英文法の難しい単元・項目を解説する「英文法の苦手を克服!」シリーズ、今回は仮定法「were to と should 」についてです。この2つは高校の仮定法でみなさんも勉強したと思いますが、ちゃんと違いと使い方まで理解出来ていますか?
「仮定法過去は大丈夫、仮定法過去完了も何とか理解してる!」という人は結構多いです。しかし、この「were to と should 」については、理解があいまいな人がかなり多い印象です。
「両方とも未来を表す時に使う仮定法だっけ?」
「仮に、と万が一、でしょ」
「じゃあ、 were to と should って具体的にどう違うの?」と聞くと「うーん…」と沈黙してしまう人が少なくありません。この記事では、その辺りの疑問をスッキリさせていきましょう。
未来のことの仮定を表す仮定法 were to の特徴
まずは未来を表す仮定法「 were to 」からです。これは不定詞の単元で勉強した「 be to do 」の過去形ですので、仮定法過去だということをまず理解しておきましょう。
次に、「 were to 」を使って未来のことの仮定を表す方法の特徴をみていきます。
- 未来についての仮定を表し、実現の可能性に関係なく使える
- 予定を表す「 be 動詞 + to do 」の仮定法過去
- 仮定法なので、主節は必ず仮定法過去
- if you were to ~ の形で丁寧な提案や依頼を表す
どうですか?全部頭に入っていたでしょうか。上記の特徴を2つの例文で確認しておきましょう。どちらの例も、主節が仮定法過去になっていることにも注目して下さい。
仮定法 were to は、実現可能性に関係なく使える
もし、400歳まで生きるとすれば、あなたは何をしますか。
常識で考えると、人間が400歳まで生きるということに実現可能性はないですよね。仮定法 were to はこういった「実現可能性がないこと」を表すこともできます。次は「実現可能性のあること」を表す例をみてみましょう。
もし、あなたの猫が逃げ出したら、どうなるでしょうか
このように、「 were to 」は実現可能性のあることの仮定を表すことも出来ます。前後の文脈から、話し手の気持ちを推測しましょう。
なぜ if you were to ~ が丁寧な提案や依頼を表すのか
席をもうちょっと動いて頂けると、私たち全員が座れるのですが。
仮定法ですので、「あくまでも『もしも』の話ですが…」という、遠慮したようなニュアンスがあります。これにより間接的な表現、丁寧な表現と感じられるというわけです。
未来のことの仮定を表す仮定法 should の特徴
次は、should を使って未来のことの仮定を表す場合です。should はみなさんも知っている、推定の助動詞の should です。この点がポイントになります。
- 実現可能性が少ないと思う話し手の気持ち「万が一~なら」を表す
- あくまで if 節に助動詞 should を入れたもの
- 主節の助動詞は、現在形(直説法)と過去形(仮定法)の両方が使える
- 主節が命令文になって助言や提案を表すこともある
- 絶対に起こらないことの仮定には使わない
- were to と ほぼ同じ意味を表す場合もある
should を使った未来を表す仮定法の主節は直説法・仮定法の両方が使える
もし万が一彼が来たら、あなたを彼に紹介することが出来ます。
あくまで助動詞 should を使った文なので、主節は直説法(上の例文では can )でも仮定法(上の例文では could )でも使えます。どちらを使うかはその人がどう思っているかの違いです。
とりあえずは「直説法を使う場合の方が、より実現の可能性が高いと思っている」と考えて下さい。
should は絶対に起こらないことの仮定には使わない
仮に太陽が西から登っても、決心を変えない
このような、絶対に起こらないことの仮定にはshould は使いません。このような場合は were to を使います。
should は、「起こるかどうかはわからないけど、実現可能性が低いと話し手が思っている場合」に使います。
この「~のはずだ」には実は、仮定法の感じが出てるんですね。条件節(~ならの部分)が省略されてると考えて下さい。「(道理からいくと)~のすべきだ」「(普通なら)~のはずだ」という感じです。
仮定法 should と were to がほぼ同じ意味を表す場合もある
自由度の高い were to ~ はもちろん、 should を使う「万が一」の実現可能性の場合でも使えますので、この2つがほぼ同じ意味を表すこともあります。ここがこの2つの違いを混乱させている原因の1つかと思います。
初めてこの2つの「未来のことの仮定を表す表現」を習った時に「ということは、この2つの表現は同じ意味って覚えておけばいいのかな?両方未来のことの仮定だし大丈夫でしょ」となってしまうんですね。
【仮定法】未来のことの仮定を表す were to と shouldの違いのまとめ
- shouldは実現可能性がゼロのものには使えない
- were to は実現可能性ゼロから実現可能性があるものまで、自由に使える
- should と were to が同じ意味を表す場合もある
- should は直説法や命令文、仮定法の場合があるが、were to の場合は仮定法のみ
最後に
今回は仮定法で苦手な人が多い仮定法「were to と should 」について解説をしてきました。ほぼ同じ意味を表せたりしてややこしいところですが、しっかりと両方について理解しておきましょう。できれば、総合英語や英文法書の例文を読むだけではなく、自分でこの表現を使って色々と英文を作る練習をしてみましょう。
Kindle版の英文法書を使うと疑問点などを調べる時にかなり便利です。効率よく英語学習を進めることが出来ると思いますので、1冊は持っておいて損はないでしょう。
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英語をたくさん読んだり聞いたりして、実際に使われている英文に出会うことも大切です。
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- 完了不定詞と時の組み合わせ(seem to have been などの話)
- 原形不定詞 使役動詞 make, let, have, get の違い
- 不定詞 be動詞 + to do
- almost, most の使い方と違い(almost all of やmost of など)
- 「仮定法現在」の説明と、なぜ should や原形を使うのか
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- 比較 「 no more than, no less than, not more than, not less than 」の意味の違い、考え方のまとめ
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