今日は関係代名詞についてです。中学レベルの英文法の山場と言っていいかもしれません。
「先行詞」「主格・目的格」と言われても、何のことかよく分からない。関係代名詞が使われている英文を見ると、どこをどう考えればいいのか迷ってしまう。そんな人も多いのではないでしょうか。
この記事では、関係代名詞の文を「元の2つの文に分けて考える」方法で、仕組みを基本から分かりやすく解説します。私が関係代名詞を教える時にいつも使っている説明の仕方です。
who・which・that・whose の使い分け、主格・目的格の見分け方、よくある間違いも例文で紹介します。最後に確認問題も用意したので、腕試しに使ってください。
関係代名詞は難しく感じるかもしれませんが、落ち着いて基礎からじっくり学べばきっとマスターできるはずです。
関係代名詞とは?名詞をうしろから説明する「つなぎの言葉」
関係代名詞とは、名詞に、うしろから文で説明を加えるときに使う言葉です。
who・which・that・whose などがあります。
説明される名詞のことを先行詞といいます。「関係代名詞より先に行く(前に置かれる)詞(ことば)」ということですね。
- I have a friend who lives in Canada.
(私には、カナダに住んでいる友だちがいます。)
この文では、a friend が先行詞(説明が加えられている名詞)です。そして、who lives in Canada が、ひとかたまりとなって先行詞の後ろにくることで、どんなa friend なのかを説明しています。
日本語では「カナダに住んでいる友だち」のように、説明が名詞の前に来ます。英語では反対に、説明を名詞のうしろに置きます。関係代名詞は、名詞のうしろに説明をくっつけるための「つなぎの言葉」だと考えてください。

関係代名詞は「2つの文に分ける」と分かる
関係代名詞の文は、もともと2つの文だったものを1つにまとめた文です。逆に言えば、元の2つの文に分けて考えると、仕組みがはっきり見えます。
次の2つの英文を、関係代名詞を使って1つの英文にまとめる手順で見ていきましょう。
- The girl is my sister.(その女の子は私の妹です。)
- You met her yesterday.(あなたは昨日、彼女に会いました。)
手順1:2つの文で考える
まず、1つ目の英文には説明したい名詞(あとで先行詞になる語)があります。2つ目の英文は、その名詞を説明するかたまりになる英文です。
手順2:先行詞と同じものを表す語を探す
次に、2つの英文の中から、同じものを表している単語を探します。今回は、1つ目の英文の the girl と、2つ目の英文の her が同じ人を指しています。
関係代名詞でつなげる2つの文には、先行詞と同じものを表す語が必ずあります。まずはこれを確かめることが大切です。この部分がしっかり理解できれば関係代名詞は怖くありません。

手順3:その語を関係代名詞に変えて、先行詞のうしろにくっつける
最後に、2つ目の文の her を関係代名詞に変えて、1つ目の文の先行詞にくっつけます。この手順は、次の3つに分けると分かりやすくなります。
- 変える:her を関係代名詞の who に変える
- 先頭へ動かす:who を2つ目の文の先頭に持ってくる(who you met yesterday)
- くっつける:できたまとまりを、先行詞 the girl のすぐうしろに入れる
- The girl who you met yesterday is my sister.
(昨日あなたが会った女の子は、私の妹です。)

同じものを探す画像の②は、多くの人がすぐにできます。つまずきやすいのは、この③~④です。
今回の例のように、her が文の途中にある場合は、先頭へ動かすことを忘れがちです。動かしたあとは、もとの her があった場所は空いたままになります。who you met yesterday のように、metの後に目的語がこなくなるので変な感じがするかもしれませんが、これであっています。すぐに慣れます。
who・which・that・whose の使い分け(先行詞と格で選ぶ)
どの関係代名詞を使うかは、先行詞が人かものかと、消えた語の元の英文での働き(格)の2つで決まります。
| 格(消えた語) | 先行詞が人 | 先行詞がもの・動物 |
|---|---|---|
| 主格(he・she・it など) | who・that | which・that |
| 目的格(him・her・it など) | who(m)・that | which・that |
| 所有格(his・her・its など) | whose | whose |
格とは、英文の中でのその語の働きのことです。主語の働きなら主格、目的語(〜を・〜に)なら目的格、「〜の」なら所有格です。
2つの文に分けたときに消えた語が he なら主格、him なら目的格、his なら所有格です。2つの文に戻せば、どの関係代名詞を使うかは自然に決まります。
主格の who・which・that:消えた語が主語のとき
- I have a friend. He lives in Canada.
→ I have a friend who lives in Canada.
(私には、カナダに住んでいる友だちがいます。) - This is the bus. It goes to the station.
→ This is the bus which goes to the station.
