今回は、高校生や浪人生、再受験生、大学受験レベルの英語をやりなおしたい人などに向けて、
- 大まかな勉強計画
- 英語の勉強法や、おすすめの参考書・問題集などの選び方
- 勉強を進めていく上でのいろいろな注意点
などについて書いていこうと思います。
過去の受験戦争や予備校業界の異常な発展が原因でしょうか、分野によってはものすごく質の良い本が揃っているのが「受験英語」というものです。20年以上前の本が今も定番のままだったりします。
もちろん、古くなっていて、「今はもっと他にいい本があるな」という参考書もあるので、見極めは必要です。
英語は特に大量に参考書があります。昔の本から今の本まで全部、自分の目で見て確認して選んでいくのは大変だと思います。
ここから、私が古今の参考書、問題集から厳選しておすすめしていきます。その中から自分で「良いな」と思うものがあれば、ぜひ使って下さい。
関連記事:大学受験英語で最初にやること&基礎固めにおすすめの参考書【勉強計画・教材選び】
このページでは大学受験の勉強の1年の流れ、辞書、英単語集、イディオム、発音について書いていきます。
大学受験英語の勉強計画、参考書選びの流れ
まず、ざっとスケジュールの目安を。4月スタートでいきます。
ここで目標、計画を決めずにやみくもに勉強をスタートしてしまうと、後で後悔することになるので最初にしっかりと決めましょう。
まず受けようと思ってる大学の過去問を見て(解かなくてもいいです)、どんな形式の問題が出るのか、どれくらいの難易度か、合格のために必要な点数はどれくらいかを調べて下さい。
勉強計画・スケジュール「4月~5月」
- 英語の発音・音の変化の確認
- 英単語基礎(システム英単語2章まで+多義語の章など)
- 英文法基礎(大岩レベル)のマスター
- 英文法基礎が終わったら英文解釈・英語長文の勉強をスタート
勉強開始時のレベルにもよりますが、まずは全ての基礎となる上記の3つを軸に勉強していくことになるでしょう。英単語と英文法などは同時進行で勉強しましょう。「まず英単語を覚えて、それから英文法へ進んで…」という勉強の進め方はあまり効率がよくないので注意して下さい。
ある程度英文法の基礎が固まったら英語の多読を始めるのもおすすめです。息抜きにもなりますし、英文を読むことへの抵抗がなくなっていくので、後々過去問で英語長文を解く時に効いてきます。
とにかく、ここの段階で勉強する英語の基礎がちゃんと出来てないと、これ以降に書く勉強に取り組んでも十分に効果が出ません。結構多いですよ、基礎レベルが全く出来てないのに、焦ってネクステージのような網羅型の4択問題集に取り組んだり、標準レベルの英文解釈の参考書や長文問題集をやったりしてる人。
このタイプの人は、やる気があって一生懸命勉強してるんだけど伸び悩むということが多く、もったいないです。
勉強計画・スケジュール「~8月」
- 英単語基礎の完成(システム英単語2章まで+多義語の章など)
- 英文法・語法、イディオムの勉強を本格的にスタート
- 英文解釈の参考書と長文の読み方の参考書を同時進行で進める
- 英語長文問題集スタート
- 英単語基礎・文法基礎終了後、英作文の勉強スタート(必要なら)
- リスニングの勉強スタート(必要なら)
夏までに英単語と英文法の基礎をしっかりと固めて、次の段階へ進みます。ここからは自分の志望大学の入試に何が出るかによって、やることが変わってきます。
勉強計画・スケジュール「~10月」
- 英文法・語法問題集のある程度の完成(毎日確認し続ける)
- 英単語集の完成(完成しても毎日確認し続ける)人により上級単語集へ
- 英文解釈の参考書の完成、英語長文の読み方と長文読解(人により大学入学共通テスト(旧センター過去問))
- 英作文(必要なら)
- リスニング(必要なら)
順調に受験勉強が進んでいれば、秋~冬に入るくらいにはもう大学入学共通テスト(旧センター試験)レベルなら問題なく高得点が取れるようになっているはずです。
勉強計画・スケジュール「10月~受験終了まで」
- 過去問演習がメイン
- 今までの全体復習
- 苦手部分や暗記できていないものをピックアップし集中補強
- 11~12月くらいからセンター試験過去問・大学入学共通テスト過去問(受ける人。人によっては2周目)
ざっくりとですが、こういった流れで大学受験の英語の勉強を進めていくと良いと思います。
大学受験勉強の注意点と予備校の模試について
「苦手部分や暗記できていないものをピックアップし集中補強」は、ある程度勉強が進んで、過去問を取り組めるくらいになってからして下さい。勉強の初期からこれをやると結局ほとんどピックアップすることになり、効率が悪いです。
