「苦手な人が急に多くなる英文法の難しい単元・項目」を解説するシリーズ、今日は「仮定法現在」です。
- 「結局仮定法現在って何だったんだ?」
- 「原形だっけ。あ、should も使えたっけ?どんな時使うかは忘れたな」
こんな感じの人も多いかと思います。
仮定法過去や仮定法過去完了が分かっていても、「未来のことの仮定を表す仮定法」や「仮定法現在」については途端に理解度がガクッと落ちる人は本当に多いです。
今までさらっと説明を読むだけでスルーしてきた人も、ここでしっかりと理解、整理しておきましょう。
仮定法過去・仮定法過去完了はこちらの記事で解説しています。
関連記事:英語の仮定法過去・仮定法過去完了の使い方・訳し方、直説法との違いなど分かりやすく解説!【英文法の苦手を克服】
仮定法現在とは?なぜ動詞の動詞の原形を使うのか?
- 動詞の原形を使い、現在または未来の不確実な仮定を表す
- 改まった文体で使われることが多い
もう少し分かりやすく説明すると、
仮定法現在は、「~が必要だ」「~が重要だ」などのように「何かを行うかどうか」「~という状態になるかどうか」などに関して、話し手の頭の中にある意見や要求や願望などを述べるために使います。
つまり、「まだ実現していないことの想像」です。このようなことを表す場合は動詞の現在形ではなく、仮定法現在(動詞の原形)を使うということを覚えておきましょう。
昔の英語では、そういった頭の中の想像のことを表す時に動詞に時制を与えるという発想がなかったようです。その用法が現在にも残っているのがこの仮定法現在です。
If it rains tomorrow, I will stay at home. 明日雨が降ったら、家にいます。
昔の英語ではこれも元々は仮定法現在(動詞の原形)を使っていたようですが、現在では動詞の現在形を使うように変化したようです。
こちらの記事で詳しく説明しています。
それでは、主な仮定法現在の形をみていきましょう。現在では「主節に続く that節中で主節の時制とは関係なく、常に動詞の原形を使う用法」の仮定法現在が主なものになります。
that節の中で使う仮定法現在
提案・要求を表す動詞の後の that節
- insist
- demand
- suggest
- propose
などの、「提案・要求」などを表す動詞の目的語になる that節では仮定法現在(動詞の原形)が使われます。「彼が大学で数学を学ぶ」というのは「まだ実現していない、話し手の頭の中の話」なので、仮定法現在で表すというわけです。
また、イギリス英語では「 should + 動詞の原形」の形を使うことが多いです。先ほどの例では
The teacher suggested that he should study math at college.
となります。
要求や提案などは「~すべきだ」、上記の例文で言うと「学ぶべきだ」という意識でされますよね。should が使われるのはそのためですね。これは助動詞の should が分かっていれば納得できると思います。
助動詞の should を使った表現は、仮定法現在(動詞の原形)を使う場合よりも「~すべき」というニュアンスは強まります。「~すべき」を表す助動詞である should を使っているので、当然といえば当然ですね。
仮定法現在と should + 動詞の原形の2パターンがあるということです。少し細かいことかもしれませんが、一応触れておきます。
It is + 形容詞 + that節
- necessary
- important
- essential
- advisable
- desirable
などの、間接的に必要や願望の気持ちを伝えるこのような形容詞の後の that節で、仮定法現在が使われることがあります。
これも、先ほどの「要求・提案を表す動詞の後の that節」と同じで、主にイギリス英語では should を使うことが多いです。
仮定法現在 願望を表す構文
God Save the Queen! 神よ女王陛下を守り給え
このような使い方もあります。古い表現が多く文語的です。
最後に
「仮定法現在」の主な用法などについて整理できたでしょうか。色々な場面でよく出てくる形ですので、しっかりと理解しておきましょう。また、「どの動詞がthat 節 の中で仮定法現在を使うのか」は覚えないといけません。これは英語の語法の本などでまとめてチェックするというのもおすすめです。
関連記事:『英語語法 Make it!』は「語法が覚えられない人」におすすめの語法参考書、特徴・覚え方を紹介!
しかし、最初からそういうのを網羅しようとすると大変なので、「普通は仮定法現在や should + 動詞の原形の方を使う」と覚えておきましょう。まずは基本のパターンをガッチリと固めることを意識して下さい。
英語をたくさん読んだり聞いたりして、実際に使われている英文に出会うことも大切です。
関連記事:日本人が洋書を読めない主な理由と、読めるようになるのに必要なこと
また、高校総合英語や、「一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)」などの英文法書の記述を色々と読んでみるのも良いでしょう。文法書というと読むのを躊躇してしまう人も多いですが意外と分かりやすく書いてあったりしますし、自分の知識を整理するのにも役立つと思います。
Kindle版の英文法書を使うと疑問点などを調べる時にかなり便利です。効率よく英語学習を進めることが出来ると思いますので、1冊は持っておいて損はないでしょう。
関連記事:英文法書のKindle版がおすすめ!メリットだらけ&便利すぎるので英語の勉強に活用しよう!
関連記事:英文法書や総合英語は通読するべき?辞書として使用するべき?おすすめはどれ?
一億人の英文法については、TOEICとの関連の話ですが、「「一億人の英文法」がTOEICにおすすめの参考書?かなり多い質問なので、はっきりさせておきます。」という記事で紹介しています。
英文法の苦手を克服するシリーズは、他にも
- 完了不定詞と時の組み合わせ(seem to have been などの話)
- 原形不定詞 使役動詞 make, let, have, get の違い
- 不定詞 be動詞 + to do
- 未来のことの仮定を表す仮定法 were to と should の違い
- almost, most の使い方と違い(almost all of やmost of など)
- 接続詞・前置詞・関係代名詞 as の用法・意味のまとめ、解説
- 比較 クジラ構文 「 no more ~ than 」の意味・考え方
- 比較 「 no more than, no less than, not more than, not less than 」の意味の違い、考え方のまとめ
などについて説明する記事を書いていますので、読んでみて下さい。今まで何となくで流していた項目がスッキリと理解できるかもしれません。