今回は、「現代英語の重要単語1600+熟語1000を重複なしで560本の基本例文に凝縮」したという、定番の英単語集
『Duo3.0』を紹介します。色々な人がおすすめしている有名な単語集なので、知っている人も多いのではないでしょうか。9000語レベルまで載っている貴重な英単語集です。
個人的には9000語レベル(英検準1級くらいです)までの英単語集は、今のところこの『Duo3.0』1択だと思っています。かなりおすすめです。
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『Duo3.0』の特徴・おすすめな点
- 約1600の見出し語に加えて、約3400の派生語・関連語・同意語・反意語が載っている(~9000語レベル)
- 英単語だけでなく、見出しで約1000、関連イディオム合わせて約2800の「イディオム・句動詞・英会話定型フレーズ」も載っている。
- 重複なしの560の例文で英単語・イディオム・英語構文・句動詞・英会話定型フレーズを効率よく覚えられる。
- 見出し語によってはフォーマル、インフォーマルの情報の明示もされている。
- 語法の注意点や単語のニュアンスなどの解説が豊富。
- 情報量が多い。
- 米国の大学教授3名を含む15名にネイティブチェックがされている。
- 音声CDや英単語カードなどが別売りで用意されている。
だいたい見開きページに3~4つの例文とその日本語訳、見出し語とその語義や派生語・関連語などが載っています。語義は黒字と青字で書いてあり、青字が例文で使われている語義です。
とにかく1冊で色んなことが学べるように工夫されています。『Duo3.0』は句動詞や英会話で使える定型フレーズもたくさん覚えられるのもポイントが高いです。
英単語の語法・ニュアンスなどの解説が豊富
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『Duo3.0』には、このような定番の間違いやすい動詞の語法などはしっかりと解説部分で例が提示されています。
単語のニュアンス・イメージの解説も豊富です。(例:continuous と continual のニュアンスの違いなど)
また、見出し語と綴りが似ている英単語も載っていますので、発音や意味がこんがらがりやすい単語同士の整理も同時に勧めていくことができます。
英単語にはもちろん発音記号が書いてあるのですが、それと一緒にカタカナ読みの発音ガイド的なものがついています。
関連記事:【発音記号・フォニックス】英語の発音が上達するおすすめ定番教材を紹介!【英語の音の変化・リスニング】
重複なしの基本例文で効率よく覚えられる
1つの基本例文に「英単語・イディオム・句動詞・英会話定型フレーズ」が重複なしで散りばめられているので、効率よく覚えていくことが出来ます。日本の「いろは歌」にヒントを得たようですね。
「無理に単語を詰め込んで不自然な英語になっているのでは?」と不安に思う人もいるかもしれませんが、『Duo3.0』の基本例文は全て、「米国の大学教授3名を含む15名」にネイティブチェックがされているので安心して覚えて下さい。
あと、例文に会話文が多いのも特徴ですね。対話形式で1つの例文になっているのだけでも80ほどあります。終盤は恋愛の話題やケンカしたりといった例文もたくさん出てきます。”you know”などのFiller(英語のつなぎ言葉)まで載っています。
I begged Richie to lend me a hundred bucks, but he shook his head, saying, ” I’m broke, too.”