模試は学校で受験させられたり人それぞれの事情があると思いますが、お金と時間が許す限り受けて復習をしっかりすることをおすすめします。1社だけにするなら河合塾の全統模試でいいでしょう。
それでは、大学受験の勉強におすすめの参考書などについて具体的にみていきましょう。まずは、英単語集、熟語集(イディオム)、英和辞書・和英辞書・電子辞書についてです。
大学受験英語 おすすめ英和辞書、和英辞書、電子辞書
英和辞書、和英辞書、英英辞書
まず、辞書を何か用意して下さい。スマホやタブレットのアプリでもいいですし、電子辞書でも紙の辞書でもいいです。やはり調べたい時にすぐ調べられるようにしておくことは必要です。
紙の英和、和英辞書
- ウィズダム英和辞典
- オーレックス英和辞典
英和辞書は基本的にこの2つのうち、好きな方を選んでおけば良いでしょう。和英を使う人もこの『ウィズダム』『オーレックス』のどっちかから選んでおけば大丈夫です。
基本語の説明が充実している『コアレックス英和辞典 第3版』も個人的にはおすすめです。英語が苦手な人はこちらの方がいいかも。
英英辞典
もし、英語が得意な人で英英辞典も使ってみたいなという人は
を使えばいいでしょう。説明に使われている語彙がやさしいので、英語が得意な人なら英和と併用すれば十分使えると思います。
関連記事:3大英英辞典を徹底比較!おすすめは?どれを選べばいいの?英語の勉強の効率アップ!
また、ひとつ買うとだいたい必要な英和辞書・和英辞書・英英辞書が入っている、電子辞書もおすすめです。何冊も紙の辞書を買ってられないし、持ち運びに不便という人も多いでしょうしね。
電子辞書
次は電子辞書です。今の時代だと、スマホやタブレットでも調べられるのですが、スマホなどが手元にあるとつい触ってしまって勉強時間が削られてしまう人などには、電子辞書をおすすめします。
また、特に高校生などは授業中にスマホやタブレットで調べ物というのは認められない場合も多いでしょう。その場合は電子辞書をフル活用しましょう。
最近の電子辞書は本当に至れり尽くせりですね。英和・和英に加え、英英辞典、広辞苑、国語辞書や古語辞典、数学や理科の辞典、社会の用語集、辞典、英文法書や各種資格試験用の本など…。とりあえず1台持っておいたら受験勉強の時の調べ物には困らないでしょう。もちろん英語の発音も音声で確認できますし、かなり便利です。
もし、私が電子辞書を1つ買うならカシオの電子辞書 EX-WORDシリーズを買いますね。理由は
- ウィズダム・オーレックス英和・和英辞典
- ロングマン現代英英辞典・オックスフォード現代英英辞典
- ジーニアス総合英語・総合英語Evergreenなどの総合英語
- 英数国理社の辞典が入っているので、調べ物にはたぶん困らない
これらのコンテンツが入っている機種が多いところでしょうか。特にウィズダムとオーレックス英和辞典・和英辞典、ロングマンとオックスフォード英英辞典、ジーニアス総合英語・総合英語Evergreenが全部入ってたりもするのでかなりの魅力ですね。
その他にも英検やら英会話やら、いっぱい入ってる(本当にたくさん入ってる…)ので、他にもあなたの好みのコンテンツが見つかるかもしれません。私も古いモデルですが、EX-wordシリーズの電子辞書は1台持っています。
高校生モデルと書いている機種も多いですが、大学生や社会人でも十分長く使えるコンテンツラインナップだと思います。
大学受験英語 おすすめ英単語集、英熟語集、発音
【基礎】英単語・イディオム
- システム英単語Basic
- 速読英単語入門編
- 合格英熟語300
【標準】英単語・イディオム
- システム英単語(特におすすめ)
- ターゲット1900
- (速読英単語必修編)
- 速読英熟語(特におすすめ)
- ネクステージなどの4択問題集のイディオムパート
【上級】単語・イディオム
- 速読英単語上級編
- リンガメタリカ
- 解体英熟語
英単語集
出来れば夏休みが終わるくらいまでを目標に、大学受験用の標準レベルの単語集を覚えていきたいです。大学入学共通テスト(旧センター試験)、日東駒専、産近甲龍、MARCH関関同立、早慶、上智、国公立どれが志望校でも、「標準」のものは最終的には覚えるようにがんばりましょう。
難しい単語イディオムが出る大学の場合はさらに「上級」のものもやっておきたいです。
速読英単語必修編がカッコに入っているのはなぜかと思った人もいますよね。これは単語集というより、英単語や英文法をある程度やった後、読んだことのある英文のストックを増やすために使うのがおすすめだからです。
私のおすすめの英単語集は、『システム英単語』です。多義語や語法もうまくまとまっていますし、ミニマルフレーズも結構いいです。昔から『ターゲット1900』と双璧をなす定番の単語集ですね。
