苦手な人が多い英文法の難しい単元・項目を解説する「英文法の苦手を克服!」シリーズ。今回は不定詞の単元で勉強する「be動詞 + to do」です。
「意味がいくつもあって、覚えられない!」「あー、be動詞 + to doの形は知ってるけど、意味は曖昧だなぁ」という人が多いところですね。
今日はこの「 be動詞 + to do 」をマスターしましょう!意味が複数あって整理するのが大変ですが、ちょっとした覚え方の工夫も一緒に紹介します。
不定詞「 be動詞 + to do 」 とは
「be動詞 + to do」とは、「be動詞 + to + 動詞の原形」のことで、これ自体を1つの助動詞と考えることが出来ます。少し改まった感じの表現になり、主に書き言葉で使われます。
高校レベルの不定詞のところで勉強しますよね。中学レベルの不定詞の勉強では基本的には出てきません。
be動詞 + to do の意味
「予定・義務・可能・運命・意図」の5つがあります。基本的には前置詞 to が使われていますので、「これからのこと」というニュアンスがあることを確認しておくといいでしょう。
それでは、ひとつずつみていきます。
予定
We are to meet at the station at 9 a.m. 私たちは午前9時に駅で会うことになっている。
この用法は、英字新聞の見出しなどでもよく使われます。
Japan PM to visit U.S. from April 17 to 20 for talks with Trump.(Reuters)
こんな感じですね。英字新聞の見出しでは、be動詞は省略されるので気付きにくいかもしれませんが、「to visit」の前に be動詞があると考えると「be動詞 + to do 」の形になりますよね。
義務
The rules are to be observed. 規則は守られなければならない。(守られるべきだ。)
これは「義務・命令」とも言われます。この場合、助動詞の「should(~すべき)」と違って、命令のようなニュアンスがあるからです。
可能
- Nothing was to be found in the safe. 金庫には何も見つからなかった。
- Not a star was to be seen in the sky. 空には星はひとつも見えなかった。
「可能」では「to be found や to be seen」などの受動態の不定詞が「否定の文脈で」使われることが多いです。
運命
She was never to see him again. 彼女は彼に二度と会えない運命だった。
これはそのままですね。
意図
If you are to get there by noon, you had better start now. もし正午までにそこへ着くつもりなら、今出発した方がいい。
主に「 Ifのような条件節中で、意図」を表します。「意図を含む予定」と考えてもOKです。
その他
注意しておきたいのは、「be動詞 + to do 」の to do が普通の名詞的用法の不定詞の場合もあるということです。
My dream is to become an astronaut. 私の夢は宇宙飛行士になることだ。(不定詞の名詞的用法)
不定詞「 be動詞 + to do 」 5つの意味の覚え方
「be to do」の形の意味を5つみてきましたが、見覚えはありましたか?
to do が「これからのこと」というニュアンスを最初に説明しました。
しかし、「ニュアンスが分かれば全部覚えなくていい」というのではなく、そのニュアンスを把握した上で、これら5つの用法は全てしっかりと覚えておいた方がいいでしょう。
そうした方が、実際に出会ったりした時にパッ意味が分かるようになるのが早くなると思います。
「でも、意味がいっぱいあって、覚えきれないよ!」という人もいますよね。そんな方におすすめの覚え方を紹介します!と言っても、ただのゴロ合わせなんですけどね(笑)
歴史の年号などでゴロ合わせは有名ですが、いくつかの言葉をまとめて覚えたい時に、ゴロ合わせはとても有効です。法学や医学の勉強でもゴロ合わせを活用している人は多くいますよね。
では、いきますよ。覚えて下さいね。
「カギ用意!」
か ぎ よ う い
可能・義務・予定・運命・意図
どうですか、覚えられましたかね(笑)しょうもないゴロ合わせですが、「かぎようい」が出てくれば全ての意味が思い出せると思います。
もちろん、あらかじめ「可能・義務・予定・運命・意図」の5つの意味については、しっかりと勉強しておかないとダメですよ。
この5つの単語(可能とか義務とか)を全て言えること自体には、あまり意味はありません。5つの用法について、全てを「理解している、使える」ようになるのが目標なので。
ゴロ合わせは「覚え方」というより、しっかり勉強してる人の「思い出し方」と言ったほうがいいかと思います。あくまでもゴロは組み合わせを思い出すためのものです。
5つの意味、それぞれの例文を一緒に覚えておいて、いつでも「カギ用意」と一緒に例文も思い出せる(その場で作れる)ようにしておいて下さい。
例えば「動名詞を目的語に取る動詞」の「メガフェプスこれで」みたいなやつです。他には「つづりの似ている形容詞」などですかね。セットで覚える必要のあるもので上手く利用しましょう。
英単語を覚える時につづりと意味をゴロ合わせで覚える人もいるようですが、さすがにそれは直で覚えたほうが効率がいいのではないかと個人的には思います。
何でもかんでもゴロ合わせにするのは、逆効果だと思いますので注意して下さい。
最後に
今回は、不定詞の「be動詞 + to do」について見てきました。
「見たことだけはある」「予定の意味だけは知ってる」という状態だった人もこの記事の内容をしっかりと復習して覚えてしまいましょう。
Kindle版の英文法書を使うと疑問点などを調べる時にかなり便利です。効率よく英語学習を進めることが出来ると思いますので、1冊は持っておいて損はないでしょう。
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