100ドル貸してくれとリッチーに頼んだら、彼は「俺もお金がないんだよ!」と言って首を横に降った。
『Duo3.0』例文22
こんな感じの例文がたくさんあります。この例文に出てくる”I’m broke.(お金がない)”という表現や、ドルのことを”buck”と言うのは海外ドラマや英語版のアニメなんかでも頻出ですね。2つとも「IF」というマークがついていてインフォーマルな表現であることが分かるようになっています。
個人的には、普通の単語集の例文よりも実践的な例文が多いかなと思います。
~9000語レベルと到達点が高い
『Duo3.0』は「基本例文で効率よく英単語、イディオムを覚えていこう」という、今ではよくあるタイプの英単語集なのですが、何といっても「収録単語数が多い」のが特徴です。
中学レベルの英単語を覚えた後、この『Duo3.0』に載っている単語を全て覚えると自分の英語の語彙力が9000語レベルに達します。これは簡単な洋書の児童書や英語の漫画やニュースなどのいわゆる「生の英語」に手を出し始めることができるレベルです。
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『Duo3.0』の対応レベル表では
- 大学入試偏差値58~65程度
- 英検準1級
- TOEIC600~780点
- TOEFL60~90点
となっています。
簡単に言うと『Duo3.0』は「何をやるにしても絶対必要な単語が入っていて、認識語彙(読んだり聞いたりして分かる語彙)としてそこそこのレベル(9000語)まで到達できる単語集」ということです。
英語を使って何かをしたい、英語ができるようになりたいという人は、まずこの『Duo3.0』レベルの英単語を自分の中で常識まで引き上げるのが良いと思います。
さらに、自分が自由に使えるアウトプット用の語彙(運用語彙)としてここまで覚えれば、日本人の英語学習者としてはかなりのレベルだと思います。英検1級やTOEFL、IELTSなどのライティング・スピーキングも基本的には『Duo3.0』レベルの語彙が自由に使えれば十分対応できます。
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覚える価値のある英単語・イディオム・定型フレーズが載っている
「当社独自のコーパス(英語圏で実際に発せられた英文のデータベース)の分析」、「米英で出版される英英辞典や語学関連書籍からの情報収集」、「米国の複数の大学教授や講師へのヒアリング調査」、そして「インターネット上での事例検証」など、これらの結果すべてを総合的に判断し、時代の変化に左右されない「本当の重要語」を選定しました。
選定の妥当性は、英語学習者向けの英英辞典の二大タイトル、LONGMAN Dictionary of Contemporary EnglishとOxfor Advanced Learner’s Dictionaryで使用されている基本語彙とほぼ一致していることからも照明できます。
*LONGMAN(約2000語)、Oxford(約3000語)の基本語から、中学基本語(I/ my/ doなど)や文法用語(abbreviation(略語), adverb(副詞)など)を除いた語彙とほぼ一致しています。
『Duo3.0』「掲載後の選定について」より
とある通り、「覚えておいて絶対に損のない単語」が集められています。
さらに注目したいのは、「この単語集を覚えれば、学習英英辞典の定義に使われている英単語をほぼ網羅できる」ということです。英英辞典を問題なく使える語彙力を身につけることができます。
関連記事:「【ロングマン・オックスフォード・コウビルド】3大英英辞典を徹底比較!おすすめは?どれを選べばいいの?英語の勉強の効率アップ!」
『Duo3.0』のマイナスな点
- 情報量が多いぶん、レイアウトが少しゴチャゴチャしている
- 基本例文の英語音声が別売り
この英単語集の欠点を挙げるとすると、派生語などの見出し語以外の情報や語法の解説の量が多いぶん、紙面が「ぱっと見ゴチャゴチャしてる」と感じる人はいると思います。ゆとりのあるレイアウトにするとページ数が増えて本がかなり分厚くなるので、ある程度は仕方ないでしょう。
使っているうちに慣れると思いますが、気になるという人は、とりあえず例文と見出し語のみに絞る(青字の部分だけ見る)とかなりスッキリするでしょう。
あと、今となってはほぼ当たり前になっている、基本例文のネイティブスピーカーによる読み上げ音声が別売りです。やはり新しい単語を覚える時は、なるべく英語音声を聞いて確認したいところです。
『Duo3.0』おすすめの使い方と注意点
おすすめの使い方・覚え方
まずは「例文を読んで瞬時に意味が分かる状態」を目指しましょう。
- 基本例文と日本語訳を確認する
- 見出し語の意味を確認する
- 発音記号や音声CDなどで発音を確認し、何度も音読する。
- ある程度覚えたら例文を見て意味が分かるか確認
