英語の多読でGraded Readers（語彙制限本）を読もうと思っている人で、「中学レベルで読めるって書いてるけど、これって中学レベルの英文法を全部勉強してないと読めないの？」という疑問を持っている人もいると思います。
Graded Readers は英文法の学習が全て終わっていない段階でも読み始めることができます。
この記事では、読む人が多いと思われる各出版社のGraded Readers（GR）のレベル2とレベル3で「どの英文法の単元が必要・不要か」をまとめていきます。
中学レベルの英文法に不安のある人は、おすすめ参考書をこちらの記事で紹介していますので参考にしてください。
関連記事：『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』をレビュー！中学レベルの英文法参考書はこれ1択。瞬間英作文用の教材としてもおすすめです。
Oxford Bookworms Library（オックスフォード ブックワームライブラリ）
参考リンク：Oxford Bookworms Library
Stage 2で不要な中学英文法
Oxford Bookworms Library（オックスフォード ブックワームライブラリ）のStage2で不要な中学レベルの英文法は
- 関係詞
- 受動態
- 間接疑問
です。苦手にしていた人も多い単元ではないでしょうか。
Stage3で必要になる中学・高校英文法
Stage3で必要な中学・高校レベル英文法は
- should, may（中学レベル）
- 現在完了進行形
- used to
- 過去完了形
- 使役(原形不定詞）
- 関係詞
- 間接表現(話法)
です。高校レベルの英文法が複数出てきますが、高校英文法全体から考えるとかなり抜粋されていますね。高校レベルの文法を全て勉強しなくてもStage3は読めるようになります。出てくる英文法だけを総合英語や英文法書などで勉強しておくと良いでしょう。
関連記事：【英文法】総合英語はどれがおすすめなのか？『総合英語Evergreen』『ジーニアス総合英語』『アトラス総合英語』
「原形不定詞」「used to」「過去完了形」については、このサイトでも解説していますので参考にして下さい。
「原形不定詞」についての解説記事はこちら。
関連記事：「原形不定詞・知覚動詞・使役動詞」を完全マスター！ make, let, have, get, の違いなども解説します！【英文法の苦手を克服！】
「used to」についての解説記事はこちら。
関連記事：助動詞 would と used to の違いと使い分けを完全マスター！過去の習慣？状態？【英文法の苦手を克服！】
「過去完了形」についてはこちらの記事で解説しています。
Penguin Readers （Pearson Graded Readers・ペンギンリーダーズ）
参考リンク：Penguin Readers（Pearson Graded Readers）の各レベルで使われる英文法一覧表
Level2で不要な中学英文法
レベル2で不要な中学レベルの英文法は
- 関係詞
- 受動態
- 過去進行形
- 現在完了形
- 不定詞
- 分詞
ペンギンリーダーズのレベル2では、中学レベルの英文法からこんなに省くことが出来ます。1番早くレベル2を読み始めることが出来るGraded Readersかもしれません。
中学レベルでたくさん省くことが出来るのですが、その一方高校レベルの英文法から
- 話法
- 否定疑問文
が出てきますので、この2つの単元だけ総合英語や英文法書などでざっと確認しておくのが良いでしょう。
関連記事：英語の話法とは？直接話法・間接話法・描出話法の基本について分かりやすく解説！【英文法の苦手を克服】
「否定疑問文」については
関連記事：否定疑問文とは？「Aren’t you tired? 意味(疲れてないんですか？)」の答え方・考え方を完全マスター！【英文法の苦手を克服】
それぞれこのサイトでも解説していますので参考にして下さい。
Level3で必要になる中学・高校英文法
レベル3で必要になる中学・高校レベルの英文法は
- 過去進行形
- 現在完了形
- 受動態
- 不定詞
- 分詞
- 関係代名詞
- 重文と複文
レベル2で出てこなかった中学レベルの英文法がたくさん出てきます。
MacMillan Readers（マクミランリーダーズ）
参考リンク：MacMillan Readers（マクミランリーダーズ）のUsing Graded Readers in the Classroom
Elementaryで不要な中学英文法
Elementaryで不要な中学レベルの英文法は
- 受動態
- 関係詞
です。ここでもやはり受動態と関係詞が省かれていますね。
一方、マクミランリーダーズでは、Elementaryでも高校レベルの英文法
- 過去完了形
