英語を勉強していると、
「英単語や英文法はそこそこやったはずなのに、なんか読めない英文が多いなー」
このように感じることもあるかと思います。読めない理由は色々と考えられますが、英文解釈の参考書を1冊やってみると世界が変わるかもしれません。
今回は、おすすめの英文解釈の参考書、
元代ゼミ、現東進ハイスクール講師の西きょうじ先生の「ポレポレ英文読解プロセス50」を紹介します。私も大学受験生の頃に何度も読みましたし、その後も何回か読んでいます。個人的に、伊藤和夫先生の『英文解釈教室』とともにお気に入りの英文解釈の参考書です。
1993年の出版と結構古い本なのですが、今も定番の英文解釈の参考書として使われているため、この本に載っている英文(特にライオンマーク)の質問を受けることも多いですね。
パッと見では英文の構造が分かりづらい英文が出る大学を受ける受験生はもちろん、難しい英文が出てくる本などを読みたい大学生や社会人の人にもおすすめ出来る良い参考書だと思います。
ポレポレ英文読解プロセス50の特徴
「全ての英文に通じる、絶対に必要な基本プロセス」を50題の英文に取り組むことで、英文解釈の力を効率的に身につけることが出来ます。
「なぜそういう読み方になるのか」という部分の説明がかなり手厚くされています。
全部で約130ページという、英文解釈の参考書としてはかなりコンパクトで薄い本です。(内容は濃いですが)
本の基本的な構成は「左ページ上部に英文その後2~3ページを使い解説、訳例、大学入試での出題例の紹介」となっています。たまに、<参考>として補足の説明や例文などの紹介がしてあります。
ポレポレ英文読解プロセス50のおすすめな点
英文読解プロセスの過不足のない解説や構文解析図
基本的な英文法が分かっていれば特に問題ない部分の解説は可能な限り省き、読みにくいと思われるところを選んで「どういう頭の働かせ方をして読んでいくか」をスパッと解説してくれる感じの本です。
修飾関係や省略、接続詞が繋いでいるものなどを表す、英文の構造図もかなり分かりやすいですね。
ポレポレは最近の本に多い「なんでもかんでもゼロから丁寧に解説をする」という類のものではありませんし、比較的難易度の高い英文も載っています。したがって、ある程度の英語の基礎力が要求されます。
ポレポレを使って勉強が出来るかどうかのある程度の目安ですが、この本の解説を読んで分からない場合は、英語の基礎力が不足しています。
解説を読んでもさっぱり分からない場合は、一度この参考書のことは忘れて、語彙や英文法の基礎を固めた方が結果的には効率的な学習になるでしょう。
重要なのは解説が理解できるかどうかです。解説が理解出来るのならこの本を読み進めて大丈夫です。
コンパクトな割に到達点が高い
厳選された英文、過不足のない最小限の切れ味の良い解説が特徴ですので、全130ページとかなりコンパクトな本となっています。
しかし、この1冊の内容と考え方を徹底的にマスターすれば、大抵の英文は構造が分かるようになっているはずです。
例えば大学受験では、京都大学や大阪医科大学のような難しい英文和訳が出る&受験生のレベルも高い大学では少し不安は残りますが、それ以外では問題なく対応出来る英文解釈の力がつくはずです。
ポレポレは最小の努力(量)で最大限の効果を得られる、かなり学習効率の良い英文解釈の参考書だと思います。この本で学習するレベルの英文解釈力が身についた後は、あとはもうたくさん英語を読むことにシフトしていけばOKです。
この『ポレポレ』が難しすぎると感じる人は、こちらの『大学入試 肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本』で英文解釈の基礎を固めるのがおすすめです。
関連記事:『肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本』のレビューと使い方【おすすめの英文解釈参考書】
ポレポレ英文読解プロセス50のおすすめの使い方・復習のやり方
ここからは、「ポレポレ」を使った具体的な英文解釈の勉強の仕方、復習のやり方を紹介します。
ポレポレ英文読解プロセス50の具体的な使い方・勉強方法
- 英文を読む(解説・訳例は隠す)
- 英単語・文法を調べてもう一度読む
- 訳例を見て自分の解釈との違いを把握し、読解プロセスの解説を読む
- 解説の中で分からない文法事項などが出てきたら、総合英語や文法書で調べる
- 解説と違う頭の働かせ方・読み方をしていた部分を修正する
- 解説を完全に理解したら、もう一度英文を読む
- 3~6をくり返し、解説と同じような読み方が出来るようにする
- 英文を「左から右に一度読むだけで、スラスラと構造・意味が把握出来るまで」何度も読み込む
※ライオンマークは難しければ最初は解説を読む程度で飛ばしても構いませんが、後で必ず自力でやって下さい。結構難しいと思う人もいると思いますが、解説と英文を何度も何度も読んで食らいついていって下さい。
復習も必ずして下さいね。
- 50の英文全てが終わったら1から50まで順番に、スラスラ読めるか確認する
- スラスラ読めなかった英文には付箋を張っていき、上の「使い方の3~8」をくり返し、50番目まで読む
- 付箋をはってある英文だけ読んで復習する
- 最後に1~50まで何度も読む
英文解釈の勉強では和訳を書いた方がいいのか
英文解釈の勉強の質問でよくあるのが「和訳は書いたほうが良いですか」というものです。個人的には、和訳は無理に書かなくてもいいと思います。書きたかったら書くという感じで構いません。
しかし、「和訳しなくていい=和訳できなくていい」ではありません。
和訳して下さいと言われたら問題なく和訳出来るレベルにはなっておきましょう。英文の内容が完璧に理解出来ていれば、その内容を母語で説明することはそれなりに出来るはずです。
しかし、「うまい日本語訳」となると、英語の読解力だけでなく日本語の能力なども関係してきますので、また話は変わってきます。こちらは別途練習が必要になりますね。
和訳を書く必要がある人(大学受験の英文和訳など)は、たまに紙に自分の訳を書いてみることをおすすめします。
ポレポレ英文読解プロセス50を使って英文解釈を勉強する際の注意点
- 高校英文法の勉強がひと通り終わっていることが必要
- 副詞や句、節などの英文法用語の意味が最低限分かることが必要
- 疑問点を調べるための高校総合英語、文法書を用意しておく
- 1番目の英文から順に進めていく
- ライオンマークの英文は最初は解説を読むだけでもいいが、後で必ずやる
英文法の疑問点を調べたりする時に使うのにおすすめの「アトラス総合英語」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
最後に
今回は、ポレポレ英文読解プロセス50を紹介しました。この参考書はボリュームも難易度も良い感じのバランスですので、今まで英文解釈本をやったことがない人はぜひ一度読んでみて下さい。かなり勉強効率・コスパが良い本だと思います。
ある程度の英語力がある人ならすぐに読み終わりますし、「英文は何となくフィーリングで読んでいた」という状態から脱出出来ると思います。(フィーリングで読んでいると言う人の中には、実際はほとんど読めていないという人も多いので気をつけて下さい)
この本に載ってるレベルの英文がスラスラと読めるようになると、自分が読める本の選択肢がかなり増えるはずです。そこからはもうひたすら英文を読みまくることで更にレベルアップすることが出来ます。
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