- 意味が分かれば次の例文へ
1回で完璧に覚えようとせず、まずは何周も目を通すことでざっくりと覚えていきましょう。その後に覚えていないものを集中して覚えていきましょう。
英単語暗記のおすすめの方法はこちらの記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてください。
関連記事:英単語のおすすめの覚え方、暗記や復習のコツ 大学受験、TOEIC用などの単語帳編」
派生語や関連語はひとまず後回しにしましょう。最初から欲張るとしんどいですし、まずは核になる部分をガッチリと覚えていきましょう。
『Duo3.0』を使って勉強する時の注意点
できるだけ復習用CDは使った方が良い
『Duo3.0』で覚える英語の語彙は、間違いなくこれからの自分の英語力のコアになる大切な語彙です。復習用CDも使って、正しいネイティブ音声と共にしっかりと体に叩き込みましょう。1000円そこらをケチってしまうにはあまりにももったいないです。
まずは560の例文と見出し語を覚える&長丁場を覚悟する
最終的には派生語も覚えるのですが、あくまでもメインは例文とその見出し語です。派生語は見出し語と似た単語が多いので、まずは見出し語をしっかりと覚えてしまうことで混乱することもなく、暗記の負担も軽減することができます。
英単語の覚え方は色々あるので各自好きな方法をとってもらって構いませんが、たくさんの英単語やイディオムなどを覚えることになるので長い目で考えましょう。決して1ヶ月で全部覚えようとしたりはしないでください。まず挫折しますので……。
自分が無理なく続けられる量を考えて毎日頑張りましょう。とにかく、「英語の語彙学習は長丁場になる」ということは最初に理解しておくことが必要です。どれくらい時間を割くかにもよりますが、派生語なども含め1冊マスターするのに半年以上は普通にかかると思います。
どうしても覚えられない単語を集中して覚える
おそらくこの単語集を覚えていくうちに「この単語いつまで経っても覚えられない……」という単語が出てきます。そういう単語のみをピックアップして集中的に覚えてしまうようにしてください。
- 付箋を貼る
- ノートやスマホなどのメモ機能
- エクセルやグーグルスプレッドシートなどにまとめる
- スマホの暗記アプリに単語を登録する
など、方法は何でもいいです。
『Duo3.0』のカード版を利用する人は、覚えられない単語のカードのみを抜き出してこまめに見るようにしてください。
『Duo3.0』の次にやることは?
『Duo3.0』の学習が終わったら、大学受験生やTOEICの受験生の人はそれぞれの試験の英文法・語法問題集に取り掛かるのもいいですし、洋書を読みたい人は高校基礎レベルまでで読める洋書を読んでいきましょう。英語学習者用の英字新聞なんかも楽しめるようになっているはずです。
SVL12000やハイレベル英単語集
9000語レベルを超えた英単語力を身に着けましょう。ここまで覚えると大げさではなく、一気に英語で読めるものが増えるので見える世界が変わります。
おすすめはアルクの「SVL12000」という単語リストのレベル10~12までを覚えることです。『究極の英単語vol.4』という単語集も出ています。
関連記事:【10000語レベル以上】市販の英単語集のレベルを超える難単語を覚えるには?【15000語~20000語レベル】
英語多読、洋書、英字新聞で英語の語彙力アップ
個人的には、『Duo3.0』の次はSVL12000の英単語リストで9000~12000語レベルの単語を押さえておくのをおすすめしますが、英単語集を卒業して、英語多読をしつつ英単語力を伸ばしていく方法を選ぶのも良いでしょう。
関連記事:英語多読での英単語の覚え方!洋書を使った効果的なボキャビル方法を紹介します。読むだけでは語彙は増えません。
また、Duo3.0を覚えたくらいの英語の語彙力でも読めるものはたくさんあります。このサイトでは、中学英語から始めて大人向けのペーパーバックが読めるようになるまでの道筋を紹介しています。
関連記事:洋書初心者がペーパーバックを読めるようになる方法・中学英語からの最短ルート【英語多読】
さらに、おすすめの週刊の英字新聞(英語学習紙)を読んでみるのもおすすめです。色々なジャンルの英文に触れることができるので、自分の英語力の幅が一気に広がります。
関連記事:英字新聞 多読初心者にもおすすめ!週刊 The Japan Times ST ( Alpha )を購読して英語力アップ!なぜおすすめなのか徹底的に紹介!
最後に
『Duo3.0』は9000語レベルまでの英単語、約2800の必須イディオム・句動詞・英会話定型フレーズを効率よく覚えることができるおすすめの英単語集です。中学英単語を覚えた後は基本的にはこの単語集をやればOKです。特に、大学生や社会人の人が英語をやり直す場合に、中学レベルの次に選択する英単語集としてはピッタリですね。