- 原形不定詞
- 仮定法（頻度は低い）
が必要となります。マクミランリーダーズは他と比べて少しレベルが高く、このレベルから「過去完了形・原形不定詞」が出てきます。頻度は高くありませんが「仮定法」も出てきますので、これらの単元だけ、『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】 (名人の授業)
』や総合英語などでざっと確認しておくと安心です。
関連記事：『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』のレビューと使い方！読みやすいおすすめの講義系参考書です。
Pre-intermediateで必要になる中学・高校英文法
Pre-intermediateで必要になる中学・高校レベルの英文法
- 受動態
- 仮定法
- 関係詞
マクミランリーダーズはこの Pre-intermediate で高校英文法の後半で勉強することが多い「仮定法」が普通に出てくるようになります。『大岩』や総合英語を読んで理解しておきましょう。
Cambridge English Readers（ケンブリッジ イングリッシュリーダーズ）
私の探し方が悪いのか、『Cambridge English Readers』シリーズでは、残念ながら必要な英文法の表が公式HPに見つかりません。リーダーのカタログは見つかるのですが……
したがって、他のGraded Readersのように「このレベルではこの英文法は省いて良い」と言えません。代わりに、目安となる情報を載せておきます。（TOEICのスコアはあまりアテにならないのであくまで参考程度に）
LEVEL 2 (Elementary/Lower-Inter)
Total Words 10,000、Headwords 800でA2レベルです。中学レベル、英検3級、TOEIC～400くらいが目安です。
LEVEL 3 (Lower-Inter)
Total Words 15,000、Headwords 1300でB1レベルです。高校レベル、英検準2～2級、TOEIC500前後が目安です。
中学レベル・高校基礎レベルで読めるGraded Readers（GR）
中学レベルで読めるGraded Readers
中学レベルで読める本をたくさん紹介している記事です。英語多読はまずこれくらいのレベルの本を読んでみて、レベルを調整しましょう。
関連記事：【英語多読】中学レベルで読めるGraded Readers（語彙制限本）と洋書の児童書のおすすめを紹介します
高校基礎レベルで読めるGraded Readers
高校基礎レベルで読める本をたくさん紹介している記事です。このレベルでとにかくたくさん英語を読むことが大切です。ここを乗り越えれば英語での読書が自分にとって普通のことになると思います。
このレベルで初めて出てくる高校レベルの英文法は大体このサイトの「英文法の難しい単元を分かりやすく解説した「英文法の苦手を克服！」シリーズ」で解説しています。
なので、中学英文法＋このサイトの英文法解説記事で読み始めることが出来ます。
【英語多読】高校基礎レベルで読めるGraded Readers（語彙制限本）と洋書の児童書のおすすめを紹介します。100万語はここで達成！
最後に
今回は、英語多読に必要な英文法について書きました。
多くのGraded Readersのレベル2では苦手な人が多い「関係代名詞」を省くことが出来るので、読んでみると思ってる以上に簡単だと感じる人も多いはず。関係代名詞は中学英文法の山場みたいな単元ですし苦手な人も結構多いです。
また、「受動態」の優先度がどの出版社でも低いですね。日本では中2くらいで習う受動態ですが、色んな英語のネイティブスピーカーの先生が「基本は能動態。受動態はそんなに使われない」ということを言ってたりしていますが、こういうところからも伺えますね。（最終的に受動態も勉強することが必要なのは言うまでもありません）
そして、高校英文法では最後の方で扱う「話法」が早い段階から出てくることが多いです。物語などを扱った本も多いのである意味当然ですね。読書をしていると直接話法・間接話法はたくさん出てきますので、洋書多読の早い段階で慣れておきましょう。
この記事で紹介した情報を上手く利用すると、Graded Readersで英語多読を始めるのを少し早めることが出来ると思います。早く洋書を読みたいという人も多いと思いますので、参考にしてみて下さい。
関連記事：洋書初心者がペーパーバックを読めるようになる方法・中学英語からの最短ルート【英語多読】
関連記事：日本人が洋書を読めない主な理由と、読めるようになるのに必要なこと
Kindle版の洋書を読む人は、ぜひ英英辞典を一緒に使ってみてください。英文読書量も稼げますし、英単語の意味の説明を英語ですることにも少しずつ慣れていくことができます。