(これは駅へ行くバスです。)
消えた He・It は、2つ目の文の主語です。主語はもともと文の先頭にあるので、先頭へ動かす必要はありません。そのため主格は、3つの格の中で一番分かりやすい形です。
先行詞が人なら who、ものなら which を使います。that は、人にもものにも使えます。
目的格の who(m)・which・that:消えた語が目的語のとき
- The girl is my sister. You met her yesterday.
→ The girl who you met yesterday is my sister.
(昨日あなたが会った女の子は、私の妹です。) - This is the book. I bought it last week.
→ This is the book which I bought last week.
(これは私が先週買った本です。)
消えた her・it は、met・bought の目的語です。目的語は動詞のうしろにあるので、関係代名詞に変えたあと、先頭へ動かす必要があります。つまずきやすいのは、この目的格です。
先行詞が人のときの目的格は、教科書では whom という単語も習うでしょう。whom は主に書き言葉や改まった場面で使われます。会話では who や that を使うか、関係代名詞を省略するのがふつうです。
所有格の whose:消えた語が所有格の代名詞のとき
- I have a friend. His father is a doctor.
→ I have a friend whose father is a doctor.
(私には、お父さんが医者をしている友だちがいます。)
whose は、his・her・its・their などの「〜の」の代わりに使います。そのため、whose のすぐうしろには必ず名詞(ここでは father)が来ます。
whose は、人以外の先行詞にも使えます。ただし、ものに使うのは改まった場面がほとんどです。会話では、別の言い方をすることが多いでしょう。
- I live in a house whose roof is red.
(私は屋根が赤い家に住んでいます。) - I live in a house with a red roof.(会話ではこちらが自然)
主格・目的格・所有格の見分け方:すぐうしろを見る
英文を読むときは、関係代名詞のすぐうしろに何が来るかを見ると、格を見分けるヒントが得られます。
| すぐうしろ | 格 | 例 |
|---|---|---|
| 動詞 | 主格 | a friend who lives in Canada |
| 主語+動詞 | 目的格 | the girl who you met yesterday |
| 名詞 | 所有格 | a friend whose father is a doctor |

迷ったときは、2つの文に分解して考えてみてください。消えた語が主語なのか目的語なのか、「〜の」なのかが分かれば、格もはっきりします。
関係代名詞 that の使い方:that が好まれる場合・使えない場合
that は、先行詞が人でもものでも使える便利な関係代名詞です。who・which より、くだけた言い方とされています。
that がよく使われる場合
先行詞に最上級(best など)や、everything・all などが付くときは、that がよく使われます。
- This is the best movie that I have ever seen.
(これは私が今まで見た中で一番いい映画です。) - Thank you for everything that you did for me.
(私にしてくれたすべてのことに感謝します。)
that が使えない場合
- カンマの付いた関係代名詞(非制限用法):that は使えない(このあとの「もう一歩先へ」で説明します)
- 前置詞のすぐうしろ:in that のようには言えない。in which にするか、前置詞を文の最後に置く
that には、関係代名詞のほかにも接続詞や指示代名詞などの使い方があります。まとめて確認したい人は、that の用法・意味のまとめ、解説!【英文法の苦手を克服!】を読んでみてください。
目的格の関係代名詞は省略できる
目的格の関係代名詞は、省略することができます。会話では、むしろ省略するほうが多いくらいです。
- This is the book (which) I bought last week.
(これは私が先週買った本です。) - The girl (who) you met yesterday is my sister.
(昨日あなたが会った女の子は、私の妹です。)
主格の関係代名詞は、ふつう省略できません。I have a friend lives in Canada. とは言えないので注意しましょう。
省略された文は、名詞のうしろにいきなり「主語+動詞」が続く形になります。the book I bought のような形を見たら、名詞と主語のあいだに関係代名詞が隠れていると考えてください。
よくある間違い:消えるはずの語を残してしまう
関係代名詞の文でよくある間違いは、関係代名詞に変えたはずの語を、うしろに残してしまうことです。
| ×(誤り) | ○(正しい形) |
|---|---|
| The girl who you met her yesterday is my sister. | The girl who you met yesterday is my sister. |
| This is the book which I bought it last week. | This is the book which I bought last week. |
上記の英文の her や it は、関係代名詞に変わって先頭へ動いています。そのため、もとの場所には何も残りません。手順3の「関係代名詞に姿を変える」「先頭へ動かす」を意識すると、この間違いは防げます。
もう1つ注意したいのが、主格の関係代名詞のうしろの動詞の形です。動詞は先行詞に合わせます。
- × I have a friend who live in Canada.
- ○ I have a friend who lives in Canada.
