今回は、私が考える「各種英語コンテンツのリスニング難易度」をざっくりとまとめて比較してみました。英語のリスニング学習のひとつの目安として参考にしてみてください。

英語教材・各種試験の英語リスニングの難易度
まずは英語学習者向けの英語教材や、各種英語の資格試験のリスニングのレベルから。
これらは試験の英語なので、音声自体はどれもかなり聴き取りやすいです。英語学習者はまずこのレベルの英語音声をしっかりと聞き取れるようになることを目標にしましょう。
試験のレベルによって(使用される語彙や表現、話の内容自体の難易度の変化は別として)多少英文の長さや読み上げスピードに違いがある程度です。「試験の英語」みたいな感じでひとくくりにしてしまっても良かったのですが、せっかくなので他の試験と比べてどんな感じかという書き方で紹介しています。
大学入学共通テスト(センター試験)
ゆっくり・ハッキリのとても聞き取りやすい英語音声です。市販の英語教材付属の英語音声や英検準2~2級のリスニング問題と同じくらいのレベル。
このレベルの英語が完璧に聞き取れても、まだまだ英語のネイティブスピーカー向けのコンテンツの英語(ニュース、海外ドラマ・アニメ等)には手も足も出ないということも多いでしょう。しかし、誰もがまずはこのレベルを通るはず。
VOA Learning English
アメリカ政府が運営する国営放送「Voice of America」が提供する英語学習コンテンツです。
英語学習者用に使用される英語の語彙が制限されていて、英語の読み上げスピードもかなりゆっくりです。人によっては共通テストと同じか、それより簡単に感じるかもしれません。
ニュース記事などの英文のスクリプトもあるので、私はシャドーイング教材としてもおすすめしています。無料なので気になる人は試してみてください。

英検
英検は級によって難易度が全然違います。準2~2級でだいたい共通テストと同じくらいのレベルです。小中高生が目標にするにはちょうどいい試験です。
TOEICのリスニングの難易度が~準1級くらいで、準1級~1級がだいたいIELTS・TOEFLと同じレベルだと思います。
TOEIC
次は大学生や社会人に大人気のTOEICです。
TOEICはスコアが出るタイプの試験なので難易度に幅があります。英語初心者から始まり、色々なレベルの受験者の英語力を判定するためです。
英検準2級レベル~英検準1級くらいでしょうか。英検1級レベルには足りない感じ。
IELTS・TOEFL
留学をしたいなら避けては通れないIELTSやTOEFLもスコアが出る試験なのでリスニングの難易度に幅があります。
どちらもだいたい同じ難易度だと思います。レベルの上限は同じくらい(英検1級くらい)で、IELTSの方が若干幅広いイメージ。(仮にリスニングの難易度を10段階で数値化すると、例えばTOEFLがレベル4~6だとするとIELTSは3.5~6という感じ)
生の英語(ニュース・アニメ・ドラマ・映画)のリスニングの難易度
ここからはいわゆる「生の英語」と言われる英語コンテンツについて書いていきます。英語教材や試験のゆっくり・ハッキリ発音された英語音声より聞き取りが難しくなります。
併行して下の記事で紹介しているようなリスニングの参考書もやると比較的早く生の英語の聞き取りに慣れることができると思います。

英語のニュース・スピーチ・講義など
英語のニュース・スピーチ・講義のリスニングは各種試験の英語リスニングよりは難しいですが、比較的ゆっくり・ハッキリと発音してくれるので聞き取りやすいです。
英語の資格試験の勉強をしている人のステップアップや、英検1級やTOEFL・IELTSのハイスコアを狙う人が日々の日課として学習するのに最適なコンテンツです。アメリカ大統領演説なんかも英語教材としては定番ですよね。
英語のニュース・スピーチ・講義の3つでは、やはりナレーションのプロが読み上げる英語のニュースが一番聞き取りやすいです。
TEDのプレゼンやYouTubeの講義系動画などの、こちらに語りかけてくるタイプのコンテンツもこの括りに入ります。色々な人がスピーカーになりますので聞き取りやすい英語を話す人、アクセントが強くて聞き取りにくい人などがいます。逆に言うと、色々なタイプの英語が聞けるのでリスニングの練習になります。

他には「Audible」などの本の読み上げや音声ドラマなどもこのレベルでしょうか。次の英語版アニメまではいかない感じです。
英語版アニメ
英語の試験やニュースのリスニングからのステップアップに最適
英語版のアニメの音声はまさに海外ドラマ・映画への橋渡しに最適なコンテンツです。
ある程度英語に慣れてきた学習者(TOEIC900前後~や英検1級合格ボーダーラインくらいの人)は、このあたりの英語をしっかりと聞き取れるようになるのを目標にすると良いと思います。もともと漫画とかアニメが好きな方には一番おすすめかも。
アニメは声優がブースに入って録音したものを映像に合わせているので、基本的には英語教材や試験の英語音声と同じく、かなり高音質でクリアな英語が録音されています。雑音もBGMや効果音がちょこちょこ入る程度なので、英語音声自体はかなり聞き取りやすいはずです。
とはいえ、基本的には英語のネイティブスピーカーが楽しむものなので、英語のニュースや英語の資格試験の音声などに比べるとスピードも速めです。ボソッと話したり早口で激しくまくし立てたりするような演技なども多く、最初は聴き取りに苦労するでしょう。

