをおすすめする人
- 高校レベルの英文法の瞬間英作文用教材・例文集を探している人
- 大学受験に必要な知識の網羅性が高い高校総合英語が欲しい人
- 高校英文法の総復習を手軽にしたい人
- 英単語などのイメージ図・イラスト + 簡潔な解説で勉強したい人
- 例文が多い高校総合英語がほしい人
もちろん、文法語法問題集の分からないところを調べたりするのにも役立ちます。
おすすめの文法問題集については以下の記事をどうぞ
- 英文法の勉強や瞬間英作文におすすめの問題集「高校英文法基礎パターンドリル」の使い方を解説!英会話や大学受験、TOEICの対策準備にも!
- 大学受験英語 英文法・語法問題ベスト400 基礎固め~標準レベルのおすすめ問題集の特徴と使い方!ある意味ネクステよりも…
最後に
今回は、私のおすすめする高校総合英語「アトラス総合英語」を紹介しました。この参考書は本当におすすめですので1冊持っておいて損はないと思います。
特に、「 Using Grammar in Context 」という、各文法項目のまとめ長文を使った高校レベルの瞬間英作文はぜひやってみてほしいですね。とても効率よく高校レベルの英文法を叩き込むことが出来ると思います。
中学レベルの英文法を習得するための瞬間英作文でおすすめの教材「毎日の英文法」についての紹介、使い方は「瞬間英作文 「毎日の英文法」効果抜群のおすすめ教材・英会話例文集の特徴・使い方!」という記事を書いていますので、参考にして下さい。
瞬間英作文についてはこちらの「カテゴリ:英会話・瞬間英作文・スピーキング」の記事一覧ページに紹介記事を書いています。
- 完了不定詞と時の組み合わせ(seem to have been などの話)
- 原形不定詞 使役動詞 make, let, have, get の違い
- 不定詞 be動詞 + to do
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などの「急に苦手な人が増える英文法項目の解説記事」も興味があればどうぞ。
「英語で書かれた参考書で英語を勉強したい」という人はこちらの記事も参考にしてください。