先行詞の a friend は3人称単数なので、lives と s が付きます。2つの文に戻すと He lives in Canada. になるので、ここでも2つの文で考えると間違えにくくなります。
もう一歩先へ:関係代名詞の応用と、似ている文法
ここからは、高校で習うような少し応用的な内容を簡単に紹介します。まずは基本を固めてからで大丈夫です。
カンマ付きの関係代名詞(非制限用法)
- My brother, who lives in Osaka, is a teacher.
(私の兄は大阪に住んでいて、教師をしています。)
関係代名詞の前にカンマがあるものを、非制限用法(継続用法)といいます。先行詞を「どの〜か」と絞り込むのではなく、補足の情報を付け加える使い方です。この使い方では、that は使えません。
前置詞+関係代名詞(in which など)
- This is the house. I was born in it.
→ This is the house in which I was born.
→ This is the house (that) I was born in.
(これは私が生まれた家です。)
2つの文に分けると、消える it の前に前置詞 in があると分かります。in which のように前置詞ごと先頭へ動かす形は、改まった言い方です。会話では、前置詞を文の最後に残す形がよく使われます。
what との違い(先行詞を含む関係代名詞)
関係代名詞の what は、先行詞をとらずに「〜すること・もの」を表します。the thing which とほぼ同じ意味で、先行詞のうしろに what を置くことはできません。苦手な人が多い項目ですね。
あわせて読みたい:what「疑問詞・関係詞」4つの用法・意味と使い方【英文法の苦手を克服】
関係副詞・間接疑問文との違い
where・when などの関係副詞も、先行詞をうしろから説明します。関係代名詞との違いは、2つの文に分けたときに消える語です。関係副詞では、名詞ではなく there・then などの副詞(場所や時を表す語)が消えます。
Do you know who he is? のような間接疑問文の who は、先行詞を説明していません。「誰なのか」という疑問の意味を持ち、文の中で名詞のまとまりとして働きます。
2つの関係代名詞が続くように見える文もあります。少し難しい内容ですが、連鎖関係代名詞とは?節の挿入?基本的な考え方からwhat使用や 省略パターンまで完全マスター!【英文法の苦手を克服!】で解説しています。
確認問題:2つの文を関係代名詞でつなげよう
次の2つの文を、関係代名詞を使って1つの文にしてください。まずは同じものを表す語を探してから、手順どおりに考えてみましょう。
- I have a cat. It has blue eyes.
- The man is a doctor. He lives next door.
- This is the bag. I bought it in Kyoto.
- I know a girl. Her mother is a singer.
- The book was interesting. You lent it to me.
解答と解説(タップで開く)
- I have a cat which (that) has blue eyes.
(私は青い目のネコを飼っています。)
It は主語なので主格。先行詞が動物なので which か that です。 - The man who (that) lives next door is a doctor.
(隣に住んでいる男性は医者です。)
He は主語なので主格。先行詞 the man のすぐうしろに入れます。 - This is the bag (which / that) I bought in Kyoto.
(これは私が京都で買ったかばんです。)
it は bought の目的語なので目的格。先頭へ動かし、省略もできます。 - I know a girl whose mother is a singer.
(私は、お母さんが歌手をしている女の子を知っています。)
Her は「彼女の」という所有格なので whose です。 - The book (which / that) you lent me was interesting.
(あなたが貸してくれた本はおもしろかったです。)
it は lent の目的語なので目的格。you lent it to me の it が消えて、you lent me の形がふつうです。
関係代名詞を身に付ける練習法
仕組みが分かったら、次は練習です。理想は、日本語を見てすぐに英語の文を作る「瞬間英作文」です。紙に書かなくても、口頭で練習するだけで十分効果があります。
瞬間英作文のやり方や教材は、瞬間英作文とは?英会話に効果があるおすすめ勉強法!教材と使い方。これで英語が話せるようになる!で紹介しています。
中学レベルの文法を、関係代名詞以外もまとめて復習したい人には、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』が向いています。例文が短く、瞬間英作文の教材としても使いやすい1冊です。
一方で、内容は中学レベルまでです。非制限用法や前置詞+関係代名詞など、高校レベルまで学びたい人には物足りないかもしれません。
あわせて読みたい:『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』のレビューと使い方!中学レベルの英文法参考書はこれ1択。瞬間英作文用の教材としてもおすすめです。
まとめ
- 関係代名詞は、名詞(先行詞)にうしろから説明をくっつける「つなぎの言葉」
- 関係代名詞の文は、2つの文に分けると分かる。先行詞と同じものを表す語が必ずある
- その語を関係代名詞に変え、先頭へ動かし、先行詞のうしろにくっつける
- 消えた語が主語なら主格、目的語なら目的格、「〜の」なら所有格の whose を使う
- 目的格は省略できる。消えた語をうしろに残さないように注意する
関係代名詞で迷ったら、いつでも2つの文に戻して考えてみてください。同じものを表す語が見つかれば、あとは手順どおりに組み立てるだけです。
