完了形の不定詞(to have 過去分詞)とseem型の動詞、時(時制)の組み合わせを完全マスター!【英文法の苦手を克服!】

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苦手な人や分からないと言う人が多い「英文法の難しい単元・項目」を集中して解説していくシリーズの2回目。今回は、完了形の不定詞とseem型の動詞、時(時制)の組み合わせ編です。

みなさんは完了形の不定詞と聞いて、どんなものか思い浮かぶでしょうか?

He seems to have been rich.

こんな感じのやつですね。特に、「時(時制)の組み合わせのパターン」には混乱してしまう人がとても多いので、ここで完璧にマスターしてしまいましょう!

目次

seem型の動詞

特急

まず、seem や appear のようなseem型の動詞の意味と使い方を軽く確認しておきましょう。それぞれ、

  • seemは「(主観的に)~のように思われる、~のようだ」
  • appearは「(客観的に)外見が~のように見える、~のようだ」

ということを表すことが出来ます。そして、

  • 主語 + [ seem /appear ] + [ ( to + be) + 補語 ) / to +動詞の原形 ]
  • He seems ( to be ) rich. 彼は金持ちのようだ。

このような形で使います。( to be )は省略が出来ます。さらに、that節を使った文でも同じ内容を表すことが出来ます。

  • It + seems / appear + that 主語 + 動詞 「主語は~するように思われる(見える)」
  • It seems that he is rich. 彼は金持ちのようだ。
seem型のその他の動詞には happen / turn out などがあります。

完了形の不定詞とは

次は完了形の不定詞について確認しましょう。

完了形の不定詞とは、「 to have + 過去分詞」のことをいいます。これを使うことで、「述語動詞から見た過去、現在完了」を表すことが出来ます。

例えば、

He seems to have been rich. 彼は金持ちだったようだ。

「seems (~のように思われる)」は現在のことですが、「to have been rich(金持ちだった)」は過去のことです。このように「述語動詞との時のズレを表すことが出来ます

他にも、 She hopes to have gotten her driver’s license by next month. のように、「未来にすることについて話す時に使う完了不定詞」などもあります。今回は seem 型の動詞との組み合わせの話ですが、一応紹介しておきます。

不定詞の「 to + 動詞の原形」、完了形の「 have + 過去分詞」を合体させたものですね。なので、「to のあとのhaveは原形」です。

「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれません。しかし、これから説明する「seem型の動詞の時の組み合わせ」について確認した時、この点が分かってないなという人が多いですよ。

それではみてみましょう。

完了形の不定詞とseem型の動詞「時(時制)の組み合わせ」

エスカレーター

述語動詞と不定詞が表す時(時制)の組み合わせパターンは4つあります。さらに、seem型の動詞は、 It を主語にした文でも表すことができますので、全部で8パターンですね。

これ、勉強した記憶ありますか?「あー、やったけど自信ないなぁ」とか「同じようなのがいっぱいあって全然分からん」という人が多いところです。

自分が現時点でどれくらい理解出来ているか、先ほど出てきた英文を使って確認してみましょう。

  1. He seems to be rich. 彼は金持ちのようだ。
  2. It seems that he is rich.

 

2の「It seems that he is rich.」の is が was に変わった場合、2の英文に合わせて1の英文をどう変化させれば同じ意味になるでしょうか?

 

分かりましたか?これは、

  1. He seems to have been rich. 彼は金持ちだったようだ。
  2. It seems that he was rich.

こうなります。2の英文に「seems(ようだ)、was rich (金持ちだった)」というように、時制にズレが出来ますので、不定詞を使って表す1の英文では「to have 過去分詞」の形を使います。

どうですか。これは一番基本の形なので、答えられた人も多かったかもしれませんね。それでは、次の例はどうでしょうか。

  1. He seems to have been rich. 彼は金持ちだったようだ。
  2. It seemed that he was rich. 彼は金持ちのようだった。

この2つの英文を「2に合わせて1を変化させて同じ意味にしてみて下さい」

どうでしたか?楽勝!という人はだいぶ理解出来ていますね。これは、

まず1の seems を2の seemed に合わせて(~のようだった)とします。ここは大丈夫ですよね。

次に、2の英文は「seemed」「was」が使われていることで分かるように、両方とも「過去」で時制にズレがありませんね。

時制にズレががない場合の不定詞は「to be」を使いますので、不定詞を使って表す1の英文の「to have been」は「 to be 」に変えます。したがって、