もし、他にお気に入りの単語集(例えば『Duo3.0』や『速読速聴Core1900』とか)があったり、学校で使っているもの(データベースやターゲットが多いですね)があればそれでもかまいません。
関連記事:【英単語集】『Duo3.0』のレビューと使い方!9000語レベルまではこれ1択!おすすめの単語集です。
また、単語集の具体的な使い方、覚え方は「英単語のおすすめの覚え方、コツ 大学受験、TOEIC用などの単語帳編」で説明していますので、参考にして下さい。
中学レベルの英単語・英熟語を復習したい人は
中学レベルの英単語・英熟語は『中学版システム英単語』がおすすめですね。単語・熟語だけでなく英文法も含め、中学で扱う必要なことはこの1冊にまとまっています。ざっと確認して、抜けがあれば必ず補強して下さい。
関連記事:『中学版 システム英単語』のレビューと使い方!中学英語が1冊で学べるおすすめ単語集です。【シス単】
他には『CD付 改訂版 キクタン【中学英単語】高校入試レベル (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)』などもおすすめです。
イディオム集(英熟語)
イディオムは、ネクステージのようなタイプの4択の網羅型問題集についているものか、個別にイディオム集(熟語集)を買ってきてそれを覚えることになります。
その中でも人気で、使う人も多いであろうイディオム集「速読英熟語」「解体英熟語」については
大学受験英語 英熟語(イディオム)参考書のおすすめ「速読英熟語」「解体英熟語」を比較!どっちがよりおすすめ?
こちらの記事で特徴などを比較しながら、詳しく紹介していますので参考にして下さい。
早慶などの比較的たくさんイディオムを覚える必要がある大学でも、このどちらかをしっかりとやっておけば特に問題はありません。もちろん、長文などで出会った未知のイディオムも覚えていきましょう。
また、大学受験用ではありませんが、Duo 3.0やCore1900のような、重要単語+イディオムの本を使ってもかまいません。
英語の発音の参考書
また、発音記号の読み方をここで覚えてしまうことを強くおすすめします。発音アクセントの問題対策が必要な人や、リスニングのある大学を受ける人は必須です。本で勉強したい人は
- ルミナス英和辞典―つづり字と発音解説
- DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本
などがおすすめです。上は東京外国語大学名誉教授の竹林滋 先生の本です。音声学が専門の先生なので安心して発音記号を学べます。
下の『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』は動画で口の動きや形などを確認しながら練習できるので分かりやすく、おすすめです。CDもついていてたくさんの英単語で練習できるので、こちらの方が初心者にはおすすめですね。
関連記事:『英語の発音が正しくなる本』フォニックスも発音記号の読み方も学べるおすすめ発音参考書を徹底レビュー!
また、本を買うのはイヤだと言う人は、Youtubeの「Rachel’s English」というチャンネルのSounds:How-To Videosなどもおすすめです。
全部英語なので難しいと思うかもしれませんが、動画で分かりやすく説明してくれています。
定番のLRの子音の違いや、音の変化などについて(リスニングなどでめちゃくちゃ大事です)は旺文社のリスニングアプリ「英語の友」のサイト上の「リスニングの基本:英語の音声変化と聞き取り法」や、甲南大学の伊庭緑先生が「英語発音入門」というサイトで分かりやすく教えてくれるので超おすすめです。どちらも無料です。(後者はFlashPlayerが必要です)実際に音声を聞きながら手軽に学べます。
「ボトムアップ式 英語映画のリスニング」英語の音変化を勉強するならこれ!洋画・海外ドラマの英会話聞き取りへの橋渡しにおすすめ!
リスニング対策のページでも発音には触れています。【大学受験英語】発音・リスニング対策におすすめの参考書
最後に
最初の計画を立てる段階がある意味一番大事なので、念入りに。あと、英語の発音はめんどくさがらずに最初にやっておく。一度発音記号を読めるようになれば、その後の勉強がかなりはかどります。
次は、英文法・語法のおすすめの参考書・問題集について見ていきます。
次の記事:【大学受験英語】総合英語・文法書、英文法・語法のおすすめ参考書、問題集
完全に独学するのが不安な人は「スタディサプリ」などの利用を考えてみるのもアリですね。塾や予備校に通うより安いですし、自分のペースで勉強出来ます。