実践的な英会話フレーズの宝庫
また、学校や普通の英語教材などではあまり出てこない英会話の定型フレーズもよく出てきます。このサイトでもどんな表現がよく出てくるのか紹介していますので、英語のアニメや海外ドラマなどを観る前にあらかじめ目を通しておくと良いと思います。

英語版のアニメではFワード(卑語)は基本的には出てきませんが、ごく稀に出てくる作品もあります。(『学園黙示録HIGH SCHOOL OF THE DEAD Blu-ray BOX (PS3再生・日本語音声可) (北米版)』など)
英語のアニメを全く見たことがないという人は、1作品だけでいいので観てみることをおすすめします。英語の漫画と同じくSFやファンタジーではなく、作品特有の専門用語などが出てこない「日常系」の作品がおすすめです。日本のアニメは世界中で人気なので、英語版がたくさん出ています。

映画作品よりもTVシリーズのアニメがおすすめ
ディズニーやジブリ作品などの英語版でもいいですが、個人的には映画作品よりも、TVで毎週放送されていた作品の方がおすすめです。理由は「1作品でより長い時間観られる」からです。
映画だと90分~120分くらいの長さの作品が多いですが、アニメのTVシリーズは1期分(12話くらい)で300分を超えることも多いので、コストパフォーマンスが良いです。長い時間観られるということは、当然触れる英語の量も多くなります。また、映画は映像の演出に凝っていることも多く、同じ時間で比べてもTVシリーズ作品とはセリフ量が違うと思います。
海外ドラマ・映画
映画の英語は難しい
作品によって聞き取りやすい、聞き取りにくい等はもちろんあるのですが、基本的にはこの「海外ドラマ・映画」カテゴリの英語リスニングがダントツで難しいと思ってもらっていいです。
俳優の演技の違いはもちろんですが、アニメなどのアフレコされたものと比べて空気感といいますか、英語音声自体がすごく聞き取りづらいと思います。
難しいので、慣れるまではCC(クローズドキャプション)の英語字幕と一緒に観たり、スクリプトを用意したいところですね。クローズドキャプションの字幕は普通の英語字幕と違って作品中のセリフそのままの英語が字幕になっています。
あと、これまでのコンテンツと違って、映画ではFワード(英語の卑語)が普通に出てきます。
海外ドラマの英語は聞き取りやすい
「シットコム(シチュエーション・コメディ)」というジャンルの海外ドラマ(『フレンズ1 ファースト・シーズン セット [DVD]』などが有名)がありますが、こちらは映画に比べると英語を聞き取るのがだいぶ楽になります。
その理由としては、スタジオに作られたセット(舞台)を使い、観客の前で撮られるからだと思います。簡単にいうと劇みたいな感じなので演技がハッキリしています。
テレビで放送されるドラマは、映画と違ってFワードなどの過激な言葉がほぼ出てこないのも特徴です。英語版のアニメと同じで、基本的にはそのまま覚えて使ってもOKな英会話表現にたくさん触れることができます。
他に私が個人的におすすめする海外ドラマは『The West Wing(ザ・ホワイトハウス)』などですね。名作なので知っている人も多いかもしれません。他にも『The Big Bang Theory』や『The Office』など色々好きな作品があるので、そのうちおすすめ海外ドラマの紹介の記事を書きたいです。
Amazonプライム会員の人なら、プライム・ビデオでたくさんの海外ドラマや映画が無料で観られるので色々と試してみましょう。PrimeVideoの対象は時期によって変わるので定期的にチェックしておくと良いでしょう。先ほど紹介した『フレンズ』『The Big Bang Theory』などもPrimeの対象になっていることもあります。(Amazonプライム
は最初の30日は無料です。)
実際の英会話
最後に実際の英会話のリスニングはどうなのかについても触れておきます。自分が話す場合です。
これは意外と難しくありません。なぜなら、実際の会話は相手がこちらの英語レベルに合わせて話してくれることも多いですし、こちらからそれを伝えてレベルを下げてもらうこともできますからね。

ただ、よく言われることではありますが、「ネイティブやそれと同等の英語力の人同士の普通の会話」を聞き取るのはかなり難しいです。今はYouTubeなどで見られると思いますので、気になる方は探してみて下さい。
最近はYouTubeの動画やライブ配信も一般的にになってきましたし、Vtuberという方々の配信もかなりの人気のようです。英語のネイティブスピーカーのVtuberの方もたくさんいますし、そういった方々のコラボ配信などでたくさんの英語のネイティブ同士のくだけた会話に触れることができます。

最後に
やはり、映画や海外ドラマの英語の聞き取りが一番難しいですね。よく「TOEICや英検の英語リスニング力アップのために洋画を…」という人がいますが、個人的には一気にレベルを上げすぎていると思います。感覚としては、中学レベルの英文がやっと読めるくらいの英語学習者が、ダン・ブラウンやジョン・グリシャムなどのネイティブの大人向けペーパーバックに手を出す、というのよりも無理がある感じです。

とりあえずは英語のニュース、出来れば英語版のアニメを問題なく楽しめるくらいのレベルを目指すのがおすすめですね。
試験の英語のリスニング力をアップさせるには、やはりその試験にあった方法が効率が良いと思います。例えば、教材の音声を1.25倍くらいの速さで聴いたり、難易度的にちょうどいいニュースの英語で聞き取り練習をするなどです。
あまり背伸びしすぎず、自分のレベルにあったリスニング練習を積み重ねていくのがおすすめです。頑張って地道に進んでいきましょう。