  1. He seems to have been rich. → He seemed to be rich.
  2. It seemed that he was rich.

1の英文はこう変わります。意味は「彼は金持ちのようだった」ですね。

 

じゃあ最後にもう一つ。これは聞いてみたら間違える人がとても多いですね。

  1. He seems to have been rich.
  2. It seemed that he had been rich.

2の英文に合わせて、1を同じ意味になるように変化させて下さい。

どうでしょう。よくある間違いは

  1. He seemed to had been rich.

これがダントツですね。特に「頭がこんがらがってさっぱり…」って人はこれをよくやりますね。ここで考えてほしいのは、先ほども説明した、

完了形の不定詞は、不定詞の「 to + 動詞の原形」、完了形の「 have + 過去分詞」を合体させたものなので、「to のあとのhaveは原形」ということです。

ここが分かっていれば、「 to had been 」は絶対に作らないと思うので、しっかりと頭に入れておきましょう。

では、正解をみてみましょう。

  1. He seems to have been rich. → He seemed to have been rich.
  2. It seemed that he had been rich.

2の英文は「 seemed (~のようだった)、had been(seemedよりも以前に~だった)」というように、「過去と過去完了」で時制にズレがありますので、ここは「to have been」のままでいいんですね。

したがって今回の問題は、「seems」を「seemed」に変えるだけです。意味は「彼は金持ちだったようだった」です。

 

おまけ問題

  1. He seemed to have been rich.
  2. It seems that he is rich.

1にあわせて、同じ意味になるように2の英文を変化させてみて下さい。答えは次のまとめの表をみて下さい。

述語動詞と不定詞(完了形含む)が表す時の組み合わせのまとめ

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述語動詞と不定詞が表す時の組み合わせのまとめ

  1. He seems to be rich. 彼は(今)金持ちのようだ。 It seems that he is rich. (現在と現在)
  2. He seems to have been rich. 彼は(以前)金持ちだったようだ。 It seems that he was rich. (現在と過去
  3. He seemed to be rich. 彼は(その時)金持ちのようだった。 It seemed that he was rich. (過去と過去)
  4. He seemed to have been rich. 彼は(それ以前に)金持ちだったようだった。 It seemed that he had been rich. (過去と過去完了
  • 1、3のように時制にズレがない場合は「to + 動詞の原形」
  • 2、4のように時制にズレがある場合は「to + have + 過去分詞」の形で述語動詞からみて過去のことを表す

この8つの英文を使って、

  • 「ここをseemedに変えたら、もう1つの英文はどう変わるか」
  • 「ここをto beに変えたら他の部分はどう変わるか」

というような練習を、色々なパターンを考えてやってみましょう。

最初はややこしく感じると思いますが、自分で色々と組み合わせを考えて練習すればすぐにマスター出来ると思います。

私も最初は「どれも似てて混乱するなぁ…」と思っていましたが、一度理解してしまうと意外と難しくないんだと感じましたね。

上の8パターンを全て自信を持って答えられるように整理しておきましょう。

過去完了が出てきますので、理解出来ていない場合は総合英語や文法書で確認しましょう。「過去完了形」についてはこちらの記事で解説しています。

過去完了形の使い方と訳し方、現在完了形・過去形との違いを分かりやすく解説!【英文法の苦手を克服】

最後に

今回は「seem型の動詞、完了形の不定詞、述語動詞と不定詞が表す時(時制)の組み合わせ」について見てきましたが、どうでしたか。特に「述語動詞と不定詞が表す時(時制)の組み合わせ」については苦手な人がとても多いところなので、しっかりと整理しておいて下さい。

最初は難しいなと思っていても、何度も説明と英文を確認すればすぐに慣れるので、諦めないようにして下さい。とにかく大事なのは

時制のズレがあれば to have 過去分詞を使う」「to had 過去分詞の形にしたりしないよう注意

この2点ですね。頭に入れておきましょう。

Kindle版の英文法書を使うと疑問点などを調べる時にかなり便利です。効率よく英語学習を進めることが出来ると思いますので、1冊は持っておいて損はないでしょう。

関連記事:英文法書のKindle版がおすすめ!メリットだらけ&便利すぎるので英語の勉強に活用しよう!

関連記事:英文法書や総合英語は通読するべき?辞書として使用するべき?おすすめはどれ?

英語をたくさん読んだり聞いたりして、実際に使われている英文に出会うことも大切です。

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